一川保夫の発言 (本会議)

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○一川保夫君 自由党の一川保夫でございます。
 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の社会資本整備重点計画法案及び同施行関係法案について質問いたしたいと思います。(拍手)
 限られた時間でございますので、民主党の方から提出されました公共事業基本法案よりも政府提出の方がはるかに問題点が多いので、政府提出の法案の方に絞って質問させていただきたい、そのように思っております。(拍手)
 まず、社会資本整備についての自由党の基本的な考え方を述べさせていただきます。
 第一に、我が国における社会資本の整備は、投資額においては先進国では大規模な額を有しておりますけれども、しかし、その整備水準は今なお欧米に比べて相当立ちおくれているというふうに思います。社会資本の整備は依然として最重点課題の一つであるというふうに認識いたしております。少子高齢化がピークを迎える前に、新しい視点に立って、着実に社会資本の整備を進めていかなければならないというふうに考えております。
 第二に、これからの社会資本整備は、大型の事業が減少し、地域密着型、また生活関連型、そして、施設の維持管理などに事業の重点が移ってまいります。その際、社会資本の整備に当たっては、国と地方の役割を明確にし、行き過ぎた中央集権を改め、できるだけ地方主権の概念を導入して進めることが必要であると考えております。
 第三に、これからの社会資本の整備に当たっては、民間が参入可能な分野をできるだけ拡大して、民間の力を活用することが必要であると思います。そのためにも、今後、建設市場が徐々に縮小していく中で、建設業の体質改善を図り、建設市場を刷新することが必要であります。あわせまして、費用・便益分析の徹底、事業評価システムの整備、入札制度の透明性の向上などを推進しなければなりません。
 以上の基本的な立場を踏まえまして、政府案について、考え方をお尋ねしたいと思います。
 まず、そもそも国が五カ年計画を掲げる必要性そのものについてでございます。
 五カ年計画によって、公共投資が合理的に行われるわけではありません。効率的に行われるということでもありません。五カ年ごとに計画が実現したという実績もありません。制度そのものが硬直化し、形骸化してしまっているのであります。社会資本の整備水準を引き上げるためにだけではなくて、景気対策として余りにも安易に公共事業を利用してきた嫌いがございます。
 こうした各種の五カ年計画を形を変えて存続させる意味はどこにあるのか。これらの五カ年計画の実態は、国が地方を支配するための道具になる可能性があり、各省庁の公共事業予算獲得の大義名分であり、また、地方自治体の自由な事業の実施を阻害するものでもあり、各役所の縄張り争いの源泉となっているものであります。
 新しい計画では、総事業費は明示しないと言っておりますが、実態は、各種の五カ年計画を建前だけ一本化し、従来の縦割り行政、縄張り行政の本質がこれによって変わらないのは明白であります。
 五カ年計画の制度そのものを廃止するべきではないかというふうに思いますけれども、小泉総理の御見解をお聞かせ願いたいと思います。(拍手)
 次に、国・地方、そして、官と民の役割分担の問題についてお伺いいたします。
 私ども自由党は、国の仕事は、空港、重要港湾、高速鉄道、基幹的な道路あるいは大規模河川などの国家的に必要なプロジェクトに限定して、これらについては国が責任を持って整備する。それ以外の公共投資については地方自治体や民間に権限と財源をゆだねて国は一切干渉しないとの方針、政策をとっております。
 その限りにおいて、国のナショナルプロジェクトにかかわる計画は存在したとしましても、それ以外の計画は国が策定する必要はないというふうに考えております。地方自治体や民間がみずから計画を立てて、みずからの責任で実施していくことが大切であります。
 小泉総理は、かねてより、地方に任せられるところは地方に、民間に任せられるところは民間にと述べられておりますが、そのように述べてきた総理であるならば、国が計画をつくるのではなく、地方自治体や民間に任せればいいのではありませんか。
 総理のおっしゃる、国・地方、官・民の役割分担とはどのようなものなのか、地方分権の徹底や地域特性、民間活力への配慮を国の計画の中に入れることそのものが自己矛盾ではないかというふうに考えております。総理の明快な御答弁をお願いいたします。
 具体的な問題についてお尋ねいたします。
 従来の縦割りで行われてきた公共投資について、この法律によって、事業がどのようにして重点的、効果的、また効率的に推進され、横断的な取り組みや事業間の連携の強化が図られることとなるのか。また、それがどのようにして担保されているのか。国土交通省関係に限定して一本化することの意味はどこにあるのか。以上の諸点について、扇国土交通大臣の答弁を求めるものであります。
 関連いたしまして、公共事業予算の考え方についてお尋ねいたします。
 自由党は、国が地方自治体を縛っている国の事業費補助金を廃止して、その相当額を地方に自主財源として一括交付すべきであるというふうに主張いたしております。これは政官業癒着の腐敗構造を打破すると同時に、真の地方分権を実現するために不可欠の改革であると考えております。私たちの提唱する全国三百自治体への再編成への重要なステップであるというふうにも考えております。
