カマレシュ・シャルマの発言 (安全保障委員会)

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○シャルマ参考人(通訳) 委員長、このような委員会の場に私が呼ばれましたことを大変名誉に思っております。
 国連が東ティモールにどうかかわるのかということに関しましては、今まさに大切な時期に来ております。国連の安保理事会は、将来の国連の東ティモールにおける努力をどのようにしていくのかということを今まさに考慮している時期であります。そのような時期にありまして、非常に貴重な、かつ大切な東ティモールのパートナーであります日本にこうして来ることができまして、心よりうれしく存じます。
 それからまた、この委員会の委員各位の皆様方に対しましては、このように皆様方にお話をする機会を与えていただきましたことに御礼を申し上げます。
 現在、東ティモールの治安の状況がどうなっているかということにつきましてお話をさせていただきたいと思いますし、それから、私個人としても、また国連といたしましても、日本が東ティモールのために大変重要な貢献をしてくださったということに関して、日本政府、また日本国民に御礼を申し上げたいと思います。
 まず、東ティモールの治安の状況でございますが、これは、おおむね沈静化し、そして平和であります。安全保障理事会がスケジュールを変えたということに従いまして、今では国連の軍事行動をする規模もダウンサイズされておりまして、今は七百五十人まで下がっております。これだけの人数が達成されましたのは二〇〇四年の一月のことでありまして、特に東ティモールの西の方におきまして、ディミリタリゼーション、軍事的なことから脱するということ、またリクイデーションの活動が進んでおります。
 国連東ティモール支援団の持っております軍事的な活動をする部分でありますけれども、先ほどのダウンサイズがされた部分のことですけれども、現在やっておりますのは、信頼醸成活動、またいろいろな抑止的な活動を積極的にやっております。
 まずやっておりますのは包括的なパトロールということで、平和維持軍が偵察活動及び査察活動といったようなことを集中的にやっておりまして、これは、現地の東ティモールの人たちが持っております治安部隊あるいは治安組織、そういったところと協力をしながら包括的にやっております。
 東ティモールの長期的な安全と安定のためには、やはり国境部分の治安、そして国境部分をコントロールするということが何よりも大切なことになってまいります。今は、ボーダー、国境というのは戦術的な調整ラインというふうに呼ばれておりますけれども、これは、言ってみれば穴だらけのような状態でありまして、そこにおきましては、不法な活動とか越境行為、それからまた各種の犯罪行為などがよく行われております。
 また、インドネシアと緊密な協力ができるかどうかということが、東ティモールに関しましては決定的に重要なポイントであります。これが長期的なチャレンジでありまして、そしてまた、そのチャレンジの中には、元難民であった人たちがまだ東ティモールの部分には相当残っているということに絡む問題も含まれております。
 さて、この難民の問題でありますけれども、相当な状況の改善が見られまして、二年前には二十五万人おりました難民が、今では二万六千人となっております。これは、東ティモールとインドネシアとが、この分野も含めましてあらゆる分野で協力されているということであり、このことは特筆すべきことであろうと思います。そして、このような協力があるということは、東ティモールの将来を建設的に持っていくための一つの希望のあかしとなります。
 国連東ティモール支援団は、東ティモールとインドネシアの両者に対しまして、国境を合同で調査するというようなことも含めまして、両方に支援を与えております。
 日本の自衛隊の施設部隊がなされました貢献というのは、これは大変立派なものがありまして、私は敬意を表したいと思います。ちょうど私が安保理事会で発言をしたときに敬意を表したと同じように、ここでもその敬意をあらわします。
 また、人的資源の開発ということに関しましても、自衛隊の施設部隊は大変な貢献をしてくださいまして、百人の東ティモールの人たちに対する職業訓練を提供してくださいました。それ以外にも、道路建設のための機材も提供してくださいましたし、また道路補修ということに関する機材も提供してくださいました。
 これは、東ティモールの経済にとりましては全く不可欠なものでありまして、東ティモール人というのは、道路補修ということに関しましては何ら経験を有しておりません。また、航空路、それから鉄道網、また沿岸海運のようなものもほとんど存在していないという東ティモールの現状におきましては、東ティモールの経済のためにも、また東ティモール内のコミュニケーション、通信のためにも、補給ルートとして地上ルートに頼るしかないという状況でありますので、その意味での貢献は非常に大きなものがありました。
