神崎武法の発言 (本会議)
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○神崎武法君 私は、公明党を代表して、小泉総理の施政方針演説を含む政府四演説に関連して、当面の主要テーマに絞って質問いたします。(拍手)
まず初めに、御病気御療養中の天皇陛下の一日も早い御退院、御快癒を心よりお祈り申し上げます。(拍手)
また、今回のスペースシャトル・コロンビアの事故につきましては、本当に胸が痛みます。七名の宇宙飛行士、御遺族の皆様に心より哀悼の意を表します。(拍手)
総理、改革はまさしく「言うは易く、行うは難し」であります。
小泉連立政権発足当時、国民は、小泉総理の掲げる「聖域なき構造改革」に大きな期待を抱きました。一年十カ月を過ぎた今、なお五〇%前後の国民世論の支持があるということは、この間の小泉政権の改革への取り組みやその真摯な政治姿勢が評価されていることの証左にほかなりません。
ただ、最近の支持率低下が経済政策を中心とする不満の高まりにあることや、小泉内閣支持が、改革内容を評価するというより、総理の指導力、人格面での人気といった側面にあることは、注意を要します。
特に最近聞かれるようになったのが、改革に伴う痛みへの覚悟はわかる、痛みの先に何があるのかを同時に語ってほしいということであります。難しい問題ではありますが、この声にこたえることがさらに改革への不動の決意をみずからに課していくという意味で、まず、総理の改革への決意と展望、目指すべき成果についてお聞かせください。
さて、我が国経済を取り巻く環境は、極めて厳しいものがあります。昨年、緩やかながら回復しつつあった景気も陰りが見え、また、デフレは我が国経済に深刻な影響を及ぼしてきています。もちろん、実際の我が国経済が抱えるさまざまな課題、特に不良債権処理の抜本的解決などを進める中では、デフレ克服が一足飛びにできるものでないことも事実でありますが、決して手をこまねいているわけにはいきません。デフレの早期克服に向けて、政府、日銀が、まさに英知を集め、可能なあらゆる政策手段を集中的に講じていくべきであります。
こうした観点から、幾つかの点について申し上げたい。
まず第一は、不良債権処理の着実な実施と産業・企業再生への取り組みの強化、そして、万全な雇用・中小企業セーフティーネット対策の構築についてであります。
このうち、産業・企業再生については、産業再生機構を速やかに立ち上げ、産業構造の変革と企業の再生を通じて経済の活性化を図っていくことが重要であります。
一方、厳しさを増す雇用情勢について、私どもは、一貫して、セーフティーネットの構築を主張してまいりました。
雇用保険料率が我が党の強い主張で現行のまま据え置かれることとなり、あわせて、早期再就職者支援基金二千五百億円が創設され、不良債権処理の加速に伴う失業者への支援が講じられることとなりました。
民間企業の雇用を後押しする雇用再生集中支援事業の創設も含め、多くの雇用の安全網を実効ある制度としていくためにも、速やかな十五年度予算案の成立と施策の実施、追加的施策の可能性などを含め、政府は全力を挙げて取り組むべきでありますが、総理の決意をお伺いしたい。
中小企業対策については、特に長期デフレと不良債権処理の加速化に伴う中小企業に対する貸し渋り、貸しはがしがさらに厳しくなっており、その一つの要因が、公的資金を受けた金融機関が中小企業向け貸し出し目標を大幅に下回っている事実を早急に改善すべきであると思うが、総理の意見をお伺いしたいと思います。(拍手)
特別信用保証制度や売掛債権担保融資保証制度など、公明党は、まじめに働く中小企業の方々への支援も数多く実現してまいりました。
平成十四年度補正予算においても、中小企業セーフティーネット対策として五千億円の予算が確保されました。その中の大きな柱が、複数ある保証つき融資を一本化するなどして月々の返済額を軽減する資金繰り支援保証制度であり、地域の関係者の協力を得て中小企業を再生する中小企業再生協議会の創設や創業塾の拡充なども盛り込まれております。
とはいえ、経済再生の核となる中小企業の活性化のため、必要に応じてさらなる支援を行っていくべきであると思いますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。(拍手)
