亀井善之の発言 (農林水産委員会)

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○国務大臣(亀井善之君) 農林水産大臣を拝命いたしました亀井善之でございます。
 委員長を始め委員の諸先生におかれましては、日ごろから農林水産行政の推進に格段の御理解と御支援をいただき、この機会に厚く御礼申し上げます。
 北村、太田両副大臣、熊谷、渡辺両大臣政務官共々力を尽くして、農林水産行政の推進に全力を挙げてまいる考えであります。
 委員長を始め委員各位の御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 農林水産委員会の開催に当たりまして、当面の課題に対する私の考え方の一端を申し上げます。
 生命をはぐくみ、自然環境を保全し、文化を形作る食料・農林水産業・農山漁村を支える農林水産行政を担うこととなり、その責任の重大さを痛感しております。現在、食の安全と安心の確保、米政策改革の推進、WTO交渉等、多くの課題に当面していると認識しており、食料・農業・農村基本法、森林・林業基本法、水産基本法に基づき、各般の課題に着実に対応してまいります。
 食の安全と安心の確保につきましては、施策や組織の総合的な改革に全力を尽くしてまいりますが、委員各位には、農林水産省が提出しております五本の関係法案の早期成立を是非よろしくお願い申し上げます。
 私は、施策の面では、農薬、肥料、飼料などの生産資材の適正な使用の確保、食品製造過程でのHACCP手法導入の促進、トレーサビリティーシステムの牛肉への導入とこれに続く青果物、米等その他品目への導入等を図るとともに、食育を推進する国民運動の展開、分かりやすく適正な食品表示の確立に取り組んでまいります。
 一方、農林水産省の組織についても、これに併せ、新局、消費・安全局を設置し、産業振興部門から独立して消費者行政とリスク管理業務を担う体制を確立するとともに、スクラップ・アンド・ビルドの観点から食糧庁組織の廃止を行うなどの改革再編を進めることとしております。
 なお、今後、国民の皆様に食の安全と安心に関する施策の方向を明らかにしていくための食の安全と安心のための政策大綱を策定することにより、食の安全と安心の確保に向けて取組を確実なものとしていきたいと考えています。
 また、消費者の動向や視点をしっかりと踏まえた農業生産が食料自給率の向上に資するものと考えており、消費者の評価を踏まえ、日本の産地ならではの特色を生かした新鮮でおいしいブランド・ニッポン食品の供給体制の確立等への取組を進めてまいります。
 さらに、食品産業は、生産者と消費者を結び付け、安全で安心な食料の安定供給を実現するとともに、地域の経済の活性化に大きな役割を果たしているところであり、食品産業についての消費者ニーズの変化、国際化の進展、環境との調和などに即した総合的な施策を推進します。
 次に、米政策改革の着実な推進であります。昨年十二月に米政策改革大綱を策定しましたが、本年度は、この大綱の確実なる実行に向けた準備に万全を期してまいります。具体的には、消費の減少、生産調整の限界感、担い手の高齢化等の米をめぐる閉塞状況を打開するため、消費者重視・市場重視の視点に立って、担い手が大宗を占める生産構造の確立、農業者・農業者団体による主体的な需給調整の実施、消費者が求める安全・安心な米など多様なニーズにこたえ得る生産体制作りや流通改革の推進を図ります。また、国民の皆様に対し、今般の改革の考え方、内容について周知徹底を図ります。これにより、我が国農業の礎である稲作農業の将来にわたる発展に全力を尽くします。なお、本国会に提出しております食糧法改正法案の成立に向け、何とぞ、本委員会の御理解をよろしくお願い申し上げます。
 さらに、米政策改革にとどまることなく、農業の構造改革の加速化により、意欲ある経営体が活躍する環境条件整備を進めます。具体的には、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の大宗を担う望ましい農業構造実現に向けた新規参入者の確保、認定農業者や集落型経営体等の担い手の育成、また、担い手への農地の利用集積、農業経営の法人化や、その基礎となる農地の確保、生産基盤の整備、技術の開発・普及などを推進します。一方、消費者ニーズへの対応などの要請を踏まえて農協改革を促進します。
 これらに関し、農業経営の法人化及び担い手への農地の利用集積の一層の促進、農業共済に関する農業経営の実態に応じた選択の拡大等を進めるとともに、植物の新品種の権利保護の強化を図るため、三本の法案を今国会に提出しており、よろしく御審議をお願い申し上げます。
