鉢呂吉雄の発言 (本会議)

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○鉢呂吉雄君 ただいま議題となりました公共事業基本法案について、民主党・無所属クラブを代表して、その趣旨を御説明いたします。
 公共事業は、国や地方公共団体が中心となって行う社会資本整備のための事業であって、そこから生み出されるサービスが、国民の健康で文化的な生活を充足させるために、重要な役割を果たすものであります。政府は、すべての国民がそのような生活を享受できるよう、効率的に社会資本を整備することが求められております。
 ところで、国と地方の借金が総額六百八十八兆円に達する今日の危機的な財政事情の中で、具体的に言えば諫早湾干拓事業、川辺川ダム事業など、全く効果がないばかりか、自然環境を破壊し、地域の生活をも破壊する公共事業が今なお延々と続けられております。
 そして、特に問題なのは、官僚主導の公共事業長期計画であります。そもそも、これらの長期計画は、その多くが緊急措置法とされ、一時的な法律であったにもかかわらず、事実上、全く見直されることなく、今日まで続いてきております。社会基盤が未成熟な時代はともかく、今日では、その役割を問われているところであります。
 この長期計画の問題点は、計画目標を次々と高くし、予算を獲得するにしきの御旗として機能してきたところであります。計画相互間の連携はほとんどなされていないばかりか、公共事業の計画全体をチェックする行政機関が存在しないまま、閣議決定にゆだねられ、国会のチェックが及ばない仕組みとなっているためであります。しかも、計画について外部からチェックができないことから、何十年も前に計画され、本来の目的を失った事業までも、そのまま惰性で続けられております。
 今回、政府もようやくその問題に対応すべく、社会資本整備重点計画法案を提出しておりますが、一本化されている事業のほとんどが国土交通省所管の事業で、相変わらずの縦割りで、中央官僚独占の計画であり、国会承認もなければ道路特定財源の一般財源化もないなど、公共事業をめぐる問題点への対応としては甚だ不十分であると言わざるを得ません。
 例えば、連携が有効な分野に山林、河川、海があり、これらは保水機能や洪水防止、水産資源などに相互に影響し合うにもかかわらず、今回、治山と治水を法律上も切り離し、省庁縦割りをより強固なものに再編するという矛盾を生み出しています。従来から言われている農道と国道の整備のむだも、今回の政府案では一向に解消されることにはならないのであります。
 このように、公共事業、とりわけ長期計画には多くの問題があり、これらの点を改善しなければ、公共事業の効率的配分はなし得ず、国民も納得しないばかりか、際限なく膨張し、財政赤字を肥大化させることになります。唯一、国会のみが、行政、とりわけ官僚をコントロールできるのであります。
 したがって、国民生活によくもあしくも大きな影響を与える公共事業について、国民の代表である国会が実質的に関与できない現行制度が異常なのであります。そのような視点に立って、民主党の公共事業基本法案を策定したところでございます。
 次に、その公共事業基本法案について、その内容を御説明いたします。
 第一に、道路等の各省庁にわたる公共事業関連の長期計画を、公共事業中期総合計画として一本化して、計画を国会承認事項とすることによって、国会が優先順位を判断することとしております。
 また、百億円以上の事業費が見込まれる公共事業については、公共事業実施計画を作成させ、国会承認事項とし、政治家が口ききなどにより個別事業について裏で介入するのではなく、国会の意思として明確に責任を持つこととしております。
 本州と四国との三本の橋の建設は、政官業癒着の結果、四兆円の債務を抱え込んでしまいました。この膨大な借金は、だれが責任をとるのでしょうか。このような事態を二度と引き起こさないためにも、国会が責任を持つというシステムが必要であります。
 第二に、国または特殊法人が実施することができる公共事業について、例えば、国道でいえばいわゆる一けた国道、空港でいえば羽田、成田などの拠点空港、国有林野、新幹線など広域的事業に限定し、地方分権を徹底しております。
 第三に、公共事業が国民生活や経済、環境に重大な影響を及ぼすものであることにかんがみ、一定期間が経過しても事業に着手していない場合、あるいは事業が完成していない場合について、政府が再評価を行い、継続の必要がある場合には国会承認を受けなければならないこととし、目的を失った事業が長期にわたって継続されることがないように措置しております。
 第四に、公共事業中期総合計画に基づく事業の有効性を検証するために、事業の終了後一定期間内に、政府が事業の効果及び各事業の及ぼした影響を評価することとし、評価の結果が新たに策定される計画へと反映される制度としております。
 第五に、公共事業中期総合計画の作成、再評価等の各段階において、国民や地方の意見を聞かなければならないこととし、国民が真に必要な事業かを判断できるようにするため、情報公開を義務づけしております。
 第六に、内閣府に公共事業調査会を設置し、省庁縦割りではなく、公共事業全般にわたり調査審議することとしております。
 第七に、いわゆる道路整備特定財源制度を廃止し、公共事業の優先順位や事業間の配分について、その時々の必要性に応じて弾力的に判断することとしております。
 行政が一度決めたことが、時代が変わり環境が変わっても永遠に正しいという話が幻想であることは、諫早湾や中海の干拓事業の例からも明らかであります。にもかかわらず、膨大な国債を発行して、いたずらに公共事業を肥大化させ、私たちは今、当面の財政危機のみならず、未来へさらに大きなツケを残そうとしております。
 未来にツケを回すのではなく、たとえ今、苦しみを伴おうと、正しい決断をすることによって、未来に明るい展望を開こうではありませんか。その明るい展望への大きな指針が本公共事業基本法案であります。
 議会人として、また一国民として、党派を超えて力強い御支援をいただきますようお願い申し上げまして、私の趣旨説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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 社会資本整備重点計画法案(内閣提出)及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)並びに公共事業基本法案(第百五十一回国会、前原誠司君外三名提出)の趣旨説明に対する質疑

発言情報

speech_id: 115605254X01120030228_005

発言者: 鉢呂吉雄

speaker_id: 17792

日付: 2003-02-28

院: 衆議院

会議名: 本会議