第二には、日本銀行による適切な金融政策運営であります。
特に、デフレ不況の克服に向けて政府、日銀の連携を図り、デフレ脱却に向けて同じ認識を共有し、共同歩調をとりながら、一定の政策目標に向けた対応措置を講じていくことが重要であると考えます。
その意味におきまして、物価安定についての緩やかな目標を政府と日本銀行が政策協定や宣言という形で合意することも積極的に検討すべきではないかと考えるものであります。種々の論議は必要ですが、まず一歩踏み込んでみようとの姿勢を持った上での検討であるべきと思いますが、総理、いかがでしょうか。(拍手)
第三には、規制改革の徹底した推進を強調したい。特に、構造改革特区構想の大胆な展開が当面の大きな焦点であります。
昨年八月の第一次の特区では、幾つかの規制緩和が実現したものの、目玉とされたものがことごとく退けられました。そもそも、構造改革特区なるものはもともと地域や実施時期を限定した一種の社会実験であり、不都合が出たならば撤退や軌道修正が可能であればこそ、特区なのであります。
先月十五日に締め切られた第二次構造改革特区には、地方自治体や民間企業などから、前回の一・五倍に当たる六百五十一の提案が寄せられました。
例えば、韓国・釜山市と近い長崎県の離島、対馬は、海外旅行者のノービザ渡航の実現、小中学校での韓国語教育などの規制緩和を「しま交流拡大特区」として要望、あるいは、農家に酒の醸造、販売を地域限定で認めようという岩手県などの「どぶろく特区」、モナコ・グランプリのように公道でのカーレース開催を認める「大阪夢サーキット誘致特区」、政令市以上にしか許可されていない宝くじの発行を広域連携五市で発行しようという「両毛地域振興宝くじ特区」、違法駐車等の取り締まりを市町村が行うことで渋滞を解消し、商店街の活性化と市民の安全性を図る埼玉県草加市の「安全・安心改革特区」など、地域や民間の創意工夫、アイデアはまさに無尽蔵であります。
総理は、施政方針演説の中で、特区をてこに全国規模での規制改革を進めると明言されましたが、足元の省庁で特区の二次提案に前向き姿勢を示しているのは一、二割にすぎないようであります。もちろん、中には検討を要するものもありますが、総理がリーダーシップを発揮して、まずやってみよう、結果で判断しようと、特区構想の多くにゴーサインを出してあげることが極めて大事と思いますが、総理の決断を求めたい。(拍手)
ここで、我々は、なぜデフレ不況から脱却できないでいるのか、なぜ日本社会を活気づかせることに苦しんでいるのかを改めて考えてみたいと思います。
アジア近隣諸国との経済の構造調整や不良債権処理の問題が原因していることは、申すまでもありません。総理も提案されているとおり、我々国民一人一人のマインド、意識をどう転換するかが大きな課題であることも事実であります。我々日本人は、古来、勤勉であります。創意工夫に富み、自分の力で自分の運命を切り開いてまいりました。
そこで、もう一度、私たちは、日本の持つ底力、潜在力を見直し、それを日本再発見行動プランともいうべきものとして、国家戦略の作成を提案いたします。
具体的に、幾つか列挙したいと思います。
第一は、言うまでもなく、先端技術であります。
日本の技術開発力が世界のトップレベルにあることを示した、昨年の物理学、化学の両分野でのノーベル賞同時受賞。そのすそ野にある中小企業や大学の研究機関などが持つ技術力のすばらしさ。例えば、人工衛星づくりが東大阪の町工場で始まったことは有名であり、そのほかにも、医療用機械やロボット、ナノテクノロジー、新エネルギーなどの技術力は世界でも有数であります。
問題は、これらの技術開発力を産業力にいかに効率よく結びつけるかであります。TLO、技術移転機関の活性化や知的財産戦略を強力に進めるとともに、中小企業や大学などの研究開発を誘発する環境を整備し、新産業創出を図ることは急務だと考えます。
第二は、観光の振興であります。
日本の旅行消費額は二十兆円、雇用創出効果は百八十一万人にも上り、間接的な生産波及効果は四十兆円、雇用創出効果は三百九十三万人にも達すると試算されています。日本の伝統文化、四季に富んだ自然景観は、観光先進国の魅力を凌駕する潜在力を秘めております。
