平野貞夫の発言 (憲法調査会)

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○平野貞夫君 私は国会改革連絡会という会派に所属しております。ここは自由党と無所属の会で構成されておりますが、今日は、基本的人権の総括自由討議としまして、平成十二年十二月に自由党が発表しました「日本一新 新しい憲法を創る基本方針」ということで十二項目を発表しておるんですが、この中の三項目の「国民の権利と義務について」というところを御紹介して、説明して発言に代えたいと思います。
 国民の権利と義務について
  国家権力と人権を対峙させる啓蒙時代の発想を克服し、ともすれば阻害されがちな個人の自由を国家社会の秩序の中で調和させる。基本的人権の保障は、国民が享有すべき条理であると同時に、国家社会を維持し発展させるための公共財的なものであると位置づける。
こういう発想で国民の権利と義務を考えなければ駄目だということでございます。さらに、
  国民の諸権利と義務は、人類の普遍的原理に基づいて、日本のよき文化と伝統を踏まえるものとする。「公共の福祉」の概念を明確にし、用語を見直す。「思想・信教の自由」については、政教分離の原則の意義を明確化し、価値多元化社会に適応する自由を確保する。国民の知る権利及びプライバシー権、外国人の人権保障とその合理的限界、犯罪被疑者と被害者の人権保護の調整等を検討する。
  自由で公正かつ規律ある経済活動を確保し、勤労者の社会的権利の拡大と経済的発展によって国家社会の安定を図るものとする。主権者たる国民の納税の義務についての認識を高める。
  教育、環境保全、社会保障については別項に記載する。
と、こういう基本方針を考えております。
 これをちょっと解説的に申し上げますと、人類社会で普遍性を持つ基本権は、当然これからも尊重されるべきであるということであります。しかし、情報社会、技術や生命科学技術など、異常に発達した二十一世紀社会において、従来の基本権だけで社会的正義の実現は不可能と思われます。
 そこで、基本的人権についての発想の発展があってしかるべきであります。人権を個人に限定せずに、一定の条件の下、公共財的なものとして性格付けられないかという問題提起をしようとするものでございます。これは、技術の異常発達に伴う新しい倫理観の確立と表裏の問題と思います。遺伝子操作技術とかなどは、人間社会の根本を変えるものでございます。
 これに対して、国家と個人の間にある公的社会、あるいは地域コミュニティーにも一定の基本権を認めてはどうか、基本的人権の存在根拠に公共財的性格を見いだそうと、こういう考え方でございます。
 さらに、自由の問題も新しい発想で臨みたいものであります。これからの価値観の多元化社会で、グローバルスタンダードとしての自由は通用しにくくなります。思想、信教の自由などの基本権は普遍的なものとして尊重されなければなりませんが、文化や伝統などによって変化するものについては特殊性が勘案されるべきでしょう。自由は当然に秩序、ルールと調整されるべきものですが、権力者や特定の富裕者のみが勝手にルールを作って自由を謳歌するということは許してはなりません。自由を調整するルールを作るのは国民であり、真の自由が国家社会の構成員に平等に配分されるシステムを作ろうと、こういうものでございます。
 重要な問題は、経済活動についての自由、すなわち資本主義の在り方であります。適切な市場原理に基づく資本主義、自由で公正で規律ある経済活動ができる社会システムを作るのが政治の課題であります。
 そのために二つの条件が是非とも必要です。一つは、地球環境の保全という理念が市場経済原理の上位にあるという思想を確立することです。二つは、自由な競争社会を作るに当たって、国民の生命や生活の維持に必要な仕組みを政治の責任で整備すること。具体的に言えば、基礎的社会保障、基礎的年金とか介護とか高齢者医療については国が経費を保障するということであります。これらの思想や仕組みを整備してこそ自由で自立した規律のある成熟した市場経済原理社会、すなわち足るを知る資本主義を実現できると確信しております。
 以上が、自由党の目指す国家社会を国民の権利と義務の立場から見た意見でございます。これを支えるためには、国民の納税の義務、所得があれば原則社会参加料として少額でも自己申告するという意識を高める、こういったことを憲法の国民の権利と義務の基本的な方針に考えております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 平野貞夫

speaker_id: 22130

日付: 2003-04-16

院: 参議院

会議名: 憲法調査会