山田正彦の発言 (本会議)
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○山田正彦君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました食品安全基本法案について質問いたします。(拍手)
質問に先立ち、一言申し上げます。
既に、小泉政権は、末期的症状を示しており、内政、外政ともに、今や、完全に当事者能力を失っています。国民生活は大増税による負担にあえぎ、市場では株価が二十年ぶりについに七千円台に突入するなど、三月危機が現実のものとなりつつあります。また、対イラク外交では、安保理決議がないままで、アメリカの対イラク武力行使に従おうとしています。
しかし、このような未曾有の危機において、小泉政権は、何ら具体的な対応を打ち出せないばかりか、総理自身や閣僚、与党議員の政治と金に関する疑惑で、国会審議もままならない状況です。
本年元旦には、小泉総理、大島農林水産大臣及び総務大臣、環境大臣に関する不正献金疑惑がマスコミで報じられました。また、一月十五日には、自民党長崎県連の幹事長と事務局長が公職選挙法違反で逮捕、後日、起訴されました。さらに、今月七日には、元自民党の坂井衆議院議員が政治資金規正法違反で逮捕されました。
国民もあきれ果てる状態が続いています。
仮に、与党が主張するように、これらの疑惑がぬれぎぬであれば、自由党など野党四党が要求している参考人招致に堂々と応じるべきであると考えます。(拍手)
また、同様に、自由党などが十一日に提出した、元自民党の坂井衆議院議員に対する辞職勧告決議案についても、速やかに採決し、我々国会議員みずからが襟を正すべきであると考えます。(拍手)
さて、本来であれば、食品安全基本法案については大島農林水産大臣にお伺いしなければならないのですが、大臣自身の疑惑は極めて濃厚で、また、答弁の姿勢は余りにも不誠実なため、残念ながら、大臣としての資質はないと思わざるを得ません。そのため、あえて大島大臣に対する質問はいたしません。(拍手)
まず、法案が提案されるに至ったいきさつについてお聞きいたします。
平成十三年九月、我が国で一頭目のBSEが発生してからは、御承知のように、大変なパニックに陥りました。私も四百頭ほどの肉牛を飼っていた者として、夜も眠れないほどのショックでした。当時、生産者、流通業者はかなりの数の倒産、破産、夜逃げ、一家離散、ついには自殺者が身近なところで発生したのも、皆さんの記憶に新しいところです。BSEの発生によって、少なくとも三千億円を超える未曾有の損失を発生させました。
その原因はどこにあったのでしょうか。
一九九七年、米国などがEUからの肉骨粉の輸入を法律上も禁止しているのにもかかわらず、それまで二十五トンとわずかでしかなかった肉骨粉を農水省が承認して次々にEUから輸入、ついには十万トンに達する肉骨粉を輸入させたところにその原因があります。まさしく、報告書でも明らかにされたように、政府の失政、過失責任そのものなのです。
ところが、政府は、農水大臣も辞任せず、農水次官も九千万円近い退職金をもらってやめたばかりで、だれ一人、責任をとろうとしませんでした。このようなことが二度と発生しないように、食の安全と安心の世論の高まりに応じて提案されたのがこの基本法です。
確かに、この法案では、国の責務は記載されています。しかしながら、抽象的に、食の安全に対する施策を講じなければならないと述べているだけで、国の結果責任については、何ら触れられていません。食の安全に対して、罰則も含めて、行政はどの部署で、だれが、どのような責任をとるのか、結果責任についても明確に記載されなければならないはずです。
残念ながら、今も、中国の残留農薬の問題、中国製の健康食品による死者の発生など、食の安全に関する危険は依然として進行中です。責任を明らかにしない限り、この法案は絵にかいたもちにすぎないのではないでしょうか。
さらに、食品安全委員会を設置しても、実際の監視に当たる行政は食品衛生法によって厚生労働省、一方、農産物についてはJAS法によって農水省と、従来の縦割り行政に何ら変わりありません。