しかしながら、我が国の観光における実力は、外国人旅行者の受け入れ数が世界三十五位と、海外に出かける旅行者数の四分の一にすぎず、その収支は約三兆五千億円の赤字に甘んじております。このことは、サービスの高度化などによって、これまでの観光産業の立ちおくれを観光先進諸外国並みに挽回するだけで、その展望は限りなく広がっていると考えます。
アメリカが近年、観光重視政策をとってきているように、今こそ日本も、文化・観光担当の大臣を任命するとともに、内閣に観光立国戦略本部を設置するなど、総合的な事業展開を図るべきであります。(拍手)
第三は、我が国は本来、山紫水明の自然環境大国だということであります。
自然は人間の活力の源でもあります。我が国は、今、改めて、水と緑と豊かさの自然共生先進国の実現に向けて大きくかじを切るべきときだと考えます。
そのために、一つは、我々公明党が強く主張し続け、先般、議員立法として成立した自然再生推進法について、政府として自然再生基本方針を早期に策定し、積極的な活用を図ること。二つ目に、公共事業の長期計画の改革が図られようとしておりますが、その際、自然共生に最大限の配慮をすべきこと。三つ目は、都市再生における自然環境の再生、整備。四つ目は、途上国の教育支援のために、NPOなどとの連携を図りつつ、世界に冠たる我が国の先端的な環境技術の移転、環境人材育成のための一大ワールドセンターを我が国に設置し、環境留学生を受け入れること、などを提案したいと思っております。
第四は、スポーツと文化芸術の振興であります。
この分野にあっても、日本の潜在力は大きなものが期待されます。最近、プロ野球の松井秀喜選手がアメリカ・メジャーリーグに移籍することが大きな話題になりましたが、日本人スポーツ選手の活躍は枚挙にいとまがありません。日本人の海外での雄飛は、多くの国民に夢や感動を与え、青少年にとっては大きな希望となっております。
トップレベルのスポーツ選手を育成するためには、スポーツを愛好する人のすそ野を広げることが肝要です。今、地域におけるスポーツクラブの運動が全国的に広がりつつありますが、こうした地域の取り組みを応援し、社会を挙げて生涯スポーツ社会とすることで、国家と国民の健康、発展が大きく期待できるのであります。
一方、物はあふれているのにどこか空虚感を覚えるのが今日の社会と言われ、心の満足のためには支出を惜しまないという時代になっております。心の満足を追求するもの、それが文化芸術であります。その文化芸術に楽しさ、エンターテインメントの要素を加えて大きな産業にしようという試みが世界で始まっています。世界に誇る文化芸術を持つ日本として、それをさらに発展させることを含め、その資源を有効に生かすことを考えてはいかがでしょうか。
以上、日本の潜在力と目される事例を幾つか掲げました。
これらにとどまらず、例えば、日本固有の地域コミュニティーの持つ力、日本独特の人情や触れ合いさえも、それだけで、世界に誇るべき、我々日本社会が有する潜在成長力だと考えます。これらを掘り起こし、再発見し、再構成していくことが重要だと考えます。
これが、仮称、日本再発見行動プランの作成を提案するゆえんであり、そのための実施機関の設置など、内閣挙げての国策とすべきであると考えますが、総理の御見解を伺います。(拍手)
次に、私は、日本の高齢社会は負の面ばかりクローズアップされているように思えてなりません。
一口に高齢者と言っても、その実像は多様であります。例えば、六十五歳以上に占める要介護者の割合は一割強、残りの九割弱は元気な高齢者として社会参加が可能なのであり、年金、医療、介護など、将来にわたり安定した制度を構築するため、抜本改革を急がねばなりません。その上で、高齢者があらゆる場で生き生きと活躍し、自己実現ができる社会へ、社会経済のシステム変革、私たちの意識変革が必要ではないでしょうか。
具体的に、次の三点を提案いたします。
まず第一に、高齢者が寝たきりや痴呆症になるのを防ぎ、健康で充実した生活を送るための国民的な健康づくり運動の推進です。
健康日本21に代表される、生活習慣の改善や健康維持増進のための健康教室の開催、さらには各種健康診査の充実など、膨張する国民医療費の抑制や、疾病構造の変化への的確な対応という観点からも、こうした一次予防への取り組みに対し、国の強力なバックアップが必要だと考えます。
