伊藤英成の発言 (本会議)

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○伊藤英成君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました一連の首脳会談及びエビアン・サミット等について、小泉総理に対し質問をいたします。(拍手)
 今回のサミットでは、イラク攻撃をめぐって亀裂が生じたアメリカとフランス等との関係をどう修復するかが焦点のはずでした。にもかかわらず、アメリカは、中東訪問を理由に、サミットを途中退場してしまいました。イラクへの経済制裁解除を認める国連安保理決議の採択によって関係修復の兆しがあっただけに、その期待に水を差すものと言わざるを得ません。
 国連安保理の常任理事国の対立が続けば、世界の平和と安全の維持に支障を来します。今後のイラク復興や北朝鮮情勢に思いをいたせば、アメリカ単独ではなく国際社会が一致して取り組むという姿勢は、極めて重要な課題であります。
 総理は、サミットの場で、国連の機能回復に関して、何らかの努力をしてこられたのでしょうか。国連改革への着手を提起すべきだったと思いますが、なぜしなかったのですか。サミット自身も形骸化しつつある、また、その存在意義が問われているとは思いませんか。それぞれについてお答えをいただきたい。(拍手)
 イラク復興支援のあり方について伺います。
 民主党は、アメリカの、新たな安保理決議なきイラクへの単独主義的な武力攻撃に対しては、国際法上も疑義があり、徹底的な査察の継続を主張していたところから、イラク攻撃には反対をいたしました。しかし、フセイン政権は既に崩壊し、イラク国民は国際社会の援助を待っていると伝えられ、国連によるイラク制裁解除決議がなされたことから、イラク国民が必要としている援助は重要だと考えております。
 問題は、今まさに述べた、肝心のイラクにとっての必要性に関しての議論がおろそかになっていることです。必要性の前に、自民党の総裁選など与党の政局をめぐる思惑から、まず自衛隊の派遣ありきの議論が先行しているのではないでしょうか。
 我が党は、現在、独自に、イラクに調査団を派遣しており、昨夜も現地から私のところに電話で状況を伝えてきておりますが、日本人や日本製品に対して尊敬や良好な感情を持っていると言われるイラクのためには、イラク政府の要請や国連主導ではない、占領軍の一員とみなされる自衛隊の活動よりは、まずは医療や教育・文化、施設や設備等の修復、雇用の創出、経済や投資活動の促進等の分野に重点を置く方が、中東や世界の中における日本のイメージ、日本という国のあり方として、はるかに国益に沿っているのではないでしょうか。(拍手)
 総理は自衛隊派遣の必要性をどう評価されるのか、政局ではなく、本来どうあるべきかという観点からの御見解を伺います。
 北朝鮮問題については、私は、拉致事件及び大量破壊兵器問題等の全面解決を見るまで国交正常化はすべきではなく、経済援助はあり得ない、また、北朝鮮の核保有・拡散は認められない、こういう姿勢を堅持すべきだと思います。
 私は、議長総括の中に初めて拉致問題が明記され、また、日中首脳会談により北朝鮮問題が協議されたことは非常によかったと評価いたします。北朝鮮問題の平和的解決には中国の役割がどんなに重要かと、私自身も常に主張してきたところであります。
 しかし、一連の首脳会談で、日中間、中ロ間では外交努力が強調されながら、日米間では対話と圧力がそれぞれ合意されたと理解しておりますが、そこにはニュアンスの差があります。一層の措置について解釈の差があるアメリカと韓国、朝鮮半島の非核化で一致した中国、ロシアとの間で温度差が指摘される中、対北朝鮮政策においては、関係各国の政策調整なり連携が一層重要だと考えます。
 総理は、各国間での温度差ある姿勢に対し一体どのように対処されるのか、北朝鮮に対しどのように働きかけるのか、あす六日に来日されます韓国・盧武鉉大統領との会談にはどのような方針で臨まれるのか。さらに、まず急がれる米朝中協議あるいはそれに日韓を含めた協議の再開の展望についても御説明をいただきたい。
 さきに米国議会でも疑惑が指摘された万景峰号の入港が目前であります。ミサイル等の部品だけでなく、麻薬や覚せい剤等の密輸の疑いも指摘されていることから、安全保障上または犯罪防止の観点から、我が国の主体的な判断に基づき適切に対処できるよう、外為法、出入国管理法、港湾法、関税法、海上保安庁法、国連海洋法条約など関係法令の見直しも含め、新たな規制のあり方も検討すべきであると考えますが、万景峰号等の入港問題も含め、総理の考えを伺いたい。(拍手)
 拉致事件をめぐっては、官邸と外務省の間で二元外交とおぼしき行動や、国連人権委員会における消極的な資料提出、我が国ODAの対象国による北朝鮮非難決議の反対など、外務省主導による外交に疑念を持たざるを得ない不手際が続出しております。腰の定まらない稚拙な外交で国益を守る外交が展開できるのか、非常に心配であります。
 外務省の外交をどうされるおつもりか、ODAを戦略外交ツールとして活用するおつもりはあるのか、総理から明確な方針をお示しいただきたい。
 民主党は、日米同盟を日本外交の基軸としており、良好な日米関係の維持発展について、私自身も日ごろから努力をしているつもりであります。
 先般、沖縄の海兵隊の削減方針が報じられましたし、ブッシュ大統領は、ポーランドにおいて、大量破壊兵器やミサイルの拡散防止に向けて、航空機や船舶の臨検を可能とする国際協力体制の構築をうたう演説をしております。北朝鮮が該当すれば、我が国も無関心ではおられません。
 アメリカ側から矢継ぎ早にいろいろな方針が出てきますが、どのような政策調整をされているのか、全く判然といたしません。イラク問題等で強硬路線をとっている、いわゆるネオコン的な主張も、揺り戻しの可能性が十分にあると私は思っております。
 国益に重大な影響を及ぼす在沖縄米軍基地の問題、大量破壊兵器の拡散防止に関するブッシュ大統領の演説について、事前の調整はあったのですか。また、それぞれ日本としてどうするおつもりですか。総理から明確な所信を示していただきたい。(拍手)
 サミットで、ブッシュ大統領が強いドル政策の継続を強調し、日本、欧州も、この発言への支持を表明いたしました。民主党は、実力以上に評価されている現在の円レートは我が国の産業空洞化を進め、深刻なデフレ不況を招いた大きな要因の一つとなっていると主張してきました。
 小泉総理は、強いドルを歓迎するとしつつ、なぜ円が強いのかわからないなどと傍観者的態度を示しておりますが、強いドル、適正な円・ドルレートに向けて日本政府としてどのようなアクションを起こすのか、また、米国に対し具体的なアクションをどう働きかけるのか、総理の答弁を求めます。
 最後に、私は、野党だから単に政府を批判すればいいとは思いませんし、政府の政策であっても評価すべきところは率直に評価したい、こういう政治姿勢でこれまで取り組んでまいりました。
 懸案であった緊急事態法制が、衆議院において、与野党間で修正協議が調いましたが、私自身も、永年、関係者として携わってきたことに思いをいたせば、重要な点を実質的に法案に盛り込ませることができたと自負しております。
 いまだ、国民保護法制の整備や米軍支援法制の中身、ジュネーブ条約関連の法制整備など、残された重要な課題も山積しており、参議院においても、今、活発な議論が行われておりますが、最後に、総理から、今国会の緊急事態法制の整備に関しての御所見と、残された法制整備に関する御決意をお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 115605254X03820030605_031

発言者: 伊藤英成

speaker_id: 6600

日付: 2003-06-05

院: 衆議院

会議名: 本会議