八田ひろ子の発言 (本会議)

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○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇一年度決算及び当面する幾つかの重要問題について、総理に質問いたします。
 二〇〇一年度は日本経済と国民の暮らしにとって極めて重要な年でした。小渕、森両内閣は、二兎を追う者は一兎をも得ずと、財政危機には目をつぶり、景気対策と称して無駄と環境破壊の大型公共事業を全国にばらまくとともに、大銀行支援には巨額の公的資金を投入し続けてきました。しかし、その結果は、景気は一向に回復せず、後に残ったのは巨額の借金による深刻な財政危機でした。
 二〇〇一年度予算に求められたことは、公共事業の拡大と大銀行応援の政治では景気は回復しないという教訓を生かして、経済の六割を占める家計を直接温める方向に抜本的に転換することでした。
 ところが、森内閣の後を継いだ小泉内閣は、この教訓を導き出すどころか、ますます家計や雇用を冷え込ませる最悪の政策を選んだのです。それが構造改革の路線です。この最大の特徴は、既に十二分に痛みを押し付けられていた国民に、更なる痛みの押し付けを当然のこととし、痛みの先に明るい未来があるかのように描き出すことでした。
 しかし、結果はどうだったでしょうか。ただ暮らしと景気が悪くなっただけで、先の見通しなど何も見えないではありませんか。
 二〇〇一年度に政府の立てた目標もことごとく達成できませんでした。完全失業率はやや低下し四・五%程度になるというものでしたが、実際には、低下するどころか、史上初めて失業率が五%を超え、小泉内閣の二年間はその最悪記録を更新し続けています。企業倒産も激増し、戦後二番目の水準になりました。個人消費も、目標は一・五%増でしたが、結果はマイナス一・七%。すべて目標と結果が正反対という惨たんたるものでした。
 構造改革路線はスタートの年から既に破綻していたということではありませんか。総理の認識を伺います。
 次に、今最も深刻な雇用対策についてです。
 日本経団連会長を出しているトヨタ自動車では、空前の利益を上げる一方で、労働者には長時間労働を押し付け、企業犯罪であるサービス残業の是正勧告をこの間二度も受けています。トヨタや関連企業で働く労働者やその家族から、助けてくださいという悲痛な声が寄せられています。先進国の政府としていつまでたってもこうした長時間労働とサービス残業をなくせないことに対して、総理は恥ずかしいと思わないのですか。政府はもっとまじめに雇用の確保と増大に取り組むべきです。
 その一番確実な方法が、過労死を生むような異常な長時間労働と違法なサービス残業をなくすことです。この二つの問題を政府が本腰を上げて是正しさえすれば、百万人、二百万人という単位で雇用の場を増やすことができます。絵にかいたもちにすぎなかった五百三十万人雇用創出プランなどではなく、これこそ政府の目標とすべきではありませんか。
 過剰なのは雇用ではなく労働時間です。長時間残業やサービス残業をなくすために、労働基準監督官の増員を図り、監督の徹底を図るべきではありませんか。明確な答弁を求めます。
 次に、公共事業の見直しの問題です。
 小泉内閣は、国民からの厳しい批判の中、公共事業費の削減と中身の見直しを掲げ、あたかも小泉改革でそれが実現するかのような幻想を振りまきました。
 ところが、実際にやってきたことは、従来型の大型公共事業を日本新生とか、IT革命、都市再生などと看板を付け替えただけではありませんか。結局は、採算を無視し、無駄と環境破壊の中部国際空港や関空二期工事など、今までと同じ大型公共事業のオンパレードです。これのどこが改革ですか。
 総理、中身の見直しというなら、学校の耐震性の強化や公営住宅の建設、福祉施設の拡充など、地域に密着した福祉、暮らし、環境優先の公共事業に切り替えるべきです。そうすれば、事業の総額を減らしても、雇用や中小企業の仕事の場を広げることができるではありませんか。総理は、肥大化し過ぎた日本の公共事業費を一体いつまでにどれだけ減らすのか、削減目標をはっきりお示しいただきたい。併せて答弁を求めます。