次に、二点目として、就労やボランティア活動などを通じた社会参加の促進であります。
幸い、我が国の高齢者は、就労、社会貢献への意欲が高く、その経験豊富な知識や技能を生かし、高齢者が生涯現役で活躍することで、若年世代に刺激を与え、社会に新たな活力が生まれてくるのではないでしょうか。
最近では、高齢者が同世代の悩みや相談に乗るシニア・ピア・カウンセリングや、対高齢者のみならず小学生や一般市民も対象にしたパソコン教室の開催など、地域における世代内・世代間交流も大いに注目されております。こうした取り組みを推進するNPOへの支援の充実や、企業においても、フルタイムではない短時間勤務制度の導入、促進など、高齢者の多様な可能性を引き出せる雇用形態の見直しが強く求められております。
そして、第三には、観光、文化芸術活動、生涯学習等を通じた、心の健康づくりや生きがい探しへの取り組みであります。
心身のいやしの場として高齢者に人気の高い温泉地への観光は、疾病・介護予防とも直結し、今後ますますニーズの高まりが予測されます。また、コミュニティーカレッジの創設、活用などにより、生涯学習の機会が充実することで、閉じこもりの防止やコミュニケーションの場が確保され、高齢者の社会参加や生きがい探しに大いに貢献するものと思われます。
高齢期を、人生で最も充実した幸多き、漢字で書けば幸せの年齢、つまり幸齢期とし、日本再生の大きな柱の一つとするためにも、これらの施策を果敢に断行し、世界に誇れる高齢社会の日本型先進モデルを示していく使命があると思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。(拍手)
次に、教育についてお伺いしたい。
奨学金制度などは公明党の粘り強い取り組みで充実してきましたが、いまだ、不登校の児童生徒数が過去最高となるなど、今日の教育において、取り組むべき課題は余りにも多いのが現状であります。これらの諸課題に早急に、かつ、全力で取り組むことは当然ではありますが、あるべき教育の姿とは何かといった中長期的な視野に立った検討も、今、教育に求められており、この観点から、以下の提案をさせていただきます。
第一に、教育の地方分権化を政府が大胆に推進すべきということであります。
今日の教育にあっては、規制や前例に縛られない、地域や学校、民間の自由な発想が有効であり、これらの努力や創意工夫がより生かされる仕組みが求められております。
その意味で、今回の構造改革特区における第二次提案では、教育特区として、不登校の児童生徒のための学校の設立や、NPOや地域住民による学校の運営など、地域、子供の実情に即した、自治体、民間によるさまざまな提案がなされているところであり、政府は極力支援すべきであると考えますが、総理のお考えをお聞きしたい。
第二に、公立学校の復権であります。
今日、公立学校の信頼性の回復が喫緊の課題になっておりますが、義務教育における公立学校の基幹的役割を考慮すれば、いかに公立学校を活性化させるかということが今後の大きな焦点であります。既存の学校制度の見直しも重要であると考えます。
その一つの試みである学校選択制の活用は、十分検討に値するものと言えます。特に、埼玉県志木市が、教育特区として、中学校を文系、理系などの学部と見立てての自由化構想を掲げていますが、これは、市内の各中学校を大学の学部に見立てて、それぞれに特色を持たせ、学区を自由化して、行きたい学校を選ぶことのできるようにするという画期的なものであります。
また、公立学校の活性化のため、一つの起爆剤として、例えば、実験的に、クーポン券を家庭、子供たちに配布することにより、行きたい学校に行けるといった教育バウチャー制度の導入の検討も視野に入れていいのではないでしょうか。
文部科学大臣並びに教育バウチャー制度を熱心に提唱している竹中大臣のお考えを伺います。
なお、教育基本法の見直しについてでありますが、私どもは、教育基本法は準憲法的な性格を有しており、十分時間をかけて議論を尽くすべきであると考えています。(拍手)
次に、農業活性化について質問いたします。
農林水産省が昨年十二月に決定した米政策改革大綱は、国が直接配分していた生産調整を生産者や農協の主体的判断で実施することや、地域の特色を生かした水田農業に資する産地づくり、過剰米処理、流通の改革などから成っております。しかし、こうした新政策について、生産者は、米価がさらに値下がりするのではないかなど、今後の米づくりに強い不安を抱いております。
