伊藤公介の発言 (憲法調査会)
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○伊藤(公)委員 自由民主党の伊藤公介でございます。
この憲法調査会、中山会長を中心に、それぞれの政党の憲法に対する考え方がかなり鮮明になってきたなという実感であります。私たちは新しい憲法をつくるという立場でありますし、また、加憲という立場の政党もございます。あるいは創憲、護憲、それぞれの政党の憲法に対する考え方というものがいろいろな意味で集約をしてきている、また、細部にわたっていろいろな御議論がございました。
私も幾つかの点についてこれまで発言をさせていただいてまいりましたが、きょうは総まとめということでありますので、多くの点について触れることはできません。安全保障について、やはり、新しい憲法をつくるに当たっては非常に大事な点だと思いますので、そのことについて触れたいと思います。
今申し上げたような各政党のそれぞれの立場がありますが、私は、半世紀を超えて、少なくとも第二次大戦の呪縛から解かれた、そして、日本人が誇りと、それぞれの人たちが自信を持って国際的な分野で活躍ができる、あるいは国内の中でそれぞれ生き生きと皆さんが新しい時代に向かって生きていける、そういう自信と誇りを持った新しい憲法をつくるべきだというふうに考えます。そういう意味でも、新憲法を制定するということを明確にしていくべきだと思います。
その中で、安全保障の問題について、私は、最近の国会のいろいろな議論のことを振り返りながら、私自身は、新しい憲法の中で、これまでの考え方とはきちっと変えた新しい対応をこの憲法の中には盛り込んでいくべきではないかというふうに考えているものであります。
一九九六年に橋本・クリントン会談が行われました。ここで、つまり、ソ連という軍事的な脅威への対処をするということにかわって、いわゆるアジア太平洋の平和あるいは安定が日米安保関係の役割の基礎をなすんだ、こういうことでガイドラインの見直しに言及をされました。そして、一九九七年には日米新ガイドラインが成立をしたことは御存じのとおりであります。そして、その実施のために周辺事態法を私たちは国会で成立いたしました。
この間に、実は極東の条項について、安保条約の第六条でありますが、あるいは周辺事態とは何かという議論に、かなり国会のエネルギーを費やしてきたところであります。
極東の条項については、これは安保条約の六条でありますけれども、地理学上正確に画定されたものではなくて、在日米軍が日本の施設及び区域を使用して武力攻撃に対する防衛に寄与し得る区域であって、およそフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域にあって、韓国及び中華民国の支配下にある地域を含むとされております。
この周辺事態法で、実は時の大臣はこう答えているわけであります。周辺事態については、「観念上、線を引くこと、あらかじめ特定できないということを申し上げておりますが、その周辺事態の定義が我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態と、こういうことでありますから、極端に遠いところでは、ここは現実には想定できないだろうなということはそれははっきり申し上げることはできますけれども、」云々であります。
つまり、私たちはこの国会で、日本の安全保障について、極東とか周辺事態とか、つまり日本の平和と安全に重要な影響を与える事態ということを常に想定して議論してきました。私は、新しい憲法を制定するに当たっては、我が国の平和と安全は当然なことでありますけれども、むしろ世界の平和と安全、そういう立場に立って新しい憲法を制定すべきだと思います。
つまり、国会でのやりとりの中でも、遠いところ、極端なことを言えば、地球の裏側に対しては日本は参加しませんよということになるんだろうと思います。私は、これだけさまざまな、時代が変わって、瞬時に世界の平和も危機も侵されるという今日を考えましたときに、たとえそれが地球の裏側であっても、日本は果たすべき役割を果たしていかなければならない時代に来ていると思います。
そういう意味で、これから私たちは、新しい憲法をつくるに当たっては、例えば今具体的にいろいろな議論のあります多国籍軍とか集団自衛権についても限定的にすべきではないというのが私の基本的な考え方であります。
しかし、あくまでも一つの歯どめも必要であろうという議論は当然あると思います。それは、私は、もっと国連というものに対して日本は発言権やあるいは発言権を得られるような状況をつくる努力をしていくべきだと思います。国連が、世界の主要な国々が、たとえそれが地球の裏側であっても、世界の平和と秩序、人道支援のためにはみんなが協力をすべきだというときには、私たちのこの国もあらゆる協力をしていけるという状況にしておくべきだと思います。
新たな二十一世紀に向かって、誇りと自信を持てる憲法を制定するという、私はそういう理念に基づいていくべきだということを申し上げておきたいと思います。