この法案によってどこが変わったのか、谷垣担当大臣に見解をお聞きいたします。(拍手)
次に、消費者としての役割について質問いたします。
本法案では、「消費者の役割」として当たり前のことを抽象的に羅列しているだけで、具体的に、消費者がどのような制度のもとに、どのような意見を申し出ることができるか、何も記載されていません。そのため、消費者としても、自己の役割としてどのような行動が求められ、実際に消費者としてどのように食の安全という問題に参加してもらおうと考えているのか、イメージすらすることができません。
谷垣担当大臣及び坂口厚生労働大臣に、本法案が消費者に対して求めている役割と行動について、具体的な内容をお答えいただきたい。
次に、施策の中核である食品健康影響評価の実施についてお聞きいたします。
今まで食品健康影響評価が満足に行われてこなかったこと自体が極めて問題ですが、さらに重要なことは、そのリスク評価に基づいてどのような行動をとるかというリスク管理、消費者の役割の発揮などを通じた情報の共有化といったリスクコミュニケーションをいかに整備するかにかかってきます。
しかし、この法案では、リスク管理、リスクコミュニケーションについては、食品安全委員会が実施することになっていますが、諸外国のようなかなりの手足を持った組織ではないため、実質的には所管官庁が行うことになります。情報の共有やリスク管理のあり方に対する責任が明確でなければ、今までと変わらぬ体質を温存するだけです。
この法案によって、リスク管理、リスクコミュニケーションについて、これまでと比べてどのような変化があらわれるのか、谷垣担当大臣にお聞きいたします。
次に、食品安全委員会についてお聞きいたします。
食品安全委員会がリスクを評価して勧告などのリスク管理を行ったとしても、強制力がないため、当該省庁が検討を行ったときに、事実上、骨抜きにされる可能性が大です。
今回、この委員会は、国家行政組織法上の第八条委員会に位置づけられていますが、食の安全に対する強固な監視体制、また、食の安全が脅かされる事態が発生したときに、機敏に、かつ権限を持って対応するためにも、会計検査院や公正取引委員会のような、独立して権限を行使する機関にするべきではなかったでしょうか。谷垣大臣の御見解をお伺いいたします。
また、あくまでも第八条委員会の位置づけとするのであれば、所管を総理大臣に付することも検討していいのではないでしょうか。
本法案の食品安全委員会については、そうした食の安全が危機に陥ったときの総理大臣としての行動や、委員会として毅然とした対応をどのようにとるかといった方針は、十分に盛り込まれていません。
例えば、委員会の委員七名は総理大臣が任命権者となっていますが、それ以降、特段、総理大臣がこの委員会に関与することはありません。委員会のリスク評価に基づく勧告や、緊急事態に対して調査審議を行った結果の意見を述べる先は、関係行政機関の長である各省庁の大臣となっています。つまり、委員会と総理の接点は任命するだけの関係であり、食の重大かつ緊急を要する事態が発生したとしても、総理はリーダーシップを発揮することができない体制となっています。
もちろん、委員会の中立性、独立性は確保しなければなりません。しかし、問題発生時の意見の具申先や、重大かつ緊急時の対応では、総理のリーダーシップを存分に発揮するような仕組みをも考えなければならないのではないでしょうか。谷垣担当大臣にお聞きいたします。
最後に、一言申し上げます。
冒頭、表明したように、小泉政権は、今回の食の危機管理問題だけでなく、すべての問題について、口先だけのパフォーマンスを打ち出すばかりで、何ら具体的な対策を講じていません。このままでは、日本が崩壊の道を急速にたどることは必至の状況となっています。
それに対し、我々自由党は、本年の代表質問で小沢一郎党首が高らかに宣言したように、日本を一新する十一本の基本法案を今国会に提案することを表明しております。今後、これらの基本法を成立させ、日本社会を再興して、国民の期待にこたえるために全力を尽くすことを表明して、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