これらの不安にどう対処し、さらには、新米政策のかぎである担い手不足対策や担い手への農地集約を具体的にどう進めていくのか、総理の答弁を求めます。
また、この際、米飯としての米の消費拡大だけではなく、米を粉体化し、米粉、米の粉と漢字で書いてコメコと読みますが、この米粉としての利用拡大を図るべきではないかと考えております。
特に、近年、粉体化技術が向上し、各地で米粉パンやうどんへの混入などの事例がふえております。米粉による米の消費拡大は、食料自給率の向上、水田の多面的機能の発揮にもつながるものであり、新たに光を当てる分野ではないかと思います。
国として米粉の普及推進機関をつくるべきではないかと思いますが、米粉の消費拡大とあわせ、農林水産大臣のお考えをお伺いいたします。
WTO農業交渉は、ことし三月末のモダリティー、自由化の基準確立に向け、大詰めに来ております。食料自給率の向上、食料安全保障、農業の多面的機能発揮の観点などから、米国やケアンズ・グループの大幅一律関税削減案は余りにも非現実的であります。
我が国は、EUなどと連携を深め、品目ごとに異なる関税設定を認めているウルグアイ・ラウンド方式やミニマムアクセス米の削減を目指し、全力を挙げるべきですが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。(拍手)
国民の信頼なくして政治、行政は遂行できません。しかしながら、残念なことに、最近も、政治、行政の倫理が厳しく問われる事件が起こっております。
公明党が与党入りして三年余り、政治家個人に対する企業・団体献金の禁止、あっせん利得処罰法の制定、対象拡大、官製談合防止法の制定など、多くの腐敗防止策が講じられてきました。
しかし、いつまでも続く、政治家の影響力を背景とした政官業癒着の構造を断ち切るために、さらなる再発防止策を講ずべきであると考えます。
既に制定された防止策の厳正なる運用はもとより、公共工事受注業者からの政治献金の量的、質的な制限や、政治家や秘書の公共工事の入札への関与を禁止する旨を国会議員の行為規範などに明記すること、そして、電子入札の普及など、一歩も二歩も踏み込んだ防止策を検討すべき段階に来たと痛感いたしますが、総理の政治腐敗防止への決意をお伺いしたいと思います。
次に、いわゆる公務員の天下り問題についてであります。
一昨年十二月に出された公務員制度改革大綱においては、営利企業への再就職について各省大臣が承認する仕組みが示されましたが、承認の主体を人事院から担当大臣に変更しただけであり、逆に、お手盛りになるのではないかといった懸念もあります。天下り人事については、強いチェック機能が必要であり、内閣の承認事項とすべきであります。
公明党は、天下りの背景にある早期退職慣行そのものが、特殊法人や公益法人のあり方も含めた公的な部門全体にかかわる種々の問題の根源にあると認識しており、これまで一貫してその是正を主張してきました。
今後、行政改革を進めるに当たっては、早期退職慣行の是正、内閣の調整機能の強化など、天下り問題に大胆に取り組み、国民の期待にこたえることが不可欠だと考えます。場合によっては、公務員制度改革大綱の見直しも視野に入れるなど、これまでの経緯にとらわれない大胆なかじ取りを期待するものでありますが、総理の御見解を伺います。(拍手)
次に、イラク、北朝鮮問題についてお伺いいたします。
世界が直面する最大の脅威は、核や大量破壊兵器などの拡散であります。そして、これらの武器をテロリストが手にすることほど恐ろしいことはありません。我が国も、国際社会と一致結束して、これらの問題に真正面から対峙せねばなりません。
まず、イラク問題についてでありますが、先月二十七日、国連監視検証委員会と国際原子力機関による査察の報告を受け、国連安保理で協議が行われました。その結果、イラクは大量破壊兵器などに関する疑惑を解消するために十分な協力を行っていない、イラクは能動的に疑惑を解消し、みずから武装解除を行うよう強く求めるとともに、引き続き査察を継続するとの結論に至りました。また、今月五日には、再度、安保理協議が開催されることになりました。私は、この国連の努力と判断を支持するものであります。
