北川善英の発言 (憲法調査会公聴会)

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○公述人(北川善英君) まず、前者の点ですが、国際連盟の問題も、そして国際連合の問題、やはり基本的なポイントは、大国を規制する具体的な方策が、実は大国の不参加、これは国際連盟の場合です、国際連合の場合には大国のみに拒否権を与えている安全保障理事会、こういったところにあるのであって、一般的にとにかくいいことは言っていたけれども駄目だったというとらえ方はできないと思います。それが第一点です。
 もう一点は、武力による平和ということなんですが、ハンガリー動乱、これは非常に特殊なケースですね。すなわち、ソビエトにとっては勢力圏であり、ハンガリーの、当時社会主義国であったわけですが、その場合、どういう経緯で社会主義国になったか、これは明らかにソビエトの衛星国としてなったという側面があります。その問題と、もう少し一般的に日本が武力ないままに平和を維持できるかという問題はやはり区別した方がよろしいかと思います。
 私が強調したのは、日本という地政学的な位置あるいは現実の東アジアの在り方、こういった点から見ますと、日本が武力を持って平和を維持するというときには、藤井公述人がいみじくもおっしゃったように、核ミサイル防衛しかないということなんですね。じゃ、核ミサイル防衛が本当に市民の安全を保障するか。
 核ミサイル防衛というのは、これは単純明快です。確実なミサイルを、相手方の弾道ミサイルを発射直後の空域に爆発させる。すなわち核爆発を起こさせ、そこに敵方の弾道ミサイルを突入させて蒸発する、これしか現時点では技術的には不可能であるわけですね。ところが、問題は偏西風が吹いております。偏西風に乗って死の灰はすべて日本列島に舞い降りるわけですね。しかも、それだけの問題ではなく、日本が核武装をすれば、周りの国はどうなのかということです。
 このように考えていきますと、実は最も非現実的であるような武力なき平和、あるいはそのための様々な努力が、実は最も現実的かつ有効ではないかというふうに私は考えております。

発言情報

speech_id: 115614187X00120030604_018

発言者: 北川善英

speaker_id: 28102

日付: 2003-06-04

院: 参議院

会議名: 憲法調査会公聴会