英正道の発言 (憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会)

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○英参考人 私は、その点については、本を出してからもいろいろな方と議論をしたのですけれども、冒頭の陳述の中で、あいまい性を持っている前文という言葉をあえて使わせていただいたのですが、お答えはそこにございます。かなりあいまいなものである、抽象的なものである、したがって、規範性を持っていない、これが今までの結論だと思いますので。逆に言えば、前文が変わったから規範性に変化が行われたのではないというふうに私は考えますので、そこを余り神経質に考える必要はないのじゃないかと。
 ちょっとアバウトな意見というふうにお笑いになられるかもしれませんけれども、すべてのものには若干の問題点はあると思います。しかし、私は、あえて賞味期限を過ぎてしまったというような挑発的なことを申し上げておりますのは、日本のアイデンティティーが失われたというのは、やはりこの憲法前文の果たした役割、罪であるというふうに私は思うものでございます。これは非常に強く思うものですから、やはりそこのところは一日も早く日本の顔をした前文が欲しいというところで、若干のものには目をつぶってもいいし、目を十分つぶっても問題のない問題だというふうに考えておるわけでございます。
 それからもう一つは、前文の改正をするということ、それを国民投票にかけるということの意義の大きさでございます。
 私は、繰り返しになりますけれども、最近の憲法というのは、どこでも最終的には国民の投票にかけられているわけですが、これだけ高いレベルの政治意識を持った国民、教育水準の国民が、自分の国の憲法に意思表示をしていないというのは、私の世代の気持ちとしては耐えられないのです。ですから、それをどうにかしてほしい。
 ほかのやり方でもできるならば、もちろんそれで結構です。しかし、どう見ても、さっき申し上げたように、議論がこのまま進んでいくと、これもこれも整合性がという話になってくると、もう結局憲法全体を変えるという意見になってくる。一条文をいじれば、それでまた整合性が出てきますから。そういう意味の整合性を考えた場合には、前文と憲法の本体との間の整合性に比べれば、私は非常に緩いものだと思うんですね。ですから、そういうような危険を考えると、前文だけ改正をするということが適当だというふうに申し上げた次第でございます。

発言情報

speech_id: 115604189X00520030703_022

発言者: 英正道

speaker_id: 8473

日付: 2003-07-03

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会