 次に、農山漁村政策についてであります。
 国民共通の財産としての農山漁村について、その様々な地域ごとの特性に応じ、美しい景観の維持、利便性の高い村づくりの推進に向けて、e—むらづくり計画の策定、自然と共生する田園環境の創造に取り組むとともに、農村資源の観光活用等を図りつつ、都市と農山漁村のつながりの強化などを進めてまいります。
 また、昨年末に閣議決定したバイオマス・ニッポン総合戦略について、農林水産省が中心となって、関係府省と連携し、民間の創意工夫を生かしつつ、その具体化を図り、農山漁村を中心に我が国に豊富に存在する、食品廃棄物、稲わら、家畜排せつ物、未利用の木材等のバイオマスのエネルギーや製品としての総合的な利活用を進めてまいります。
 WTO農業交渉については、本年三月末に交渉の大枠であるモダリティーを確立するとのスケジュールの下に交渉してまいりましたが、三月三十一日までにはモダリティーを確立できなかったところであります。我が国は、現実的かつ具体的なモダリティー案を提出するなど交渉の進捗に努力してきたところでありますが、過大な要求をしている輸出国と我が国やEU等連携国との溝が埋まらなかったところであり、現段階でモダリティーを確立できなかったことは、やむを得ないと考えております。今後、九月にメキシコのカンクンで開催されるWTO閣僚会議に向けて、四月以降も技術的な事項の検討を継続するとともに、六月及び七月に予定されている農業委員会特別会合の機会あるいは各国間の協議を通じて、各国が、できるだけ早くモダリティーを確立できるよう、努力を継続するというのが各国の共通の認識と理解しております。
 我が国としては、引き続きEU等と連携し、かつ、途上国の関心事項に十分配慮しつつ、多様な農業の共存を基本哲学とする我が国の主張に即したバランスの取れた現実的な合意を目指して政府一体となって全力を尽くしてまいります。
 また、林野・水産分野についても、本年五月、モダリティー合意の期限を控えており、引き続き、全力で交渉に取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、WTOを中心とする多角的貿易体制の維持・強化を基本としつつ、これを補完する経済連携についても、私は、我が国の食料安全保障や国内農林水産業が進めている構造改革の努力に悪影響を及ぼすことのないように十分に留意しつつ、現在行われているメキシコとの協定を始め、各国との協議に引き続き積極的に参画してまいります。
 森林・林業政策については、地球温暖化の防止に向けて、京都議定書で我が国が約束した温室効果ガスの削減目標を達成するため、二酸化炭素の吸収源としての森林の果たす役割の発揮に向けて、昨年十二月に策定した地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策に基づき、緑の雇用の推進などを通じて担い手の育成を推進しつつ、多様で健全な森林の整備・保全等をより重点的に推進します。また、効率的かつ安定的な林業経営への施業や経営の集約化、地域材の利用や木質バイオマスの利活用の促進、活力ある山村づくりなどにも総合的に取り組みます。
 なお、森林の整備・保全の一体的な推進と、林業経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化に向けた二本の法案を本国会へ提出しておりますので、早期の御審議をお願い申し上げます。
 次に、水産資源については、今後とも海洋国家日本としての海の恵みを持続的に利用していくことが重要であると考えており、我が国周辺水域の資源回復に着実に取り組むとともに、世界の国々と協調し、手に手を携えながら、国際的な水産資源の管理を進めてまいります。また、水産物の安定供給や水産業の健全な発展といった水産政策の理念の実現に向けて、安全で安心な水産物の供給体制の構築、水産業の構造改革の推進、魅力ある漁村づくりの推進に取り組んでまいります。
 国民の皆様の御理解と信頼の下、二十一世紀の食料・農林水産業・農山漁村づくりに邁進してまいりますので、委員各位の一層の御支援・御協力を賜りますよう、切にお願いを申し上げます。
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発言情報

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発言者: 亀井善之

speaker_id: 758

日付: 2003-04-15

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会