保岡興治の発言 (憲法調査会)

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○保岡委員 自由民主党の保岡興治でございます。
 憲法調査会は、平成十二年一月二十日の設置以来、調査会や小委員会での議論、地方公聴会、海外調査などを精力的に行い、第百五十五国会においては、「概ね五年程度を目途とする。」とされている本調査会の調査期間のおよそ半分が経過したこと等から、国民に対し調査会の活動内容を明らかにし、国民の間でさらに憲法論議を喚起するため、中間報告を取りまとめたところでございます。
 私も、この間、地方自治に関する調査小委員長、最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員長を務めさせていただき、委員各位と真摯な議論を行ってまいりました。ここで、これまでの調査会での議論等を通じて、私なりの感想を幾つか申し上げさせていただきます。
 憲法を論議することは、まさにあるべき国家の姿を考えることであり、現在の我が国に求められているのは、西洋に追いつき追い越せという明治以来の欧米モデルによるのではなく、新たな国の形を定める独自モデルを構築することであります。その際、遠くは明治憲法制定過程における朝野の幅広い議論、範を欧米に求め成案を得た先人の労苦に思いをいたすことも必要かと思います。
 新しい国の形を考えるに当たっては、そのような観点から、地方自治のあり方についても抜本的に見直す必要があると感じています。とりわけ、中央官僚主導体制の見直し、道州制の導入の総合的、体系的検討は喫緊の課題であると認識しております。
 さらに、この独自モデルを構築するに当たっては、日本のよさを振り返る、すなわち日本国の歴史、伝統、文化を踏まえるべきであり、その意味でも、権利のみを主張し、国家、社会、家族への責任と義務を軽視する風潮を改め、国民一人一人が自己責任原則に基づいてみずからの自由を実現する社会を目指すべきであります。そのためにも、我が党の山崎副総裁が主張されているように一人幸せ主義を改め、もう一度、国家や社会、家族という共同体における義務、責任について考えてみる必要を強く感じています。
 また、グローバル化が進展し、国際関係が緊密になっている現代では、日本の平和と繁栄が近隣諸国と無関係には成立し得ないこと、緊迫度を増している国際情勢を踏まえ、平和と安全を武力により担保することもあり得ることを認識した上、一国平和主義を改め、憲法九条二項の削除、個別的、集団的自衛権の権利及び自衛隊の存在、並びに国際秩序の形成や平和の維持への貢献の憲法への明記を真剣に検討すべきであると考えています。
 さらに、統治機構の問題に関しては、国内外の新たな課題に対して迅速な対応が必要とされる現代社会において、政治主導という観点から、両院制、議院内閣制、政党のあり方等について議論を深め、明確かつ迅速な憲法判断を行い、国民の規範意識をさらに向上させるため、何らかの形で憲法裁判所的機能を創設することを検討する必要性を強く感じました。
 本調査会においては、憲法九条に関する問題や象徴天皇制に関する問題等、かつては議論することすらもタブー視されていた問題についても、各会派の委員の方々と有意義な議論を重ねてくることができました。これは大変すばらしいことだと思います。
 本調査会の調査期間は、設置時の申し合わせにより、おおむね五年程度をめどとされており、平成十七年一月にはその五年となります。調査も最終段階に入りつつあると感じておりますが、我が党としても、近く予想される総選挙において政権公約に、平成十七年秋の立党五十周年までに、二十一世紀の憲法を制定すべく、平易で格調高く表現された憲法改正案を取りまとめ、内外に法としての国のあり方を明確に示すことを掲げることにしております。また、憲法改正の国民投票法についても、それまでに各党の協力を得て成立を目指したいと思っております。
 そのためにも、中山会長を初め委員各位とともに全力を尽くし、日本のあるべき姿、すなわち、憲法はどうあるべきかを考えていきたいということを申し上げ、私の意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 保岡興治

speaker_id: 16198

日付: 2003-10-02

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会