仙谷由人の発言 (憲法調査会)
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○仙谷委員 団長にかわり、派遣委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。
派遣委員は、中山太郎会長を団長として、幹事船田元君、委員渡海紀三朗君、幹事山花郁夫君、委員斉藤鉄夫君、委員山口富男君、委員土井たか子君、それに私、仙谷由人を加えた八名であります。
地方公聴会は、三月十五日午後、広島市の広島全日空ホテルの会議室において、日本国憲法について、特に、非常事態と憲法、統治機構のあり方及び基本的人権の保障のあり方をテーマとして開催し、まず、中山団長から今回の地方公聴会開会の趣旨及び本調査会におけるこれまでの議論の概要の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介並びに議事運営の順序を含めてあいさつを行った後、公務員佐藤周一君、広島大学大学院教授・医師秀道広君、元広島平和記念資料館館長高橋昭博君、団体職員平田香奈子さん、社会福祉法人みどりの町理事長岡田孝裕君及び岡山県議会議員小田春人君の六名から意見を聴取いたしました。
各意見陳述者の意見内容につきまして、簡単に申し上げますと、
佐藤君からは、現在、失業問題が深刻である等、憲法二十七条や二十五条に反する状況にあり、これらの規定を実現するための諸施策により景気回復が図られる、憲法改正を議論する前に政府に憲法を遵守させ、人権を侵害させないようにすることが国会の役目である、戦争が最大の人権侵害であり、人権保障のために九条は絶対に変えてはならないとの意見、
秀君からは、国家主権の侵害に対処するための備えをしておくべきこと、我が国の歴史、伝統、文化等の国家としてのアイデンティティーを明確化すべきこと、積極的な平和活動を実施すべきことを踏まえ、前文の全面改正や九条二項の削除等の憲法改正をすべきであるとの意見、
高橋君からは、自分が被爆の苦しみを乗り越えることができたのは平和主義をうたった憲法があったからである、我が国は、九条を堅持し、平和外交を基調とする全方位外交を果敢に展開しなければならないのであり、憲法の見直し、とりわけ、九条の見直しには断固反対であるとの意見、
平田さんからは、憲法は、日本が半世紀以上前、アジア諸国を侵略し、大きな戦争を引き起こしたことに対する反省と二度と戦争をしないという誓いのもとに生まれたものであるが、自衛隊のイラク派兵等はそれをないがしろにするものである、悲惨な戦争の体験、人類の自由を求める闘いの到達点が書き込まれている憲法は、全く変える必要がないとの意見、
岡田君からは、地方自治の課題として、地方の自主自立の精神と自己責任を確立する必要性、国と地方の業務分担の見直しと地方財政の再構築の必要性、地方行政の重層構造等の簡素化の必要性が指摘できる、憲法の地方自治の規定をより具体的に規定し直す必要がある、道州制ひいては連邦制の導入も検討されるべきであるとの意見、
及び
小田君からは、憲法は、制定過程に問題があること、施行後六十年近い時が経過したことの二点から改正が必要である、特に、統治機構については、議員の選出方法が酷似する二院制の見直し、形骸化している最高裁判事の国民審査の廃止、地方自治の本旨の具体化が必要であるとの意見
がそれぞれ開陳されました。
意見の陳述が行われた後、各委員から、教育のあり方、国と地方の役割分担、道州制と二院制の関係、核抑止論を乗り越えるための理論構成、憲法の平和主義への思い、日本のアイデンティティーと九条との関係などについて質疑がありました。
派遣委員の質疑が終了した後、中山団長が傍聴者の発言を求めましたところ、傍聴者から、軍隊や個別的、集団的自衛権の憲法上の明記の必要性、労働と教育の条件整備により憲法を生かすことの必要性、有事の際に家族や周りの人が命にかかわる状況に陥ることへの危惧等についての発言がありました。
なお、会議の内容を速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと思います。また、速記録ができ上がりましたならば、本調査会議録に参考として掲載されますよう、お取り計らいをお願いいたします。
以上で報告を終わりますが、今回の会議の開催につきましては、関係者多数の御協力により、円滑に行うことができました。
ここに深く感謝の意を表する次第であります。
以上、御報告申し上げます。