房村精一の発言 (法務委員会)

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○政府参考人(房村精一君) ただいまの御質問にありましたように、労働債権の先取特権による保護につきましては、現在、民法の三百八条と商法の二百九十五条が規定しておりますが、その内容がいささか違っております。
 まず、商法の関係ですが、これは株式会社の使用人の債権、労働債権を保護するということでございまして、保護の範囲といたしましては、「会社ト使用人トノ間ノ雇傭関係ニ基キ生ジタル債権」と、こういう具合に規定されております。これに対しまして、民法の先取特権による保護は、「雇人カ受クヘキ最後ノ六个月間の給料」と、こうなっております。その結果、まず対象が、商法が株式会社の使用人に限られるのに対して、民法はそれ以外の法人あるいはその他の会社の使用人ということになります。また、保護される対象が、民法の、雇人が受くべき給料というのは、雇用契約に基づく給料債権と解されておりますが、商法の、雇用関係に基づき生じたる債権の中には、雇用以外の請負あるいは委任のような契約形態を取っても実質的に雇用関係と認められる場合には含まれると、その範囲が広く解されております。また、その範囲も、民法が最後の六か月分と、こうなっておりますのに対し、商法ではその限定もございませんし、また給料債権以外の、例えば身元保証金の返還、こういった債権も入ると、こういうことで商法の方がその範囲が広くなっております。
 少なくとも、現時点においては、債務者の方の企業形態によりましてこのような保護の範囲の差を設けるということは合理的ではないと思われますので、今回の担保法制の見直しに当たりまして、狭い民法による先取特権の保護の範囲を広い商法の範囲に一致させる、こういう考え方から今回の改正をお願いしたわけでございます。

発言情報

speech_id: 115615206X02420030722_018

発言者: 房村精一

speaker_id: 32455

日付: 2003-07-22

院: 参議院

会議名: 法務委員会