春名直章の発言 (憲法調査会)

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○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。
 本調査会でも繰り返し議論となりました、イラク戦争と世界の平和秩序、世界の激動の中での日本国憲法九条の値打ちについて発言をいたします。
 日本共産党は、イラク戦争に対して、これが国連憲章の平和のルールをじゅうりんする不法不当な戦争であると一貫して批判してまいりました。
 米英が戦争の大義とした大量破壊兵器は六カ月たった今も見つからず、五月から捜索に当たってきたアメリカの調査団すら、その存在を確認できないとの中間報告をまとめると報じられています。六千人以上のイラクの市民を殺した戦争の最大の大義が崩れているのであります。
 不法な戦争の上に不法な占領を続ける米英軍に襲撃が続き、大規模な戦闘が終結したとされる五月一日以降の米軍死者がそれ以前より多数に上るなど、泥沼状態が一層深刻化しているのであります。
 一方、世界の流れはどうでしょうか。世界の政府の約七割が公然とイラク戦争反対の声を上げ、戦争開始前から、数千万という空前の規模で戦争を食いとめる諸国民の運動が広がりました。
 九月二十三日に開かれた国連総会で、アナン事務総長は、国連憲章五十一条は、攻撃された場合、すべての国が自衛の固有の権利を有することを規定している。しかし、これまでは、国家がそれを超えて、国際の平和と安全へのより幅広い脅威に対処するために武力の行使を決定するには、国連が与える特別の正当性が必要だと理解されてきたと述べ、続けて、こうした理解はもはや通用しないと唱えている国がある。国家には先制的に武力を行使する権利と義務があり、国家は安保理での合意を待つ義務はなく、かわりに、単独で、あるいは臨時の連合を組んで行動する権利を保持しているということになる。この論理は、たとえ完全でないにしても、過去五十八年間、世界の平和と安定が依拠してきた原則、これは国連憲章の原則ですが、に対する根本的な挑戦であると批判しました。もしこれが受け入れられるなら、それが先例となって、正当性のいかんにかかわらず、単独行動主義による不法な武力行使の拡散を招く結果になることを懸念すると重大な言明を行いました。
 アメリカの先制攻撃は国連憲章への根本的な挑戦である、このアナン氏の演説を深く受けとめる必要があります。
 また、合法的、集団的な意思で答えを出さない限り解決策は困難、南アフリカ・ムベキ大統領。多国間システムは民主主義の実践に必要、ブラジル・ルラ大統領。開かれた世界では、どの国も孤立してはならないし、全員の名で単独行動を行うことはできない、フランス・シラク大統領など、批判が相次いだのであります。
 アメリカの国連憲章無視の先制攻撃戦略、単独行動主義は許されない、国連憲章に基づく平和のルールを、ここに今世界の大きな流れがあるのであります。
 この国連憲章の精神を軍隊を持たないところまで推し進めたのが日本国憲法九条であります。日本がやるべきことは、今こそ、九条に沿って、世界の平和秩序を守り、構築する先頭に立つことであります。無法な戦争をいち早く支持し、世界の流れの逆流となっているその恥ずべき姿勢を反省し、戦争支持の撤回、自衛隊派兵計画の中止、イラク特別措置法廃止に踏み出すべきであります。米英軍の占領支配から、国連中心のイラク人の手による復興へと道を切りかえるために力を尽くし、非軍事の人道支援に全力を挙げることが必要であります。
 ところが、この時期に小泉首相は、二〇〇五年十一月の自民党結党五十周年の大会までに自民党としての改憲案をまとめることを指示し、本調査会でも多くの議員から、九条を変えよという発言が相次いでいます。世界の流れを見ないものであります。
 歴代自民党政権は、後方地域支援だから武力行使と一体にならない、憲法違反ではないとの詭弁を弄し、周辺事態法、テロ特別措置法、有事法制、イラク特措法など、米軍とともに自衛隊が海外で行動する法律を既に次々強行してまいりました。
 今、九条を変えようという最大の動機は、その一線をも踏み越え、集団的自衛権を行使し、米軍が地球的規模で行う戦争に自衛隊が何の制約も歯どめもなく参加できるようにすることにあると言わざるを得ません。先制攻撃、単独行動主義を戦略にするアメリカにつき従うための憲法改悪は、日本の平和を脅かすとともに、アナン事務総長の言葉をかりますと、国連憲章の原則に対する根本的挑戦とならざるを得ないことを胸に刻むべきであります。
 日本共産党は、憲法九条を守り抜き、今こそ、この九条を持つ国として、世界に生まれている平和のルールを守れとの流れの先頭に立つことを改めて表明いたしまして、私の発言といたします。

発言情報

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発言者: 春名直章

speaker_id: 1215

日付: 2003-10-02

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会