伊藤忠治の発言 (憲法調査会)

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○伊藤(忠)委員 民主党の伊藤忠治でございます。
 私は、この通常国会で初めて委員会に参加をさせていただきました。したがいまして、それ以前の議論は経験をしていないわけですが、この一年間、諸先生方からいろいろな角度からレクチャーをいただいたり、あるいは先生方の相互討論を拝聴しておりまして、大変有益でございましたし、勉強させていただきました。
 そこで、私の感じておりますことについて述べさせていただきたいと思いますが、憲法といいますと、どうしても、憲法は統治法である、国家の基本法である、こういうことが前面に出るわけですが、憲法というのは一体どうあるべきなのかということとはまた別だと思います。つまり、この大命題に取り組むに際して、いつも私は思うんですが、今の憲法ができてから六十年を既に経過しているわけです。この事実はだれも否定することができません。それまでの間に、日本はどれぐらい変わったのか、内外情勢はどれだけ変化したのか。最近は、変化も極めて激しいわけであります。このことを無視して、つまり、六十年前にできた憲法、これがそのままでいいのか、一字一句変えちゃいかぬのかということについての疑問は、私だけではございませんで、有権者の多くも恐らく抱いていることだろうと思います。
 どういう結果をもたらすかといいますと、今日の実態と憲法規定との間の乖離の問題が随所に出ています。これは放置できない問題だと思うんです。つまり、基本法である憲法、しかも、法治国家でございますから、法律ではこう決まっているんだけれども、実態は全然乖離がある。それに基づいていろいろな法解釈が進められて、具体的に政治がどんどんと前に行くということだったら、これは政治不信にまで及ぶわけですから、真正面からそういう問題点をとらえて、さらに議論を深める必要がある、私はこのように考えているわけでございます。
 現行憲法に対するスタンスについては、各党それぞれ違いますし、中には絶対反対だという意見もあります。改正が必要だ、加憲という立場もあれば、創憲という言い方をしますが、要は、絶対反対なのか、それとも改正を必要とする立場に立つのかということに分かれるんじゃないでしょうか。
 改正が必要だとする立場から考えても、もとから、ゼロベースから新しくつくりかえるという、理想とする憲法はこれだというので、全面的な改正を主張なさる立場もあります。あるいは、少なくとも、戦後六十年たちまして、これから二十一世紀の向こう五十年間、少なくとも五十年間を展望したら、日本は一体、二十一世紀の国際社会の中にどういうスタンスで貢献をしていくのか、国際社会にどう貢献するのか、アジアの一員として、平和文化国家としてどのように日本は貢献をしていくのかという国家の戦略、そういう展望がなければ、どういうスタンスで憲法を変えていくのかということも問われるわけでございます。
 また、みずからの国家に対しては改革をどのように進めていくのかということでは、今、三位一体に象徴されますように、改革の論議が非常に盛んでございますが、そういうことも避けて通れない、憲法論議とは一体だと私は思っているわけでございます。
 したがって、なお続けていただきたいとは思っているんですが、これは調査会の役目もございますから一概に言えないとは思いますが、その中で、私は、避けて通れない課題として四点ほど考えてみました。
 一点は、皇位継承権の問題でございます。これは皇室典範の第一章第一条に規定されておりますが、男子に限定されているわけでございますが、それでこれから先も過ごしていけるんでしょうかというのが一点目でございます。
 二点目は、集団的自衛権と国連機能を含む安全保障問題だと思います。特にイラクの自衛隊派遣は、ああいう小泉発言がサミットでございますけれども、果たしてそれでいいんだろうか。現実との乖離、これがすごいじゃないですか。そこのところをきちっと国会審議で、当面はどうやっていくのか、あるいは、憲法ではきちっとそこをどう押さえるのかということが私は問われてくると思います。
 三点目は、行政組織のあり方でございます。道州制の導入を含めて、国と地方の新たな役割をどうしていくのか。そのために、我が国は、到達目標として、どういうふうに憲法に明記すべきなのかということは、ぜひともこれは一定の掘り下げた議論が要ると思います。
 最後の四点目は、やはり乖離の問題をいいか悪いのかという判断をするところが、今は、私流に言わせたら、最高裁判所はサボっていると思うんです。だから、憲法裁判所のあり方なんですね、実際に機能しておりませんから。法治国家としてそのことに適宜適切に判断を下していくということがなければいけないと私は思っているわけでございまして、こういう一連のポイントを絞った議論というのはなお続けられていくべきだろうと思います。
 最後になりますが、最後は、改正手続についてお話がございましたけれども、九十六条の具体化についてもこれは議論をいただいて、例えば、国民が本当に自分のものとして憲法をとらえて、改正するならする、しないならしないで判断が下せるような素地をつくっていくというのも私は調査会の役割ではないのかと。だから、なおそういう点についても御検討いただければありがたい。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 伊藤忠治

speaker_id: 34240

日付: 2004-06-10

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会