 次に、政治をゆがめ、無駄な公共事業が止まらない原因である政治献金の問題です。現在も公共事業受注企業からの違法献金疑惑が次々と明るみに出ています。政治と金の問題は何も解決していません。
 昨年、自民党参議院議員の党費を一億円肩代わりしていたと話題になった全国不動産政治連盟などが、業界に有利だとされる定期借家法の成立に絡み、自民党議員らに七千万円もの寄附をしていたことが明らかになりました。
 さらに、この二月には、自民党がゼネコン業界団体の日本建設業団体連合会に三億円の政治献金を要求していたことが発覚し、また、参議院比例代表候補に党員獲得の義務付けを復活する方針を固めたと報じられています。
 総理は、鈴木宗男疑惑、KSD疑惑に象徴される政治腐敗に対し、一体どんな反省をし、何を改善しようとしているのですか、答弁を求めます。
 二〇〇一年度から始まった不良債権の早期最終処理も完全に行き詰まっています。幾ら処理しても新しい不良債権の発生が止まらない。総理はなぜ不良債権の新規発生が止まらないとお考えですか。認識を伺います。
 政府の言う不良債権の最終処理とは、要するに、生きて頑張っている中小企業を二年、三年という期限を付けてつぶすことなのです。この結果が何をもたらすかは、今、私たちの目の前に広がっている過酷な現実を見れば明瞭です。倒産、失業を増大させ、国民の所得を奪い、景気を落ち込ませ、またまた新たな不良債権をつくり出すという悪循環に陥っているのは明らかではありませんか。
 この不況の中、歯を食いしばって頑張っている中小企業を政府がわざわざつぶしてどうするのですか。赤字の企業が立ち直って黒字に転換すれば正常債権となり、不良債権は減ります。景気が良くなれば多くの企業が正常債権に転換します。そのために手を尽くすことこそ、不良債権をなくす道ではありませんか。ましてや、景気をますます悪化させる社会保障改悪、庶民増税の四兆円負担増など、断固中止すべきであります。併せて総理の認識を伺います。
 最後に、イラク問題についてであります。
 戦争反対、平和解決の声が日増しに大きくなっています。この声に対し、与党公明党の冬柴幹事長は利敵行為だと言い、総理はイラクが正しいという誤ったメッセージになると発言されました。
 だれもイラクが正しいなどとは言っていません。戦争の回避を求めているのです。平和解決を求めることがなぜ利敵行為になり、誤ったメッセージになるのですか。答弁を求めます。
 アメリカが仕掛ける戦争とはどういうものなのでしょうか。アメリカのCBSニュースは次のように伝えました。アメリカの作戦は、初日、二日目と三百から四百発もの巡航ミサイルをバグダッドに撃ち込み、バグダッドに安全な場所をなくし、戦意を喪失させるというものです。そして、事もあろうに、これは広島のような心理的効果が得られるだろうと言うのです。この結果が、無差別殺りくとなり、何の罪も全くない子供たちを始め、あまたの犠牲をもたらすことになることは余りにも明白ではありませんか。
 ところが、国連の安保理事会公開討論で日本の原口国連大使は、査察継続の有効性に疑問と述べ、新決議の採決を求めました。これは、査察の継続、強化による平和解決の道を中断し、事実上アメリカによる武力行使への道を開けと要求するものではありませんか。この発言は、外交努力を尽くせが大多数の国々の中で異様なものでした。総理の対米追随姿勢も極まれりと言わなければなりません。
 あなたは、原口大使の発言は武力行使の容認ではない、国際協調を述べたにすぎないなどと弁明していますが、国際協調どころか、国際的孤立の道を歩もうとしているではありませんか。一体、このようなごまかしの態度をいつまで取り続けるつもりですか。
 総理、あなたは施政方針演説で歴史に学ぶと言いました。日本は、かつて戦争によって数え切れないほどのアジアの人々の命を奪い、筆舌に尽くし難い苦痛を与えました。日本国民もまた犠牲になりました。この日本の首相がイラク戦争反対の声を上げずしてだれが上げるのですか。改めて総理の見解を問い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X00820030221_016

発言者: 八田ひろ子

speaker_id: 14422

日付: 2003-02-21

院: 参議院

会議名: 本会議