佐藤雄平の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○佐藤雄平君 初めに、本日の質問の中で危機管理について予定をしておりましたが、二月の十八日、お隣の韓国での地下鉄の火災事故、事件、二百七十人以上の犠牲者が出たことは大変悲惨な事件であり、心から哀悼の意を表し、お見舞いを申し上げます。
私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成十三年度決算について、総理並びに関係各大臣に質問をいたします。
幕末の思想家、また教育家でもある横井小楠の名言、国家の目的は民を安ずるにあるを冒頭御紹介いたします。
さきの参議院での総理の所信表明は、国会に身を置く者、そしてテレビの前の国民の皆さんもさぞかし失望を感じたことと思います。全く精彩に欠け、投げやりな、何ら具体性のない言葉の列挙は、御党の有力代議士の御批判どおり、ワンフレーズ的で実のないカタログを披露しているにすぎず、さらには、この時期の医療費の三割負担に至っては、国民を安ずるなどみじんもなく、国の最高責任者の所信とはとても思えない内容であったことは誠に残念であります。
総理、この程度の約束は守らなくてもよいという発言は、いかなる弁解をしようとも看過できるものではありません。
先日、ある経済学者は、子供の教育に大変な影響を及ぼすと、嘆きあきれておりました。確かに、子供たちが総理のあの答弁を聞いたらどのように反応したか。日本で一番偉い人が約束を破ってもよいと言ったんだから、約束を破ることは悪いことではないと思ったかもしれません。
人間社会の基本は有形無形の約束で成り立っております。折しも、教育基本法を提出しようとしている国会での全くの不穏当発言であり、教育基本法を提出する資格などありません。私は、それぐらい総理の言葉は重いことを認識しなければなりません、猛省を促したいと思います。
決算に入ります。
かつて、佐藤総理は、参議院本会議において、決算が国会で承認されなかった場合、内閣総辞職もあり得るとの発言をされ、決算の重要性を指摘されました。
平成十三年度予算の執行に責任を持つ内閣として、その決算審査に当たりどのような姿勢で臨まれるのか、また、決算審査の意義をどのように認識しておられるか、総理にお伺いをいたします。
次に、決算の早期提出と早期審査についてであります。
さきに、我が参議院改革協議会は、決算の早期審査と通常国会での審査終了に努め、内閣に秋の臨時国会への決算提出を求める旨の報告書を、財政法の改正を含め、参議院議長に提出をいたしました。
決算審査は、予算審査と同様、大変な重要性を持っております。しかし、実際には、予算や内閣提出法案の審査が優先され、決算の審査は遅れがちであったというのが現状であります。決算の早期審査、早期議了に当たっては、関係大臣の決算委員会への出席が原則でありますけれども、通常国会中の決算審査への内閣の協力、とりわけ関係大臣の出席について、総理の御所見をお伺いいたします。
日本国憲法第九十条で、国の収入支出の決算はすべて会計検査院がこれを検査し、内閣は次の年にその検査報告とともにこれを国会に提出しなければならないとあります。決算の早期提出のためには、さきの報告書にあるよう、財政法三十九条、四十条の改正が必要であると考えます。しかし、塩川財務大臣はさきの本院予算委員会において早期提出に否定的な見解を述べておられますけれども、秋の臨時国会への決算提出と財政法の改正について、財務大臣の所見を改めて求めておきます。
次に、政策評価と決算審査についてお伺いをいたします。
言うまでもなく、決算とは、国民から税としてお預かりしているお金が国の予算の中でどのように使われ、日本の経済、そして国民生活にどのように及んでいるか、また政策目標をどこまで達成しているのかを検証することであり、その結果は次の政策に反映されなければなりません。正にそれが決算であり、予算審議と同様、大きな我々国会の役割と責任であります。
特に、累積債務が四百五十兆円、国民一人当たり三百五十三万円の借金という逼迫した財政の中、効率的な予算執行の検証と政策の評価は焦眉の急であります。これが民間企業であれば、その決算が当初の目的を達成できず、成果がなく赤字を出したり、また、不祥事でもあれば経営陣は総退陣を余儀なくされます。また、家庭内でも同じことであります。家計簿を付けることによって家計の総括をするのであります。
政策評価法が十四年度から施行され、各省庁では、現在、政策評価が進められておりますけれども、その財政上の効果は必ずしも明確とは言えません。財務省は、各省庁が実施している政策評価の実績を平成十五年度予算編成にどのように反映をさせ、予算の節減や財政構造改革に役立ててきたのか、今後、総務省を中心にまとめていく政策評価措置状況を予算編成にどのように活用していくのか、具体的な数字を挙げて御説明を願います。
また、各府省庁の政策評価はあくまでも自己評価であり、客観的な指標に基づく評価にはつながっていないとの批判がありますけれども、今後この点をどのように改善していくのか、また、決算審査で指摘をされた事項を後年度の予算編成に速やかに反映させていくためには今後どのような方策を講じていくのか、塩川財務大臣、また片山総務大臣の御所見をお伺いいたします。
次に、十三年度決算と経済財政運営に対する評価について伺います。
十三年度は、景気の後退期に当たり、GDP成長率はマイナス一・二と、バブル崩壊後の最低を記録いたしました。税収については、当初予算で五十兆七千億円を見込んでおりましたが、補正後は四十九兆六千億円と下方修正され、決算額は補正後をも下回る四十七兆九千億円と、当初予算額を三兆円も近く下回っております。また、これに加えて、歳入欠陥も生じております。
