土井たか子の発言 (憲法調査会)
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○土井委員 きょう近藤小委員長からの御報告をいただきました先日のEUの統合の問題について、ツェプター参考人からのお話の冒頭には、欧州統合が欧州諸国間の戦争を二度と起こさないという教訓のもとで進められたということが、きょうも小委員長からの御報告の中にもまず最初にございました。これは、私は非常に大きな意味を実は持っていると思っております。
先ほども、このアジアの地域においても、特に北東アジアの地域では、統合と言うかどうかは別として、北東アジアの安全保障という側面は軍事面において考えられる必要はないというふうなお話がありましたけれども、むしろ、これからの状況からすると、脅威という存在をなくして協調という体制を確立していこうという方向で冷戦構造が崩壊してから後の国際社会の趨勢というのは動いていっているというふうに私は思うんです。その一つの示唆というか、典型的な姿が今のEUの姿形になって出てきているという意味で、私はこれからも見ていきたいと思っております。
この今の脅威的存在というのをなくして協調体制をつくっていくということからすると、まさしくこの北東アジアでその方向に向けての努力をしようとすれば必ずできる、そのむしろ先導役と申しますか、中心的役割を日本が果たさなければならないという気持ちを私自身も持ちまして、二十一世紀の平和構想というのは、まさにこの基本的な姿勢ということを持つことによって、構想内容というのは具体化して進めていくことができるんじゃないかというふうに思いまして、今から二年前にその構想の内容を発表させていただいたわけです。
端的に申しますと、二国間の安保から多国間の協調へということの基本姿勢ということをやはり念頭に置いて中身を考えたわけでございまして、特に、多国間の協調というふうなことが、これからは多国間の協調システムということをつくっていくというもとになりますし、一大超大国が一国主義ということを披瀝して、そしてそれを徹底的に出していくという問題に対して、むしろそれ自身がお互いの間の協調を阻害するものでこそあれ協調体制ということを促進することにはならないということをこれはもうはっきりさせるという点においても、北東アジアでこの多国間の協調システムというのは大変大事になってくる。
その際、経済的協調、それからいろいろな環境問題に対してもお互いが協力し合える協調体制、そういうのはもちろん現実の問題として先行するでしょうし、具体的に動かしていくことに対しては大事でございますけれども、一つはっきりさせなければならないのは、その中で核という問題がどのように取り扱われてこれから動いていくか、エネルギー、資源なんかを考えた場合に非常に大きな意味をこれは持つわけですね。
それで、場所は広島でございましたから、公聴会の節にも、これからの核に対しての取り扱いがどうあるべきかと。これはやはり、核に対しては抑止力を主張される方が片やあるかと思うと、一方では、もちろん広島の心ということもしっかり、高橋さんなどは、公述人として典型的な、聞いておりまして非常に感銘を受けた公述人としての御発言でございましたけれども、広島の心というのはあくまでやはり核を廃絶するところにあるということから、よい核と悪い核があるはずない、すべての核兵器に対しては、廃絶ということに向けての努力こそ肝心ということを、心を込めてこれは訴えられたと私申し上げていいと思うんですね。
北東アジアでも、非核地帯構想というのを持って、具体的にこれは進めていくことができるんじゃないんでしょうか。そのときには、私はモンゴルの、この問題に対しての提案を持って御意見を聞きに参りましたときに、首相は、大国がこの問題に取り組む中心になるよりも、むしろ中小国が中心になって進めるということの方が話はまとまりやすいんだということを言われましたけれども、もう一つ言うと、非核保有国同士がこの問題に対して、やはり核廃絶に向けての提携をしっかり固めて、そしてこの北東アジアでも核を非核地帯として具体化していくという努力こそ、私は大変大きな北東アジアでの多国間の協調内容を具体的に人類社会に対して提示していくことができるというふうに思っています。