清水勉の発言 (個人情報の保護に関する特別委員会)

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○参考人(清水勉君) 一つ目の問題点については藤原さんと全く同じ意見です。
 二つ目の方のことについて言いますと、どういうところに目的を設定するかというのはそれほど難しいことではないと思うんですが、どうやって実現するかというところは、ここはそう簡単なことではなくて、我々法律家はどうしても法律によって問題を起こらないように規制を作っていこうというふうに考えるんですが、実際問題、社会は法律だけで人の行動を規制できているわけではなくて、市場原理が働いたり、あるいは社会常識、社会規範であったり、それからその仕組みそのものの作り方ですね。例えば、川が流れるところの両側をつなぐ橋がなければ、その川が激流であるならば、そこの間の文化の交流というのはほとんどなかなかできませんけれども、そこに橋を架けてしまえば経済圏として一体になるように、仕組みとしてどういうものを作るか。
 不便にすることによって、個人情報保護について言えば、不便にすることによってなかなか個人情報に対する侵害が起こりにくくするというのも一つの仕組みとしてあるわけですね。
 例えば、住民基本台帳法というのは、十一条は閲覧に来なさいと書いているんですね。しかも、四情報についてだけしかできませんよというふうに書いてある。これは、ほかの情報についてはできません、それから閲覧に来た人にしか見せませんとすることによって、だれもかれもが家にいながらにして日本全国の人の住民基本台帳情報を見ることができないという裏返しの仕組みになっているわけです。
 見に行かなければいけないという非常に不便であるがゆえに、そこまでの労力を使う人にしか言ってみればそれにアクセスできないという形でのプライバシー保護になっているわけです。これはハイテク的な発想ではないわけですけれども、実際には人間の行動というのは、簡単に個人情報にアクセスできれば、それはやってしまう。しかし、労力、お金、時間が掛かるということになるとすれば、それをやる人はなかなかいない。それは、難易度を高くすればするほど個人情報へのアクセスはしにくくなるという関係になるわけです。
 そうしてみますと、今回の法律の作り方というのは、法律の面では考えたのかもしれませんが、この法案を作るときにコンピューターの専門家がどれくらい入っていたかということについて疑問があります。今、それからこれからの数年の国際社会、日本社会がどういうふうな情報流通社会になっていくのかというのを見据えたときに、コンピューター・ネットワーク・システムの作り方の構造の問題として解決する問題と、それから法機関として解決する問題、そういったものをちゃんと区分けをして、法機関に落とし込んでいるのかというところについて非常に疑問です。
 それが先ほど申し上げたように、生存する個人ということに保護の対象を限定してしまっていいのか、あるいは個人情報の取扱事業者ということを無限に広がってしまうような形で定義してしまっていいのか。確かに、二条の三項の四号でしたか、多くの個人情報を使っていない場合には対象にしませんという例外規定が置かれていますけれども、その多くというのを、今の時代では五千にしようが一万にしようが十万にしようが、それくらいの情報は恐らくここにいらっしゃる方どなたも持っていて、個人情報取扱事業者になってしまうという時代であるだけに、そういったコンピューター専門家なども入れた法案を本当は作るべきだったんじゃないかというふうに思います。

発言情報

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発言者: 清水勉

speaker_id: 18984

日付: 2003-05-20

院: 参議院

会議名: 個人情報の保護に関する特別委員会