小林守の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)
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○小林(守)委員 民主党の小林守でございます。
八田先生には、貴重な御意見、そして刺激的な御発言、ありがとうございます。
今日まで首都機能移転、今日では国会等の移転という言い方がされておりますけれども、私は、この十年来の国会における議論というのは、やはり、この日本の閉塞した現在の状況をどう打破して、二十一世紀の日本のあり方あるいはビジョン、そういうものをどう求めていくか、そして、そのビッグプロジェクトとして国会等の移転というものが取り上げられてきているのではないのか、このように思う一人でございます。
この間の中で、多極分散型の国土の形成とか、あるいは政治と経済の分離というようなものが一つの大きな柱になっておりまして、中央集権的な明治維新以来の東京時代というか、これを、やはり多極分散型の、多軸型の国土形成に国のあり方を変えていこうというような視点が強く出されてきたのが今日までの経過ではなかったかというふうに思います。
それから、ある先生におかれましては、やはり日本の一つの歴史転換というかパラダイム、文化の転換というのは、首都の移転というか、都の移転という遷都によって大きく時代を画してきたというのが事実でありまして、そういう視点に立って考えるならば、やはり今日の日本の閉塞した状況を打破していくためにも遷都というものがあるのではないかと言う学者もいらっしゃいます。
私も、一面、そういう点では共感をするところでございますが、九九年、平成十一年の十二月二十日に国会等移転審議会の答申が出されて、北東地域、栃木・福島地域が評価の点で第一等の予定候補地ではないかというような答申が出されてきたという経過がございます。
それで、きょう先生のお話をお聞きしまして、東京は、現在、香港や上海とどう戦うかという、東アジアにおける経済拠点都市の覇権と言っていいか、一つの中心をめぐって大きな競争下にあるというようなことであって、今日までそのような議論が欠けていたのではないか、このような御指摘があったところであります。私もそのとおりだというふうには思いますし、いかにして東京をパワーアップさせていくかというような視点は極めて重要なことだろうというふうに思う一人でございます。
しかし、香港にしても上海にしても、首都は北京ですよね。ということになりますると、必ずしも東京に首都がある必要はないじゃないか、あるいは国会がある必要はないじゃないかというような考え方ができるのではないかというふうに思います。ですから、一つとして、東京のパワーアップ、都市再生をどうするかというのは当然考えなければならないことですけれども、しかし、それが国会等の移転とは直接かかわりないじゃないかというふうに思いますし、いわゆる集積のデメリットというか、政官業の癒着の構造とか、もう一つ、フェース・ツー・フェースの問題についても、私は、確かにコミュニケーションの、本音での取引とか交渉というのはフェース・ツー・フェースが最後の決め手になる、大きな基盤になるとは思うんですけれども、しかし、これだけの情報化社会の中で、情報通信技術が発達した中では、相当の部分はフェース・ツー・フェースではなくてできる時代になっているのではないか、このように思うんですね。むしろ補完的機能というものがフェース・ツー・フェースのコンタクトに求められているのであって、どうも先生とはそこがちょっと違うなという思いはしている一人でございます。
そういう点で、むしろ、フェース・ツー・フェースというのが政官業の癒着などを生んでしまう、あるいは閉鎖的な階層をつくってしまうというようなデメリットの方が大きいのではないか、このように思います。経済界が、みずからの情報収集の効率とか経済効率の観点で東京に集まっている、首都が移ったって行きませんよというような発想を持たれるのは大いに結構だと思うんですけれども、しかし、政治とか行政というものが何も東京になくてもいいじゃないか、むしろ、デメリットを解消する意味で分散した方がいいのではないかという視点はずっと変わらないのではないか、私はこのように思います。
そこで、第一点として、なぜ東京に首都機能がなければならないのか。香港と上海と戦う上からいってもその必然性はないではないか、北京は別にあるじゃないかというようなことをお聞きしたいというふうに思います。
それから、第二点でございますけれども、地方分権それ自体は目的を持って制度的に改革しなきゃならぬというのは、私は全く同感でございます。そういう視点に立って考えるならば、政府のリーダーシップが、今日まで分権、分権と言われながら、今日においては、むしろ逆に、市町村合併というような方向で集権化が進んでいるのではないか、このように思わざるを得ないんですけれども、分権を基盤として国のあり方をつくっていくという視点については、きっと先生も同じだというふうに思うんですね。
それで、分権を基盤にした国づくりという視点に立って考えるならば、首都機能を移転することについて先生は賛成なされるかどうか、その辺についての確認をしておきたいというふうに思います。
それから、バックアップ機能の件ですが、私は栃木・福島地域出身の者なのでそういう見方がされてしまうことがあるかもしれませんが、もっとフリーな立場に立って、やはり首都の、東京都の地震対策という視点あるいは防災対応力の強化という視点に立って考えるならば、バックアップ体制の必要性というのは全く同感でございます。
しかし、では、それをどこに求めるかということの中で、先生のほかの委員会等における参考人の意見陳述の中では、例えば大宮とか名古屋とか大阪とかあるいは横浜とか、そういうお言葉があったと思うんですけれども、私は、では、なぜ、東京から至近距離にあって一時間以内ぐらいで到達できるような栃木・福島地域じゃだめなのかということを逆にお聞きしたい、このように考えます。
それから、先ほどの御質問にもありましたが、最後の質問ですけれども、先生は、このような東京への集積のメリットを生かして政治機能まで置いておいた方がいいんだというようなお考えだと思うんですけれども、これはやはり分離分散した方が、二十一世紀の国の形を考えるならば必要だと私は思うんですが、先生の二十一世紀の日本のあるべき姿というものがちょっと見えていない現状だと思うんです。その辺をお聞かせいただければというふうに思います。
以上でございます。