この問題解決のために重要なことは、まず、イラクが査察に無条件、無制限に協力し、大量破壊兵器の廃棄など、すべての関連安保理決議を履行することであります。国連への全面協力を通じてのみ、平和的な解決の第一歩が始まるのであります。
公明党は、国連を中心とした国際社会の連携を軸に、あくまでも外交努力による平和的解決を目指す立場であります。我が国も、あらゆる機会を通じ、査察に関する前向きな対応をイラクに求めるべきです。
総理は今後どのような外交努力をされようとしているのか、お伺いしたいと思います。
一方、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国は、昨年十二月、核の凍結解除と核施設の再稼働を発表、そして本年に入り、ついには、NPT、核拡散防止条約の脱退表明と、日朝平壌宣言を一方的に踏みにじる事態に至ったことは、まことに遺憾であります。
我が国はあらゆる機会を通じて、北朝鮮の約束違反について、毅然として、かつ、粘り強く正していくとともに、北朝鮮が何としてもNPTにとどまるよう全力を挙げねばなりません。
当面は、日米韓の枠組み、そして、ロシアと中国の仲介を含め、北朝鮮を説得することが重要であります。
一方、長期的な取り組みとしては、北朝鮮を交えた形での国連主催の北東アジア平和会議を設置し、同地域における信頼醸成を図りつつ、非核地帯構想への参加を通じて、NPT加盟の継続を図る選択肢を北朝鮮に提供したらどうかと考えます。くしくも、昨年、キューバがこの道を選択したことを考えれば、決して不可能なことではありません。
また、拉致被害者の御家族の帰国問題を初めとする拉致問題の全面解決、さらには、北朝鮮を脱出して帰国された方々に対する法整備を含めた生活支援など、これらの問題に全力で対処していただきたい。
総理の御見解を承りたいと存じます。(拍手)
カンボジアに始まり、我が国が国連の平和維持活動に参加してはや十年、我が国の自衛隊が今後ますます国際平和協力へ貢献する上でも、私は、自衛隊の中にPKOを専門とする部隊の創設を検討する時期に来ていると考えます。
昨年十二月、明石座長を中心に熱心に議論された国際平和協力懇談会の報告書が福田官房長官に提出されました。その中で、第一に、国際人道援助への迅速な対応、第二に、これからは平和維持から平和構築の分野に力をシフトしていく重要性と、そのために、経済、行政、治安、教育など、より広範な協力と人材が求められているとの指摘がありましたが、私も全く同感であります。
私は、新しい平和主義との観点から、次の三つの提案をさせていただきます。
第一は、国際人道援助への敏速な対応、円滑な実施であります。
特に難民や被災民支援など人道的な分野においては、医師やレスキュー隊員など自衛隊員以外の文民専門家の派遣については、より弾力的な運用により迅速に派遣できる体制を法制度を含めて整備するなど、硬直化した対応が結果として人道支援の機会を損ねることのないようにすべきであります。
第二には、国連待機制度への加入であります。
この制度は、国連PKOの機動的かつ迅速な展開を可能とするために、国連加盟国が一定期間内に提供可能な要員の種類、数などを国連側にあらかじめ報告しておき、実際に展開が必要となった場合、国連がこれに基づき各国に要請するシステムであります。この際、我が国も加入の意思表明をすべきであります。
第三は、国際平和貢献センターの設置と人材育成であります。
国際平和協力の現場に求められている警察活動や紛争予防、医療・衛生、教育など文民的分野で対応できる人材を育成するために、官民共同の人材育成機関である国際平和貢献センター(仮称)の設置を内閣府のもとで推進していただきたい。
以上の提案について、総理の御所見を承りたいと存じます。
総理、どのような時代にあっても、懸命に汗して、まじめに働く人が報われる社会を築くことが、政治に課せられた使命ではないでしょうか。庶民が抱える苦しみと不安を除去し、安定した生活基盤を築くために、政府・与党が一体となって全力で取り組まなければなりません。
経済の再生、そして、政治への国民の信頼回復のためにも、総理の強靱なるリーダーシップを期待して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