北川善英の発言 (憲法調査会公聴会)
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○公述人(北川善英君) 私たち憲法学者の作る学会のここ数年のテーマは、民主主義と立憲主義というテーマを掲げています。それはどういうことかといいますと、簡単に申し上げますと、民主主義は過ちを犯すこともあり得るという前提に立っております。
その根拠は極めて単純明快です。人間は神ではありませんから、幾ら多数決であっても、九割の人間で間違うことは十分あり得るわけです。民主主義というのは、近代の民主主義はそういうことを想定しまして、一方では三権分立というシステムを導入しております。他方で、近代の当初は、一人一人の個人の抵抗権という権利を宣言しておりました。それは、現代の憲法の下では表現の自由あるいは参政権、いろんな形で具体化されております。
したがって、第一点の民主主義、すなわち九割の賛成で通したというふうにおっしゃいますが、しかしそのことからしますと、実はアメリカは九割以上の、ほとんど九十何%の支持でこの間のイラク攻撃あるいはアフガニスタンの空爆というのを通していますが、しかしヨーロッパ諸国を、代表的であるわけですが、中近東あるいはアフリカ諸国からも多くの反対が出ております。このことは決して九割以上で賛成したから常に正しいということは言えないということを示していると思います。
以上です。