ベルンハルド・ツェプターの発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)

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○ツェプター参考人(通訳) 二度と我々の間で戦争を繰り返さないということは、やはり欧州共同体の創設の父たちにとっては重要なかぎを握る宣言でありました。といいますのも、過去の残虐な経験を乗り越えて、何か共通のものをつくり出そうということを目指していたからであります。
 ですから、一方では、我々が歴史を認識しなければならないということが求められております。歴史の中で何が間違ったのかを認識するということであります。同時に、将来にも目を向けなければならないということであります。ですから、今後進展していく中で、決して繰り返されることのないように、これはヨーロッパの土地の上でも、そして、できれば世界のどの地域においても、あのような残虐な事態が繰り返されることのないようにということです。
 私が思いますに、そのようなヨーロッパの歴史が背景にあった、そして各国の歴史が背景にあったということが、いわゆるヨーロッパの建設ということだろうと思います。すなわち、そういうことが存在していたということを決して忘れてはならない。しかしながら、同時に、そのような歴史経験があったからこそ、それを土壌として、今後はよりよくしていく、決して間違いは繰り返さない根拠としていくということであります。
 その意味で、私は比較をしたいと思います。欧州連合の建設ということと、ヨーロッパにおける何か重要な構築物の建設となぞらえてみたいと思います。ここでの例は、大教会堂ということで挙げたいと思います。
 日本の皆様の脈絡で見れば余り適切な例ではないかもしれませんが、教会堂をつくり上げるためには、結果として、最後に美しい建物ができるということを一番に考えているわけではないということであります。建設途中そのもののプロセスが大事だということであります。それが人々の精神にとって重要な意味を持っているということです。大教会堂などの中には、何世紀もかかってようやく完成するといったようなものがあります。そのプロセスの中で、一緒に何かをつくるということ、そして究極的に、美しい確固たる創造物を生み出していこうということがあるわけであります。こういったことこそが、今EUで行われていることのよい説明になるのではないかと思います。
 ですから、もちろんヨーロッパの安定化に貢献をしたいということもありますけれども、我々は世界に手本を示したいということもあるわけです。すなわち、他の国々や人々に対し寛容であること、そして連帯ということの必要性、そのお手本になりたいということです。
 それで、ちょっと興味深い比較をもう一つ挙げてみたいと思います。これはドイツの哲学者のスローターダイクの言ったことでありますけれども、EUは決して一九世紀の国民国家のようになってはならない、あのような間違いをすべて繰り返すといったようなことであってはならないということです。EUはそれ以上のものにならなければならない、すなわち、大学のようなものになるべきだということです。一緒に住んだり、働いたり、同じ場所でやるというだけではなく、恐怖心なく暮らすことができるようにということであります。
 この考え方はちょっと理念的に過ぎるかもしれませんが、そういうことを念頭に置いて見ていただければと思います。

発言情報

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発言者: ベルンハルド・ツェプター

speaker_id: 2061

日付: 2004-03-04

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会