風間昶の発言 (本会議)

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○風間昶君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました武力攻撃事態平和安全確保法三案に対し質問を行います。
 初めに、本修正案が、与党三党のみならず、野党第一党である民主党と自由党の賛成も得て修正案が可決されましたことは、この法案が我が国安全保障の根幹を形成する重要法案であることから、大変に喜ばしいことでありまして、総理もおっしゃるように、画期的で大変に意義のあることと我が党としても考えております。まずは、与党の一員として、民主党、自由党の両党の皆さんの勇気ある決断にエールを送るものであります。
 次に、この法案が成立すれば、言うまでもなく、武力攻撃という事態に当たり、憲法の枠内で法律に基づいて整然と対処することが初めて可能になるのであって、武力攻撃という最悪の事態にあっても、国民の生命と財産を守るために国民と政府が法律に従って行動をし、法治国家として対応していくことを確認するものであります。
 この有事法制で、国民とのかかわりの中で最も基本となるものが人権保障の問題であります。我が党は、そもそも本法律案が政府原案として盛り込まれて提出される際に人権保障規定の明記を要求し、既にその基本は盛り込まれております。この武力攻撃事態における人権保障について総理はどうお考えなのでしょうか、第一に伺います。
 さらに、確認の意味で伺っておきますが、二十条、信教の自由、二十三条、学問の自由も全く差異はないと我が党は考えておりますが、総理の御見解を伺います。
 第二に、国民保護法制についてであります。
 四党合意により、国民保護法制の整備は一年以内を目標として実施すべきとの衆院での附帯決議が盛り込まれました。したがって、この法案については来年の次期通常国会に提出されるものと考えてよいか、総理に確認をいたします。また、法案作成に当たり、政府において具体的にどのような手段をお考えか、併せてお答えをいただきたいというふうに思います。
 第三に、国民保護法制が整うまで地方公共団体の長に対する総理の指示権などが凍結されますが、地方公共団体と政府との共通認識の重要性について伺います。
 例えば、内閣官房が本年三月、地方公共団体からの質問、意見に対して回答した文書を見ますと、武力攻撃事態における原子力施設等の安全確保などが示されています。しかし、武力攻撃事態を想定した場合、まず標的となる可能性の高い原子力発電所など果たして警察だけで万全かどうか。いかがでしょうか。
 地方公共団体と政府の認識がずれたままでは、国民保護法制が成立し、凍結が解けた場合であっても、適切な運用をすることはできません。国民保護法制の整備に国民の意見を聞くことと同様に、地方公共団体の長に対する総理の指示権の凍結解除までにこうした認識のずれを解消して、地方公共団体と政府が共通の認識に立つよう、総理にその考え方を伺います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 第四に、この法案が成立した場合における防衛施策についてであります。
 本法案では、不審船や大規模テロなど新たな脅威に対して取り組む旨を明示することになりました。この修正により、平時から情報の収集や対処方針の準備が必要になってきますが、本法律案の成立により、防衛大綱や中期防衛力整備計画が見直されることはないのか、あるいは防衛予算が急増するのではないかとの懸念もあります。この点につきまして、防衛庁長官にお答えをいただきたいと存じます。
 ともあれ、最良を望みつつも最悪に備えるという政治原則の中で、最悪に備えるという側面での政治責任を果たすべく、私たちは今第一歩を踏み出そうとしています。しかし、もう一方の最良を望むという不断の努力も私たちは怠ってはならないと考えます。すなわち、武力攻撃事態を回避する日常の外交努力こそが重要であります。戦争とは形を変えて行われる外交であるとはプロイセンの参謀将校クラウゼヴィッツの言葉でありますが、むしろ、戦争とは外交の失敗に対する報いであるというイギリスの歴史家トインビー博士の言葉を我々はかみしめるべきであります。
 現在、朝鮮半島をめぐる情勢は緊迫しております。北朝鮮が核開発を断念することを内外に鮮明にしない限り問題の解決はありませんが、そのための外交努力を怠ってはなりません。先ごろ、米韓首脳会談も行われ、対話による解決の重要性が確認されたところでもあります。日米首脳会談やエビアン・サミットを控えて、この際、総理並びに外務大臣に伺いまして、第五の質問といたします。
 この法案の論議の中で、いかなる事態にあっても憲法の枠内で対処するという総理の姿勢について、我が党も高く評価するものであります。憲法は、その前文において、「日本国民は、」「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とうたっております。平和を愛さない権力者が一時的には出たとしても、その国民は必ず平和を望んでおります。同様に、我が国も、周辺諸国に脅威を与えることなく、共存共栄していく以外に繁栄の道はありません。
 アジアの国々の中には今でも我が国の軍事大国化を心配する声が消えません。この法案の成立が周辺諸国に脅威を与えるものではないにしても、無用な誤解や懸念を生まないよう、格段の外交努力が必要であると思いますが、周辺諸国にどのように理解を得ていくのか、総理の方針を最後に伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X02420030519_016

発言者: 風間昶

speaker_id: 27962

日付: 2003-05-19

院: 参議院

会議名: 本会議