カマレシュ・シャルマの発言 (安全保障委員会)

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○シャルマ参考人(通訳) 厳しい質問は、きっと後になったら出るぞと覚悟しておりました。
 まず、最初の質問で、国を守るということと国連のために仕事をするということの間の違いは何かということですけれども、まず第一点、自国を守るというときには、これまでの年月を経て、国民との交流というのもちゃんとありますし、国益とは何か、そして国益という物差しで見て、何はどうだ、これはどうだということが割と明確に定まってまいります。ところが、国連の場でPKFとして出ていくときには、国を守る場合なら明確な国益というものの定義が、日々変わっているというか、まだその定義が発展途上にあるようなところで出ていくということがあるわけです。
 ですから、自分のために活動するということ以外にも、当該政府のために、あるいは、ほかにもプレーヤーはいるかもしれないし、登場人物というのもほかにもいるかもしれない。そしてまた、自分の国益ということとはまた別の目的、そのときそのときの目的に合わせて自分が行動をしなければいけないわけですので、当初から、自分がやっていることというのは大目的のサポートになっているのかどうかということを常に問いながら行動しなければいけないということがあるわけで、しかも、その大目的というのもまだ明確に定義がされていないかもしれないような中での仕事であるということで、極めてセンシティブな状況があるということ、これが第一点です。
 それから、第二点というのは、国の防衛ということに関しましては、大体国民はもう一致しておりますから、一つの統一した中で行動することができます。しかも、つき合うのは、相手は自国民だけですから、国の中では。しかしながら、PKOになりますと、国籍というのは、もういろんな人がかかわってきます。
 ですから、兵士として自分の持っている職業的な能力、あるいは人とのつき合い方の能力、チームプレーヤーとして仕事ができるかどうかという能力、そういったものが問われるという場面が多いと思いますし、また、自国に戻ったときには、兵士としてこのような経験を経たことによって、よりよい兵士になって帰ることができるのではないかというのが我々が希望したいところであります。
 それから、三番目。これは非常に困難な点で、いつも困難な点として出てくる問題なんですが、PKOということ、PKFということになりますと、必ず武器使用という局面が出てまいります。それぞれの国は、自国内で武器使用をするということに関しましては明確な規定があると思うのですけれども、国連というのは、やはり世界の模範となる軍隊でなければいけないという思いがありますので、基準は最も高いスタンダードでなければならないと思ってやっております。
 しかし、そうではあっても、状況によっては、ここで武器を使用することができるのかどうかということを逡巡するような、そういった非常に微妙な状況というのはあったりすると思う。ここが最も難しい局面ではないかと思います。
 次に、国連の改革ということについてでありますけれども、私はインドの国連大使を五年間やっておりましたので、国連改革ということはいつもいつもテーマになっておりましたので、私もそれをよく知っております。
 それについての私の考えですけれども、まず、国連というのは改革を必要としている組織であるというのは、これはもう疑いのないことでありまして、それは、改革が必要ないなどとは私は一度も思ったことはありません。ですから、そういう見方をすれば改革は必要ですけれども、しかし、別の見方をいたしますと、あれくらいの予算のレベルでこれだけのことをなし遂げたという見方からすれば、国連は本当にすばらしい達成事をつくってきた組織だと思います。言ってみれば、今、国連は世界の中枢神経系のようなものになっておりまして、今、国連のない世界というのは想像することだにできない。あの程度の予算でここまでやってきたというのはすごいことだと思っております。
 さて、国連の改革をしなければいけないということは長く提案されておりますけれども、よく人は、どんな組織よりも国連は改革を必要としているんだ、よそはもっとましにやっているという言い方をしますけれども、私は、それは全く正しくないと思っております。
 人体と同じで、例えば動脈硬化症、あるいは何でも、硬化症ということでかたくなるというのは、これは人体と同じで、どの組織でもどの制度でもあることです。これは、大学でも、あるいは政府の省庁でも、あるいはNGOでさえもそうだし、政党だって決してそこから免れることではない。制度、組織がかたくなる、硬化していくということは、これは普遍的な現象であります。
 ですから、それは、そういった意味での改革をしなければいけないということはそうですけれども、どこよりも国連が改革が必要だとかいうのには私はくみしませんし、どこの組織と比べましても、点数をつければ、やはり国連の点数は、成功してきたという点数は一番高いと思います。
 さて、機能的な側面からの改革ということをおっしゃいましたけれども、もちろんそのこともありますし、それから、国連事務総長が国連の総会でよくこういう言い方をしているんですが、国連改革というのは一回限りのイベントではない、こういう言い方をよくしております。例えば、一回改革をして、ああよかったね、改革ができたねとみんなで安心して、もうそのままにするというものではない。改革というのは継続的なプロセスであり、たとえこれまで改革したことがあったとしても、それは継続されなければいけないということであります。
 それから、一番中心的な改革としては、安保理事会の組成、メンバーの改革ということがあります。
 確かに、安保理事会というのは五十年前に創設されたものであり、今、安保理が議論しなければいけないような課題を反映していないようなメンバー構成になっているというのは、これはもう疑いもないことであります。また、安保理事会としてやっていかなければいけないということを信念として持っていくという観念からも、今のメンバーシップというのはもう合っていないということは、これは火を見るよりも明らかでありまして、これは常任、非常任を問わず、メンバーシップというのは手直しをしていかなければならないというものだと思います。
 私は国連事務総長の特別代表でありますので、事務総長がどう思っているかなどということを憶測することはできませんけれども、たしか事務総長が日本に来られたときだったと思いますが、彼の発言の中にこういうくだりがありました。来年は国連の創設六十周年を迎える年であり、まさにそのような節目の年に安保理事会の構成の改善ということを考えなければならないということをたしかおっしゃっていたと思います。

発言情報

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発言者: カマレシュ・シャルマ

speaker_id: 24259

日付: 2004-03-19

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会