房村精一の発言 (法務委員会)

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○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、労働債権、労働者にとって生活の基盤を成すものでありますので、その保護を図る必要があるということは一般に広く認められているところでございます。そのようなことから、この担保・執行法制の見直しの中間試案におきましても、労働債権の一定の範囲について、何らの公示手段も要さずに最優先の効力を認め、特定の財産の上に存する抵当権等の担保権にも優先するものとすべきであると、こういう意見があるという意見の紹介をさせていただいたところでございます。
 ただ、この点につきましては、そういう保護を与えますと、労働債権の保護としては非常に強いものとなりますが、逆に申し上げると、登記をして対抗力を有する抵当権を持っているにもかかわらず、その後、発生した労働債権に優先されてしまうということで抵当権者が不測の損害を被るおそれもある、あるいは、それをおもんぱかって抵当権者が融資をする際に十分な融資をしない、与信額を引き下げてしまうということも懸念される、そういう御指摘もあるところでございます。
 中間試案のこの意見の紹介に対しまして寄せられた意見といたしましては、もちろん労働団体からは賛成という御意見をいただいておりますが、それ以外の御意見は、やはり圧倒的にそういった懸念を示す意見が多かった。
 こういうことから、法制審議会におけるその後の審議においても、やはりそのような何らの公示手段を要さずに後発の労働債権が優先するというのは無理だろうということから、今回、採用するには至らなかったわけでございます。
 また、公租公課との関係につきましても、やはり公租公課の実体法上の優先権はそれぞれの法律で決まっているところでありますが、公租公課が優先債権とされております理由は、国家等の財政の基盤を成すものであり、非常に公益性が高く、公平かつ確実に徴収されるべきものであると、こういうことから、原則として商法上の債権に優先するとされていると。そういう事情を考えますと、その順番を変更するということについては相当慎重な検討が必要ではないかというようなことから、今回は、先ほど申し上げた点に限って改正をするということになったわけでございます。

発言情報

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発言者: 房村精一

speaker_id: 32455

日付: 2003-07-22

院: 参議院

会議名: 法務委員会