武正公一の発言 (憲法調査会)

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○武正委員 民主党の武正公一でございます。
 条約優位説についてなんですけれども、条約が国内法を規定する、条約を結んだことによって国内法の整備を図る、こういったことを憲法七十三条第三号ということで、内閣の事務としているところでございます。
 例えば、今国会でサイバー条約というものが批准をされたわけでございます。これについて、四カ国が既に批准をして五カ国目が批准をしたことでようやく発効する。ヨーロッパから発議があったサイバー条約について、欧米が、非常に人権あるいはまたプライバシーの侵害、通信の秘密を侵害するおそれありということでためらっているこのサイバー条約に、日本がいち早く署名そして批准をしたわけでございます。言ってしまうと、政府、内閣が国内法を整備したい、その理由に条約を挙げる、条約を署名、批准したから国内法を整備しなければいけませんねという意味では、条約が国内法を非常に縛るということは申すまでもありません。
 ですから、政府が恣意的に、この条約は、署名しよう、批准しよう、この条約は、やっぱり国内法を整備しなきゃいけないから署名、批准したくない、こういったところが見え隠れしているのが、先ほど下村委員が挙げられたILO八十三条約、そして人権関係二十七条約であるのかなというふうに考えております。
 そういった意味で、今回、齊藤参考人に私の方からただしたのは、今、国会における条約審議が非常に短時間でなかなか深まらない。その理由として、先ほどの憲法七十三条三号から派生をしておりますが、すべての条約が国会承認の対象ではないという政府見解が出されていること、そしてまた、条約の審議において、例えば、附帯決議も国会はつけられないという今の現状、あるいは条約の留保、これをするかしないかについて一切国会が関与できない、こういったことはやはりおかしいんじゃないのか。条約が国内法を規定するというこの今の仕組みの中において、立法府、国権の最高機関たる国会が、なぜこのように国際法あるいは条約について物が言えないのか、影響を与えられないのか、これはおかしいというふうに齊藤参考人にただしたわけでございます。
 特に、留保という条約のことについて、齊藤参考人いわく、一対一のバイの条約であれば、政府が条約を結んできたときに、署名してきたときに、これは留保する留保しないと、それはやはり相手があることですから、それを後でまた、国会がああだこうだ変えると当然相手国に対して影響があると。これはわかるとしても、例えば、サイバー条約のように、複数の国が、たくさんの国が結んだ国際条約について、どれを留保する留保しないということが、国会が後から物を申しても全体の条約に与える影響というのは少ないんだ、だから、国会として、この条約について、特に国際的な、多くの国が参加しているような条約について留保を与える与えないということを、国会として物申す、あるいは国会として、当然、附帯決議も含めてきちっと政府に対して影響を与えていく、こういったことはあってしかるべきというような参考人の意見が述べられたわけでございます。
 私も、こうした思いを同じくするものでありますので、国会における条約審議というものは、大変大事であるし、それが国内法に与える影響、そして立法府、国会の権能、こうしたものが今回この審議の中でも明らかになってきた点でございます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 武正公一

speaker_id: 18971

日付: 2004-06-03

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会