 私、今回、訪日中に伺いまして大変心強く思ったのですけれども、アソシエーション・オブ・ベテランズと呼ばれているようなところの御協力によりまして、このような能力向上に関する日本の貢献が今後とも続けられるということを伺って、心強く思いました。
 また、人的資源開発の分野に関しましては、自衛隊施設部隊は、教育研究、学校、それから職業訓練センターを建設するというような分野におきましても貢献をしてくださっておられます。
 施設部隊は、九十七の補給ルートに関するそれぞれの作業をすべて完了されました。人が移動できるということは極めて大切なことでありますので、このような貢献というのは特に意義のあるものであったと思っております。そして、この人が移動できるということは、東ティモールの市場形成のために、経済活動のために、また持続可能性のためには必要不可欠なことであります。そして、まさにこのようなことを打ち立てようということが、国連東ティモール支援団、UNMISETの目標であります。
 それから、農業の分野におきましては、協力活動は、かんがいの分野に、漁業管理に関する訓練の分野に、それからまた種子に関するいろいろな活動などについての協力がありました。それからまた、農業センターが壊れておりました。それを復興するための活動もありましたし、それのための機材の提供もありました。
 それ以外のインフラプロジェクトといたしましては、非常に大切な、工科大学をつくる、工科大学に関連する活動もなされました。それから、ディリにおける水供給のネットワークを建設するというところにも向けられました。また、国連の建物を強化するという活動もありましたし、それから空港、港湾の補修作業もありました。
 それから、民事的な活動それから軍事的な活動という分野におきましては、施設部隊が参加されましたのは、浜辺をきれいにするという意味でのビーチクリーンアップ、植林活動、公園をつくるということ、あるいはサッカー場の建設などがありました。それ以外に、孤児院に支援を与えるとか幼稚園に支援を与えるということもありましたし、場合によっては、音楽のレッスンを提供してくださるということも行われました。
 安保理事会におきましては、東ティモールを今後どうするかということに関しまして、国連東ティモール支援団、UNMISETの期限が来るのが五月二十日でありますので、それ以降どうするかということを考えているわけでありますけれども、現在、私が知っておりますところの各種の示唆によりますと、これから十二カ月のコンソリデーションの期間、すなわち、いろいろな活動を統合したりする期間というので、一年間、十二カ月を置くようであります。
 この十二カ月のコンソリデーションの期間におきましては、私どもが希望しておりますのは、日本国政府におきましては、これまでやってこられましたこのような活動を継続することの可能性をぜひ積極的に考えていただきたいと思います。
 どういう支援の継続の可能性の分野を考慮していただきたいかといいますと、まず第一の可能性といたしましては、軍事連絡要員という方を、これは非武装の方ですけれども、その連絡要員をぜひ残していただきたいということであります。
 それから二番目に、本部に小規模なPKFを残していただきたいということであります。UNMISETにおきましては自衛隊から人を十七人出していただいておりますけれども、その十七人を全部なくすのではなく、小規模でいいから本部に少し残していただきたいと思います。
 それから三番目に、これは、民事それから警察の分野においてでありますけれども、民間の警察アドバイザーのような方を置いていただくことが可能かどうかということをぜひ考えていただきたいと思います。例えば、法の支配とか、そういった警察の組織あるいは団体の中でどのようなかかわり方をしていったらいいのかということなどを強化するための民間の警察のアドバイザーをいただくという可能性です。——失礼いたしました。文民警察を考えていただきたいということです。
 それから四番目に、これは最後のお願いになりますけれども、スペシャリストのアドバイザーをいろいろな民事機構の中にいただきたいということです。公共行政にはいろいろな分野がありますけれども、その公共行政のいろいろな分野における専門家のアドバイザーをいただきたいということです。例えば、税関でありますとかいろいろな通信分野、あるいは金融に関係するような行政、そういったところのアドバイザーをいただきたく思います。
 御委員会におきましては二十分ルールがあるということですので、それはぜひ守りたいと思います。
