2004-03-04
衆議院
ベルンハルド・ツェプター
憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会
ベルンハルド・ツェプターの発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)
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○ツェプター参考人(通訳) まず初めに申し上げたいのは、EUを形成していくということを、より長期的な視点で考えるべきであるということであります。
すなわち、目先の経済的な利害のみを追い求めるのではなく、長期的な視点からEUを構築していこうという場合には、やはりこれは疑問の余地なく、必ずヨーロピアンアイデンティティーということを形成していかなければならないということがあるかと思います。人は、そのようなアイデンティティーがあってこそ、このヨーロッパの構築あるいはEUをつくり上げていこうという試みと自分を一体化させていく、同一視させていくということになるかと思います。
ですからこそ、私は、先ほどの陳述の中でも大いに強調をさせていただきました。すなわち、ボトムアップのプロセスが必要である、トップダウンであってはならない。すなわち、青写真ではなく、人々の意思によってどの方向に向かっていくのかということを決める必要があるのだということでした。
だからといって、ヨーロピアンアイデンティティーというのが、各国のそれぞれの国民のアイデンティティーに置きかわるものではないということであります。あくまでもヨーロピアンアイデンティティーというのは付加的な価値ということになります。ですから、両方を合わせて一体となるという考え方であります。
欧州大陸においては共通の歴史が見られるということは否定できないと思います。ですから、多くの面で共通性がある、あるいは、人々が結束する、団結するといったようなことが見られるかと思います、さまざまな政治的、経済的な進展の中で。それを明確にするということで、憲法の中でも大いに努力が行われて盛り込まれたということがあります。憲法の中でも、欧州の社会に共通に見られる具体的な価値観ということが重点的に盛り込まれております。
また、そのような視点から見ますと、ヨーロッパの形成のプロセスを確固としたものにするためには、やはり市民社会、シビルソサエティーというのが、いかにヨーロッパの進展の中に直接に参画するかということと、切っても切り離せない関係があるということであります。
ですから、意思決定のプロセスの中に市民社会を取り込んでいくということが、ヨーロッパの場合には深刻な問題として受けとめられておりますし、ですからこそ、欧州委員会が出しましたヨーロッパにおけるガバナンスについての白書の中でも、この点についてかなり苦労して記述されているということがあります。
我々は、やはり努力をして、市民社会が将来の意思決定プロセスの中に参画できるような仕組みをつくり上げていくということのみならず、市民社会の方も、ヨーロッパの社会に対してさまざまなアイデアを出してもらう触媒役を果たしていただきたいと思っております。
最後に申し上げたい点でありますが、ヨーロッパを構築していく中で、我々は、一方では共同作業として進めなければならないということがあると同時に、他方では、固有性、特異性ということも守っていかなければならない。ですから、欧州統合法の試みというのは、そういう意味でよい試金石になるのではないかと思っております。
ますますグローバル化が進む世界の中で、どのように、ドイツ人あるいはフランス人あるいはイタリア人としてのアイデンティティーを保ちつつ、同時にヨーロッパ人として自分が感じることができるのかという課題であります。私自身はこれを難しくは感じておりません。私はドイツ人でありますが、ババリア地方の出身でありますし、同時にドイツ人だと思っておりますし、ヨーロッパ人だとも認識しております。ですから、多層にわたるさまざまな層を、いかに重ね合わせていき、そしてそれを強化するかということが重要かと思います。