石破茂の発言 (武力攻撃事態への対処に関する特別委員会)
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○国務大臣(石破茂君) ここもいろんな御議論があるところでございますが、我が国は先制攻撃ができるのかという議論があります。これは、先制攻撃は我が国はできません。それは憲法の解釈からいってそうだと思っております。
つまり、自衛権行使の三要件というのがあって、我が国に対する武力攻撃があること、そしてまたほかに手段がないこと、必要最小限度にとどまること、この三つがなければ自衛権の行使としての武力の行使は我々はできないわけでございます。したがいまして、私どもの方から単なるおそれがあるよというだけで先制攻撃、これはできないということは動かないと私は思っております。
しかしながら、まさしく委員が御指摘のように、それじゃ被害を受けてからなのか、被害を受けてからでなければ我々は何もできないのかということになれば、そんな無責任な話はないであろう。ですから、被害を受けてからではない、しかしおそれの段階では駄目だということになりますと、これは我が国に対する武力攻撃の意思が明確であり、そしてまたその準備に着手したという場合には、それは我が国に対する武力攻撃が行われた、着手があったということが判断できる場合があるということを申し述べておるわけでございます。
そして、ミサイル防衛の御指摘でございますが、委員御指摘のように、これは相手が撃たなければこっちは撃ちようがない、迎撃ミサイルだけ撃ちましても、これは何の意味もないわけでございます。したがって、専守防衛以外の何物でもない、我が国の専守防衛の考え方にかなったものだというふうに考えております。
それでは、導入の状況いかんという御質問でございますが、今までの湾岸戦争や今回のイラク戦争で使われましたものは射程五百キロぐらいの比較的短いミサイルでございます。射程が短いものでございますから、そんなに速いスピードでは飛んでまいりません。ところが、例えば今懸念されておりますような弾道ミサイルというのは中距離ですから、千三百キロ、千四百キロの射程を持っております。マッハ二十ぐらいで落ちてきます。そうすると、マッハ二十なんかで落ちてくるものに本当に撃ち落とすようなものができるのか、当たるのか、そんな夢物語みたいなことを言ってどうする、そんな御議論がございました。
しかしながら、昨年の秋、アメリカ合衆国においてイージス艦からそういうようなミサイルを撃ち落とす、こういうものに成功した。そして、委員が御指摘になりましたようなPAC2のミサイルというのは、湾岸戦争におきましても、そして今回のイラク戦争、これはPAC3も使われたと言われておりますが、実際に、今まで夢物語では、そんなもの当たるはずがないと思われておったものが技術の進歩によって当たるということが確実性を増してきたと思っております。ですから、アメリカ合衆国は、昨年の暮れ、二〇〇四年度からこれを実戦配備するということをブッシュ大統領が発表をいたしました。
我が国においてこれをどうするかということは、専守防衛にかなうものだという政府の立場ははっきりしておりますが、それがどれぐらいの確率を持って当たるものなのか、お値段がどれぐらいして、納税者の御理解が得られるものなのかどうか、そして防衛力全体の中でどういう位置付けになるか、あるいは法的な整理をどのようにするか、そういうことをきちんきちんと議論をしました上で、安全保障会議、そこにおいて決せられるというふうに考えております。
しかし、その実現可能性は、ミサイル防衛というものの実現可能性は急速に高まっておると、こういう認識を私は持っておるところでございます。