広野ただしの発言 (本会議)

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○広野ただし君 私は、自由党・無所属の会、国会改革連絡会、通称国連の広野ただしです。私は国連を代表して、さきの政府の財政演説に対して、総理に質問をいたします。
 まず、政治改革の問題です。
 御承知のごとく、現在の日本を取り巻く内外情勢は本当に危機的状況にあります。このようなときこそ、官僚任せの政治ではなく、正に政治が先頭に立って危機を打開していかなければなりません。しかるに、小泉内閣は、丸投げ的政治手法、傍観者的政治手法にどんどん堕落して、最近では従来型の官僚主導の政治に陥っています。
 政治腐敗、政治と金の問題をただすこと一つを取っても、昨年は、鈴木宗男衆議院議員、加藤紘一自民党元幹事長、井上前参議院議長、大島農林水産大臣をめぐる疑惑ほか、数々のスキャンダルが表面化し、先日は中村喜四郎氏のゼネコン汚職判決に伴う議員失職、さらに自民党長崎県連前幹事長のゼネコンからのやみ献金容疑での逮捕等々、政治と金をめぐる事件は次から次と現れています。
 これに対して、総理は、最初は自民党をぶっつぶしてでも改革を推進すると大見えを切っていましたし、公共事業受注企業からの献金制限について前向きな検討を表明していましたが、今では全く傍観者的立場に終始しています。
 国や地方の公共事業を食い物にし、国民の税金を食い物にするこの自民党的政治体質そのものを正せなくして、総理は改革改革と言う資格はありませんし、何も変えることはできません。情けない限りです。このことについて、改めて総理の見解を伺います。
 ところで、総理は、今年、年頭の記者会見で、改革に伴い、国民にちょっとの痛みは耐えてもらわねばと述べられましたが、このちょっとの痛みという考え方、認識は全く許せないものであります。小泉さんの経済財政政策の失敗で国民は大変な苦難にあえいでいます。倒産は年間約二万件、完全失業者は約三百五十万人、そして自己破産者も年間二十万人以上、自殺者も年間三万人となっています。国民が大変な苦難にあえいでいるのに、ちょっとの痛みに耐えてという認識はとんでもない間違いだし、無責任極まりない発言です。
 総理は、国民のトップとして、渾身の力で国民生活の安全、安心を守ってもらいたい、そういう気概を持ってもらいたいと思います。総理の所見を伺います。
 小泉内閣が発足して間もなく二年になろうとしています。現在、日本経済は大変な苦境下にありますが、これは小泉経済財政政策の失敗によるものと言わざるを得ません。小泉さんは改革なくして成長なしとよく言われます。そして、構造改革は進んでいると胸を張っておっしゃっています。しかし、日本経済は悪くなるばかりで、国民の痛みはひどくなるばかりです。構造改革はどこがどう順調に進んでいるか、是非具体的に教えていただきたいと思います。何とぞ国民に分かりやすくお願いいたします。
 小泉政権は、発足以来、国債発行三十兆円枠を言い続けてこられました。しかし、昨年度、平成十三年度の補正予算でのNTT株の売却益の基金取崩し、そして今年度、当初予算の地方交付税特会のいわゆる隠れ借金などで何とかやりくりして体裁を取り繕ってきましたが、実質、公約は破綻していました。
 私たちは国債発行三十兆円枠は実質破綻していると指摘し続けてきましたが、小泉さんは三十兆円枠は守っていると絶叫してこられました。今回の補正では、大幅な税収欠陥が生じたこと、また後追い的にばたばたと講じるセーフティーネット政策や優先順位がはっきりしないばらまき的公共事業の追加などで、結局国債は約五兆円追加発行され、また借金は大幅に増えてしまいました。
 小泉総理は、税収が減ったのだから国債の追加発行はやむなしとしらっとしておられますが、こんな無責任な総理はかつてなかったと言わざるを得ません。総理の発言は本来極めて重いものでありますが、小泉さんだけは例外のようであります。
