河本英典の発言 (本会議)

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○河本英典君 私は、自由民主党・保守新党、公明党を代表して、ただいま報告のありました総理の帰国報告について質問をいたします。
 五月下旬の日米首脳会談を皮切りに、中東訪問、さらにロシア、中国首脳との会談、そしてエビアン・サミットに至るこの約二週間は、我が国の国家戦略、外交戦略上、誠に有意義なものであったと受け止めております。内外ともに多事多難な中、討議の行方、具体化が我が国の展望を切り開くことにつながると考えるからでもあり、総理の御活躍を大変に心強く思った次第であります。
 我が国にとっては、北朝鮮問題という懸念があることから、日米同盟関係が二国関係として最も重要な関係であることは論じるまでもなく、トップ同士の信頼関係が深いことは国民の一人として頼もしいものに見えます。もちろん、その友好な関係の背景には、本年三月の米軍等によるイラクに対する軍事行動の際、小泉総理がいち早くアメリカ支持を表明したことがあったことは論をまちません。
 この首脳会談では、イラク問題を始め、日米両国の在り方、為替問題等の経済問題等、数多くの両国の重要課題が率直に議論されたかと存じます。そして、我が国にとって目下最大の安全保障上の課題である北朝鮮問題も取り上げられております。
 拉致問題については、ブッシュ大統領は、北朝鮮によって拉致された日本人の行方が完全に解明されるまで米国は日本としっかり連帯すると約束をされました。また、エビアン・サミットの議長総括においても、初めて拉致問題の解決に言及されております。
 こうした目に見える成果は、総理が、今まで、欧米首脳への粘り強い働き掛けの結果であることは明らかであります。
 また、日米首脳会談において、北朝鮮に対して、対話と圧力をもって問題を平和的に解決していくということで一致したことは特筆すべきことであります。しかし、対話については従来どおりと存じますが、一方で圧力については具体的に何を指し示すのか判然といたしませんので、この点、国民に分かりやすく御説明願います。
 また、アメリカの圧力と日本の圧力の間に温度差があり、なおかつ、米韓首脳会談における北朝鮮が朝鮮半島の平和を脅かした場合の追加的な措置を講じるという言葉と、このたびの首脳会談における一層厳しい措置とは開きがあることから、三か国の対応には若干違いがあるという指摘も見られます。
 しかし、北朝鮮問題を解決するためには、三か国の一致結束した取組が肝要です。よって、明日開かれます日韓首脳会談では、総理のリーダーシップによって、北朝鮮問題に対する三か国の連携を強化するとともに、北朝鮮への強いメッセージを発信していただくことを期待しますが、総理の御決意を伺います。
 さらに、北朝鮮に対しては、現行法で行える密貿易や麻薬の徹底的な取締り等はもとより、今後、北朝鮮が八千本にも及ぶ使用済み核燃料棒の再処理やミサイル発射をするといった瀬戸際政策をエスカレートさせないためにも、そうした行動を取った場合、経済制裁を始め、北朝鮮籍の臨検を行う等といった毅然とした姿勢を鮮明にすべきであり、必要があれば法整備も含めて万全な体制を一日も早く整えるべきと考えております。
 また、過日、アメリカ上院の公聴会において元北朝鮮高官が、ミサイル部品の九〇%以上は日本からのもの、三か月ごとに万景峰号により運ばれた旨の発言をいたしました。万景峰号では麻薬密売や工作員への指示をしていたとも考えられており、国民の間では不安が高まっております。そこで、この万景峰号が来週六月九日に新潟港に入港する予定であることから、関係各省庁においてしっかりと連携をして、徹底した検査を行うよう強く要請いたします。
 次に、イラクの戦後復興問題について伺います。
 イラクの戦後復興は、国際社会が一致をして取り組んでいかなければならない重要な問題であります。五月二十二日、対イラク制裁解除決議が、安全保障理事会において、シリアを除き、イラク戦争に反対したドイツ、フランス、ロシアを含めて多くの国の賛成で採択されたことは、この問題に対していったんは亀裂が生じたかにも見えた国際社会が再び結束し取り組む第一歩だと考えます。
 我が国も、周辺国へのC130輸送機の派遣を始め、雇用、教育のためのイラク復興人道支援等を実施しております。それに加えて、今後、自衛隊の米英軍等の後方支援という目に見える積極的な国際貢献も考えられますが、イラクの戦後復興に当たっての我が国の今後の基本的な対処方針をお尋ねいたします。
 総理は、サミットに先駆け、五月三十日に日ロ首脳会談を、翌日の三十一日に日中首脳会談を行われております。
 日ロ首脳会談においては、ロシア側が北方領土問題の解決より経済問題を重視しているという印象を受けましたが、このたびの会談で領土問題に関してどのような進展が図られたのか、お尋ねいたします。あわせて、我が国のエネルギー政策として重要となってくる東シベリアからのパイプライン構想についていかなる議論が行われたのでしょうか。
 次に、日中首脳会談についてでありますが、日中の間には様々な懸念する問題があるとはいえ、我が国にとって経済的に重要な国の一つでもあり、なおかつ北朝鮮問題を解決するためにも、北朝鮮と経済的、地理的に密接な関係を有する中国との関係をより良いものにしておくことが肝要です。こうした中、中国の胡錦濤新政権が誕生したにもかかわらず、日中首脳会談が開催されてこなかったことに対して若干心配をいたしてまいりました。
 そこで、このたび胡国家主席とは初の会談でありましたが、日中の未来志向の両国関係構築に向けてどのような感触をお持ちか。胡主席と同世代である総理として、新主席の印象も併せて伺います。
 サミットについて伺います。
 初日は中国等の新興国・途上国及びアフリカ諸国との対話が行われ、二、三の両日は、不透明な世界経済情勢の問題を始め、北朝鮮やテロ対策等の安全保障問題、イラク復興、アフリカ問題、SARS対策、環境問題等、各国首脳同士の活発な意見交換がなされております。
 特に、経済討議の中で、総理のリーダーシップによって、日米首脳会談のときと同様に、ブッシュ大統領の口から強いドル政策は変わらないというドル高政策の言葉を引き出したことが契機となり、それが各国のドル高政策の確認をしたことにつながったことに対しては、世界的なデフレ危機の中、米国が国際秩序の維持に積極的に乗り出したものであり、我が国の国策にかなうものと評価いたします。
 果たして、これをもって為替相場が安定を取り戻すととらえてよいのか、不透明な世界経済について各国首脳間においていかなる意見交換が行われたのか、世界的なデフレ進行について他の首脳と共通理解が得られたのかを伺います。
 また、サミットでは、テロ対策における国際的な協力体制やSARSやエイズ等の保健対策や、四千万人に上るアフリカの飢餓対策、水問題に対する国際的な取組について議論が行われております。そのいずれもが、現在、国際社会の抱える重要な課題であり、こうした問題の解決に向けて我が国も積極的に参画すべく、総理が一層のリーダーシップを発揮されますよう、決意を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115615254X03020030606_004

発言者: 河本英典

speaker_id: 3620

日付: 2003-06-06

院: 参議院

会議名: 本会議