岩本康志の発言 (予算委員会公聴会)

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○公述人(岩本康志君) その辺りの財政金融政策の在り方というのは、学会でも非常に激しい論争が起こっているところだと思います。
 今御質問のありましたような考え方、不良債権を処理するにしても、こういうデフレ環境で処理すれば損失が膨らむだけだと、もっと景気が良くなってから処理した方がいいというふうな、そういう考え方はたくさんの方、多くの方がおっしゃっているわけなんですけれども、しかしながら実行可能性がどれだけあるのかということを考えますと、私は、そういう形で問題を先送りしていくことが更にデフレを進めて、今よりも要するにもっと大きな費用で処理しなければいけないということになる危険性の方が高いのではないかというふうに考えております。
 しかし、この問題は、不良債権の処理の問題はもう既に十分先送りされてきているわけです。もしこれを二年前、三年前あるいは五年前でも処理していれば今処理をするよりもはるかに小さな費用で済んでいたわけでございます。
 したがいまして、今このままほっておけばどんどんデフレは進むだろうという状況に私はあると思います。そうすることで、そういう状態でありましたら、これは先送りしてまた別の可能性が出るというギャンブルをするのではなくて、もうこの段階で損切りをするといいますか、はっきりと決着を付けてしまって、出すべき、ある程度の公的な負担も必要かもしれませんけれども、そういったものを、出すべきものは今しっかり出しておいて、もうリスクから、この問題のリスクから決別するということが求められているのではないかと思います。それがその御質問にありました、国民が抱えているリスクを少しでも解消するということにつながるのではないかというふうに考えております。
 中国の影響ということなんですけれども、これにつきましても、考え方はいろいろあるんですけれども、私の考えているところですと、これ、為替レートで基本的には調整が可能な問題だというふうに思っております。したがいまして、必ずしも中国が日本のデフレの原因とは限らないというふうに思っております。
 しかしながら、今デフレは世界的な現象になりつつあるといいますか、そういう世界じゅうがデフレになるという危険性があろうかと思います。それは、世界じゅうが金融を緩和しておりまして金利がどんどん下がっているというわけでございまして、低金利ということがそのまま物価の下落ということに実は長期的にはつながっているということになっておりますので、そういった問題でも世界的な現象というのは表れてくるのではないかというふうに懸念しております。そのためにも早く日本はデフレから脱却することが必要だろうというふうに思っております。
 そして、為替レートなんですけれども、円安にもし誘導することが可能であれば、それは日本経済にとってはインフレ要因に働くということでありますので、それは一つの重要な可能性として考えられるかと思います。しかしながら、これを政策的に余り誘導しますと、これは外国にとっては迷惑を掛けるような政策になりますから、自然な形で円安が進むということであれば、それを容認するといいますか歓迎するという、そういうスタンスで臨めばいいのではないかというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 岩本康志

speaker_id: 17930

日付: 2003-03-20

院: 参議院

会議名: 予算委員会公聴会