 そもそも税収欠陥はどうしてできたのか。小泉さんは予想せざることが原因としていますが、小泉経済財政政策が失敗したから景気悪化がひどくなり、税収が減ったのです。景気を良くする経済政策が取られていれば税収も当初見込みより多くなることだって考えられるわけで、景気を悪くして税収を減少させ、国債の追加発行をして穴埋めをする、そして借金を増やす。これでは、国民は景気で泣き借金で泣く、正に泣きっ面にハチのさんざんな状況です。
 小泉内閣の景気判断は常に甘過ぎます。特に、昨年四月—五月に底を打ったという判断は全く間違っています。そして、打つ手打つ手が後手に回る。同じ五兆円のお金でも、年度当初と年度末では一年以上の遅れが生じます。例えて言えば、病人の傷口を大きくして後でどんなにカンフル注射をしても手後れのときだってあるのです。
 今の小泉内閣の経済財政政策では、経済不況は長期化し、財政赤字は積み上がるだけです。政治は、結局、結果責任だと思います。日本の経済と財政を極端に悪化させている、この小泉さんの責任をどうやって取るつもりか、総理の見解を改めて伺います。
 次に、外交政策について伺います。
 米ソ冷戦体制が終結しても各地で地域紛争が多発して、そしてテロが頻発しております。そういう世界の中にあって世界平和と日本の平和をどうやって守っていくのか。私は、日本の外交戦略について、特に対米、対ロシア、対中国、対アジア、対北朝鮮、対欧州等々、二国間関係のみならず、多国間外交についても日本の外交戦略は根本から見直さなければ、日本の平和と安全、そして日本の発展は図れないと考えています。
 特に昨今、日本を取り巻く北東アジア地域の平和と安全の問題は危機的状況にあります。その中にあって、小泉さんの北朝鮮外交は、友好国との十分な調整もなく、思い付き的に突発的に行われました。小泉総理は、自分が行かなければ拉致問題の糸口はできなかったと胸を張っておられますが、今日までに拉致問題全体が解決したわけではなく、全くの膠着状態であるし、北朝鮮の核の問題、ミサイルの問題、武装工作船の問題等々、北東アジア地域の平和と安全の問題は先が見えないし、本当に緊迫してきています。私は、小泉外交に戦略なし、特に北朝鮮外交は落第点、失敗だと断言いたします。
 小泉内閣は、ピョンヤン訪朝前後において朝銀、いわゆるアサギンに対する約七千億円もの公的資金の追加を平気で強行し、そして拉致問題や武装工作船問題で明確になった犯罪国家である北朝鮮と極めて密接につながる朝鮮総連を野放しにするという、全くもって信じられないのうてんきな政策を展開しています。日本の平和と安全が脅かされるおそれがあるのに、一年間の政府開発援助予算にも匹敵する七千億円もの資金を朝銀に投入するセンスに唖然とするばかりです。この結果、もし北朝鮮へ援助的資金が流れたらどう責任を取るおつもりか、総理の明確な見解を伺います。
 改革なくして成長なし、改革は順調に進んでいる、米百俵の精神で痛みに耐えてくれ、このようなキャッチコピー的言葉を、小泉内閣発足以来約二年間、どれだけ国民は聞かされたでしょう。このことをワンフレーズポリティックス、言わば大見え口先政治と言うようです。私に言わせれば、小泉内閣は格好良しの内閣、改革もしなければ成長もしない、そして何よりも内閣は無責任、ただ国民に激痛を押し付けるのみの政治だと言いたいと思います。
 このような内閣が続くと、日本と日本国民は不幸になるばかりです。小泉内閣には責任を取って早く辞めること、そのことが改革の本当の第一歩だ、そしてそのことが日本の立て直しの正に第一歩になると強く強く訴えて、私、広野ただしの国連を代表しての質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X00220030122_022

発言者: 広野ただし

speaker_id: 21669

日付: 2003-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議