歳入欠陥が生じたのは、平成九年度以来、戦後五度目であります。本院は、その決算に対する警告決議に基づき、税収の見積精度を向上させ、歳入欠陥が生じないよう政府に求めてきたにもかかわらず、十三年度決算において歳入欠陥を発生させたことは極めて遺憾であります。
我が国の財政状況は年々悪化の一途をたどっております。税収は十三年度決算で五十兆円を割り込み、一方、国債残高は十三年度末で三百九十兆円余に達し、我が国財政の現況は極めて深刻と言うほかありません。
また、十三年度においては、総理の公約であった新規国債発行三十兆円枠を辛うじて守られたかに見えますけれども、これも第二次補正予算によってNTT株の売却益から二兆五千億円の隠れ借金を繰り入れた結果であり、実質的には総理の公約は最初から破綻していたと言っても過言ではありません。
さらに、今日の社会経済に目を転じてみれば、小泉内閣発足当時と比較をすると、国債発行残高は三百九十二兆円から四百五十兆円、株価は一万三千八百二十七円から八千五百円、不良債権は三十三・六兆円から四十・一兆円、倒産件数に至っては二万件、完全失業率は四・七%から五・五%、さらに、夢と希望を抱き社会への第一歩を踏み出そうとする新卒者の就職内定率が六六・三%、自殺者に至っては三万一千人を超えるなど、枚挙にいとまはありません。経済不況がもたらす国民の社会不安は極限に達しております。
税収が大幅に落ち込み、歳入欠陥が生じた十三年度の決算、バブル崩壊後最悪のマイナス成長となった十三年度の経済財政運営、さらに我が国の財政状況は取りも直さずこの二年間の小泉内閣失政そのものであると考えますけれども、内閣の責任をどのようにお考えになるのか、明確な答弁を求めます。
景気の悪化は、農林水産業の衰退を始め、地方でより深刻であり、地方財政も国以上の悪化の一途をたどっております。
平成十三年度末の地方財政の借入金残高は百九十兆円に上っております。また、地方交付税特別会計に係る国の隠れ借金も十八兆七千億円にまで増加しております。
現行の地方財政制度、国と地方の財政上の関係が限界に達しているのは今や明確であります。地方経済の困窮を打破し、我が国の活力を回復するためにも、今こそ思い切った地方への権限と財源の移譲を断行すべきと考えますけれども、この点についての総理の決意をお伺いいたします。
小泉内閣は、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分について三位一体の改革をうたっております。しかし、十五年度予算を見る限り、国と地方の財政上の改革は、義務教育費国庫負担金の削減、国庫補助金の一部見直し、自動車重量税の地方割合の増加といったつじつま合わせ的に終始しております。これでは、六月にもまとめられるという三位一体の改革案も竜頭蛇尾に終わるのではないかという懸念を抱かざるを得ません。
地方への税源移譲の規模について、総理の具体的かつ明確な答弁を求めるものであります。
冒頭、韓国での地下鉄事件でも触れましたけれども、次に危機管理と国土政策についてお伺いをいたします。
小泉政権が発足をし、国の骨格となる国土政策が、一極集中を排除し均衡ある国土の発展を旨とした政策から、特色ある地域と都市再生に変更され、現実には都市政策が中心となっております。もちろん都市政策も大変大事であります。今国会でも都市防災に関する法律が出されておりますけれども、我々地方の議員から見ると、東京を中心とした都市の危機管理が危惧されてなりません。
この五年間で東京の人口は約三十万人増、東京圏ではこの十年間で百六十二万人増と、人口密度は更に加速され、一極集中を極めております。電気エネルギーを始め食糧に至るまで、都市生活のほとんどが地方に依存しております。もしそのライフラインが崩壊するようなことがあれば、想像を絶するような事態になることは自明の理であります。
つい、阪神・淡路大震災、また明石の花火大会での歩道橋事故を思い出してしまいます。毎日何百万人もが利用するラッシュ時の駅、休日で込み合うデパートや地下商店街など、超過密時の地震や火災による災害は人の危機管理能力をはるかに超えるものであり、甚大な被害をもたらすものであります。
新幹線の構想も高速道路の構想も、一極集中から多極分散の創造であったはずであります。一方では過密による様々な危機、また数年後には約二千の集落がなくなってしまうと言われている超過疎現象による町村の危機、これは決して多元的なものではなく、一方の解決は他方の解決で、一元的なものであります。国民の生命と財産、安全と安心を守る国土政策でなければなりません。
折しも市町村の合併、また地方分権推進のとき、その実現に向け、のど元過ぎれば熱さ忘るるの例えにならぬよう、国会移転を始めとする首都機能移転のような、国家百年の大計に立った思い切った国土政策が必要であります。総理の御所見をお伺いいたします。
現在、我が国をめぐる経済、財政、外交情勢は極めて多難であります。このようなときこそ、国の行財政の執行実績、国会が実効ある政策評価を行い、その結果を後年度の予算編成に的確に反映させ、さらには抜本的な行財政改革につなげていくことが求められております。
そして、決算審査こそは国会の行財政に対する政策評価の要諦ともいうべきものであり、この点を内閣が認識をし、決算の早期提出と早期審査に協力すること、さらには決算審査の成果を後年度の予算編成に速やかに反映することを強く要望し、最後に、総理に国家の目的は民を安ずるにあるを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