 まとめを申し上げますと、東ティモールというのは世界の中で最も若い国家であります。国連に加盟をいたしましたのも一番最後であります。また、東ティモールはアジアの中に位置する国であります。また、東アジアというサブリージョンに位置している国でもあります。そういったことを種々勘案いたしますと、まさに日本から御支援をいただく、日本に注目をしていただくということが必要な国であると思いますし、まさにそのような御支援を日本からも東ティモールは受けているわけであります。
 日本というのは、東ティモールに関しまして、開発パートナーとして最大の国であります。それからまた、例えば、恵まれない人たちのためにいろいろと貢献をしてくださるアソシエーション・オブ・ベテランズという団体もおられまして、そこが大変よい貢献をしておられるということも伺っております。ですから、日本が今しておられるいろいろな支援活動を継続されるということは、日本が今標榜しておられる人間の安全保障ということの観点からも、まさに意味のあることではないかと思っております。
 けさ、実は私は、人間の安全保障に関する信託基金が出しましたパンフレットを読んでおりましたところ、このパンフレットの表紙には、まさに人の安全保障が中心になる二十一世紀とうたわれておりました。
 私は、国連というのは、特に日本がなしました貢献に対しまして、また日本が東ティモールにかかわってこられたことに関して感謝をしなければならない理由を持っていると思います。この国連が感謝をするべき理由というのは、事務総長御自身が国会で演説をされましたときにも、彼自身が述べているところであります。
 私の考えでは、国連ができたというのは、二十世紀につくられました最も大切な政治的な思想ではなかったかと思います。私は、国連というのは、国際社会がつくりました一つの手段、それは人類をより幸福にする、人類をよりよい方向に導いていくためにつくった手段であると思っております。そして、より創造的な、建設的な、そして相互に裨益するような相互依存関係をさらに進めるためにつくったものであるというふうに思っております。
 日本は、この国連という組織に対しましていろいろな貢献をなさいました。しばしば金銭的な、財務的な貢献をなさいました。それからまた、人間のセキュリティー、人間の安全保障という、先ほど私が言及いたしましたコンセプトを大いに進めておられるという意味での貢献もあります。あるいは、人道主義的な救済活動という面もあります。
 それから、ミレニアム開発ゴールというのがありました。これは、社会的な問題に対しまして活動していくわけですけれども、このミレニアム開発ゴールに関しましても大変大きな貢献をされました。
 そしてまた、先進国の開発パートナーとしては、非常に大きな存在が日本であります。教育問題でも活動をしてこられました。そして、軍縮それから開発問題に関しましても、日本は非常に大きな役割を果たしてこられました。
 そういうことを考えますと、言ってみれば、国連が抱えている理想をより引っ張っていくための車といいますか機関車の役割は、まさに日本そのものであったというふうに考えるわけであります。
 したがいまして、今後とも、PKOの活動に関しましては、日本がより直接的に取り組まれることがさらにふえていかれますように、ぜひ考えていただきたいというふうに思っております。そうなりますと、平和維持活動というのは、まさに我々が有望だと思っている分野の延長線上に皆様方も位置づけることができるのではないかと思っております。
 平和維持というコンセプトに関しましては、二〇〇一年の十二月に国際平和協力法が改正されることによりまして、さらに概念的にも拡大が可能になったということを伺っております。今では、この新しい概念によりまして、選挙、それから人道的な問題に関するモニタリング、それからまた再建、開発、そういったことにも参加をすることができるようになり、それから文民が、いろいろな組織をつくる、あるいは制度をつくるというようなことに関して参加をすることも可能になってきていると伺っております。
 したがいまして、本安全保障委員会の委員の皆様におかれましては、ぜひ、国連の平和維持活動というものにこれからも日本が直接参加をなさるということに重きを置いて御審議をいただきたいと思います。
 本日は、東ティモールの現状と課題につきまして皆様方にお話をするチャンスを与えていただきまして、ありがとうございました。心より感謝をいたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 115903815X00420040319_002

発言者: カマレシュ・シャルマ

speaker_id: 24259

日付: 2004-03-19

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会