野坂泰司の発言 (憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会)

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○野坂参考人 どうも御質問ありがとうございます。
 いわゆる基本権の私人間適用でございますけれども、これは私は、もともとはこれもまたドイツ的な理論というものが導入された結果、そういう議論の構造になっているというふうに思っております。そういう意味では、必ずしも、日本国憲法のもとで、通説が言いますように、憲法の人権規定というものは専ら対国家権力というものであって、私人間では主張できないというか、直接憲法の人権規定が適用されるものではないというふうに考える必要はないと思っているわけです。
 先ほどちょっと報告の中で申しましたけれども、本来、思想、良心の自由というものは天賦人権の最たるものと言いましたけれども、人が人に対して、だれに対してでも、本来は侵害してくれるなというふうに主張できる性質のものであろうと。したがって、憲法に規定されたから当然にもう権利ではなくなるとか、あるいは主張できなくなるという性質のものではないと考えます。
 その意味では、実は東電塩山営業所事件の一審の甲府地裁の判決が述べているところでございますけれども、思想、良心の自由というのは私人間においても本来人間の根源にかかわる自由として主張し得るものである、そういう重要な法益として民法上も人間の尊厳という形で法律上も保障されているものである、つまり、いわゆる公序として守られるべきものであるという言い方をしておるのですけれども、私の考え方はそれに近いものでございます。憲法の人権規定を私人間に適用するという考え方ではなく、むしろ私人間において本来人権として主張できるものである、だから憲法は専ら対国家的にそのことを明確に規定したものであるというふうに考えるべきではないかと思っております。

発言情報

speech_id: 115904186X00220040311_006

発言者: 野坂泰司

speaker_id: 19028

日付: 2004-03-11

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会