 それによって、地方自治体は本当に必要とする事業を地域住民の中で話し合って、創意工夫を凝らし、自由に行えるようになります。地方の真の自立を促すことにもなり、地方の自治体の意欲が出てまいります。また、補助金を獲得するために地方が中央省庁に陳情活動を繰り返すといった経費と時間のむだを削減し、縦割り行政の弊害である重複事業をなくすることもできるというふうに考えております。
 つまり、国が長期計画をつくって、そのための公共事業予算を補助金としてひもつきで交付するという政府の施策の対極にある考え方でありますが、この自由党の考え方について、小泉総理はどのようにお考えなのか。また、かつて、同様の主張をされていたはずの扇国土交通大臣にも、その点について御所見をお聞かせ願いたいと思います。(拍手)
 次に、公共事業の再評価制度についてお伺いいたします。
 水源県である長野県の脱ダム宣言は、方々に大きなインパクトを与えてまいりました。また、先般、国土交通省が設置した第三者機関である淀川水系流域委員会が、ダムは原則建設しないとする提言をまとめました。ダムの果たす一定の役割を認めつつ、ダムが地域社会の崩壊をもたらし、河川の生態系に重大な悪影響を及ぼしていると指摘しながら、流域全体に水源涵養力なり治水力を持たせる施策に転換すべきであるということを求めたものであります。この提言を政府は重く受けとめるべきであるというふうに考えます。
 公共事業の中には、特に国家的なプロジェクトについては、時代の変化とともに事業のあり方を検証し、見直していかなければならないものがたくさんあります。これらを再評価していくシステムが必要であるというふうに考えますが、政府案にはこうした考え方が取り入れられておりません。
 事業再評価のあり方についてのお考えを、扇国土交通大臣にお聞かせ願いたいと思います。
 次に、道路特定財源の問題についてお伺いいたします。
 小泉総理は、かつて、小泉改革のシンボルとして、道路特定財源については、聖域なく見直しの方向で検討したいと国会で答弁しておられました。道路特定財源を聖域なく見直すということは、一般財源化を検討するととらえるのが常識的であります。
 しかし、政府は、来年度税制改革において、自動車関係諸税の特例として、揮発油税、地方道路税、自動車重量税の税率の適用期限を、これまでと同様に、五カ年間延長するという措置をとったのであります。
 どこが「聖域なき見直し」なのでございますか。大きな声で改革だけを訴えておりますけれども、何も変えることができないという実態でございます。かけ声だけの小泉政治の典型であると言わなければなりません。
 総理は、この問題もやはり、大したことではないというふうに済ませてしまうおつもりなのか。この際、道路特定財源の扱いについて、小泉総理の御見解を改めてお聞かせ願いたいと思います。(拍手)
 次に、災害対策に関連いたしましてお尋ねいたします。
 六千人を超える方々が犠牲となった阪神大震災から、早くも八年余りが経過いたしました。この間、神戸市や兵庫県を初め、着実に復興を進めてきた被災地住民の方々に対し、心から深く敬意を表するものであります。
 あのとうとい犠牲によって得られた教訓を、時の経過とともに風化させてはなりません。阪神大震災では、高速道路や鉄道などの公共建設物の耐震補強にも幾つもの教訓を残したはずであります。しかし、それが政府の対策に十分生かされているとは到底思えません。
 ことし一月に内閣府がまとめた調査では、学校、幼稚園の約五四%、病院など医療機関の約四四%が「耐震性に疑問」とされ、人口集中地区のうち、近くに広い避難場所がない区域は六一%にも上ったという状況が報告されております。
 また、報道によりますと、防災施設が備えるべき設備や水準を国が示していないこともあり、都道府県ごとにその格差が出ており、地震対策は東高西低の傾向だというふうにも言われております。
 大規模災害対策のようなプロジェクトこそ、国が指導力を発揮して推進しなければなりません。
 阪神大震災以降、政府は、高速道路、鉄道などの耐震性の向上にどのように努めてこられたのか。また、今後どのように対応していこうとしておられるのか。また、地方自治体の公共施設についても、整備する権限と責任は地方にゆだねつつも、施設整備に必要な耐震性の基準なり、また、防災施設が備えるべき設備や基準につきましては、国が示すとともに、あるべき基準についても必要に応じて常に見直しを行っていくべきであるというふうに考えておりますが、国土交通大臣並びに防災担当大臣の御答弁をお願いしたいのであります。(拍手)
 私たち自由党は、大規模な自然災害は外国による侵略、大規模なテロ、経済社会の騒乱などと同様、国家の非常事態として位置づけ、これに対処するための機動的な仕組みを整備すべきであるというふうに考えております。
 すなわち、政府は、組閣直後に、平時から、総理大臣を議長とする非常事態対処会議を内閣に設置し、非常事態が発生した場合には、原則として国会の承認を得た上で、非常事態を布告し、総理大臣が直接、警察、海上保安庁を初め行政全般の指揮に当たり、速やかに事態に対処するという仕組みが必要であります。非常事態に備えた社会資本整備の対処方針も、この範疇に入る問題であります。
 非常事態に対処するための基本法を制定せずに、国家国民の安全を守ることができるというふうに考えておられるのか、小泉総理の御見解をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 115605254X01120030228_016

発言者: 一川保夫

speaker_id: 3505

日付: 2003-02-28

院: 衆議院

会議名: 本会議