久世公堯の発言 (本会議)

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○久世公堯君 私は、自由民主党・保守新党を代表して、十三年度決算の概要につき、総理に質問いたします。
 本年一月、各党各会派の代表者から成る参議院改革協議会から決算の早期審査についての報告がなされ、合意されました。参議院の長年の懸案である決算審査の充実がこのたび緒に就いたことに対し、協議会の委員各位の御努力に敬意を表するものであります。
 私ども参議院が常に念頭に置いておりますことは、日本国憲法に定める両院制の下において、いかにして参議院の独自性を発揮するかということであります。
 参議院の独自性と申しますのは、私ども参議院議員は六年間という任期が保障されており、かつ半数改選によって、その継続性、安定性を保つことにされております。加えて、選挙区と全国比例区により、国政に専門性や地域性に基づく民意、見識を反映できるという特性を生かし、長期的視点と広い視野に立って、基本的政策課題にじっくり取り組むことが要請されております。政策面では、外交、防衛、教育、社会保障、経済、財政の長期展望、科学技術、国土政策、地方分権等がこれに該当します。
 また、決算審査を重視することも参議院の独自性の発揮の最たるものです。国の財政制度は、国民から徴収された貴重な財源をいかに効率的に使用するかという国家の基本活動であり、広く国民全体の利害に関係しております。このため、国会による厳格な予算統制と執行が憲法によって定められております。そして、これを衆参においてどのように分担するかが問われているのです。予算の審議については、憲法上、衆議院の優位性が保障されておりますから、衆議院では財政の入口である予算審議に重点を置き、参議院では財政の出口である決算の審査に重点を置くのが憲法の趣旨に沿った両院間の機能の分担であると思います。
 特に、財政再建が強く要請されている今日、事後のチェックが重要となっておりますが、これらは腰を据え、専門性を生かしつつ、着実に積み上げていく必要がありますので、参議院の特徴である継続性、安定性、専門性をフルに生かすのに最もふさわしいものであると思います。総理は参議院における決算重視の取組の意義をどのように受け止めておられるか、まずお伺いをいたします。
 財政に対する国会の監督は、入口である予算の審議及び出口である決算の審査、その結果の後年度予算への反映によって初めて全うされるものです。そうであれば、決算は、会計年度の終了後なるべく早い時期に国会に報告することが必要とされます。このたび、参議院は十三年度決算を今国会中に審査を終了し、十六年度予算の概算要求に反映することを決定いたしました。十三年度予算は小泉総理が執行された最初の予算と思いますので、その決算の成果を十六年度予算に反映させていただくよう、総理の決意をお伺いいたします。
 もっとタイムリーに、的確に決算審査を予算に反映するように、例えば十四年度の決算審査を十六年度の予算編成に間に合わせるためには、十五年の秋までに十四年度決算報告を国会に提出する必要があります。
 予算に係る一連のサイクルの中で、決算報告の国会提出時期を見直す必要があります。
 決算審査については、これまで早期審査の必要性を強調しながら閉会中審議にならざるを得なかったことについて、我々ともに反省しなければなりませんが、政府におかれては、財政法を改正する等、年内の決算審査を可能とする改革に努めていただきたいと思います。総理のお考えを伺います。
 次に、決算審査の内容についてです。
 従来は、予算が法に定められているとおりに使われたかという観点が中心で、その予算によって国民の生活にどのような効果がもたらされたのかという評価は十分には行われていなかったと思います。しかし、決算は、予算が国民にとって真に意味のある政策に使われたかどうかを審査し、翌年の予算に反映することによって、より効果的、効率的な予算の重点化に貢献することにあると思います。
 我が国においては、国の会計・経理の合規性等を検査する会計検査院の役割は重要と考えられますが、その検査結果はどのように政策や予算に反映されているのか、お伺いいたします。また、昨年四月から政策評価法が施行され、事前評価と事後評価が各省ごとに、さらに総務省において横断的に行われていますが、どのような実績を上げ、予算編成でどのように活用されているのか、お伺いいたします。
 決算についての国民に対する公表についても改善が必要です。予算についてはその節目節目で大きく報道されているのに対し、決算については国民向きの報道にお目に掛かったことは余りありません。私ども参議院は、決算は財政の出口として国政の中で重要な位置付けをしておりますので、総理のお考えを伺いたいと思います。
 次に、最近における経済社会と行政の動向から見た決算の重要性について申し上げます。
 今日、政治や行政の大きな流れは、官から民へ、国から地方へとなっております。また、事前統制から事後救済へという原則も、社会、経済、行政のみならず、司法も含めて大きな潮流となっております。さらに、行政における行政評価の重要性についての認識が高まり、行政の透明性の観点からのディスクロージャーの充実や国民に対する説明責任の向上も重要な課題とされております。
 民間企業や地方自治体においても決算に対する認識に変革が起きております。民間企業では、三月の決算と、それに続く五、六月の株主総会、役員選任は会社挙げての一大事業であり、首脳陣はまなじりを決して決算総会に臨んでおりますし、地方自治体でも、自らの財政を総合的かつ長期的に把握し、住民に分かりやすく公表するための手法について、バランスシートや行政コスト計算等、企業会計も考慮に入れた研究が急速に広がっております。
 このような最近における経済社会の動向と行政の対応を見ますと、決算の持つ重要性はいよいよ高まっておりますし、また、このような新しい流れの中において決算を考えなければならないと痛感いたしております。これらの点に関する総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。
 最後に、今国会に提出されている平成十三年度の決算について質問いたします。
 平成十三年度は中央省庁大改革が行われた歴史的な年度だったと思います。決算という見地から、この改革はどのような意義があり効果をもたらしたか、お伺いいたします。
 また、平成十三年度の重要施策として、国の重要四分野への重点化、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備等が挙げられます。平成十三年度における重要施策の執行結果はどのようであったか、お伺いをいたしたいと思います。
 本日から平成十三年度の決算審査のスタートを切るわけですが、私ども参議院は、その特性、独自性を発揮するための決算審査の改革に向けて、良識の府に恥じないような審査を行う決意でありますが、小泉総理を始め、政府におかれましても、こうした取組に協力していただくことを期待して、私の質問を終えます。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X00820030221_004

発言者: 久世公堯

speaker_id: 7115

日付: 2003-02-21

院: 参議院

会議名: 本会議