田口守一の発言 (憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会)

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○田口参考人 大問題のお尋ねでございます。憲法三十六条が残虐という言葉を使っておるわけでありますが、私は、何をもって残虐と考えるかというのは、言うまでもなく、これは価値的な概念でありますが、歴史的な概念であるとも思います。時代の推移によって、残虐という言葉の意味内容、どういう人権の奪い方が残虐であるかということは、かなり歴史的な価値の問題が入ってきていると思います。場合によって、昔は残虐でなかったものが時代の推移によって残虐になったりする、こういうような変化があり得ると思います。
 そういう点で、では、現在の日本という国の歴史的な段階で死刑制度を残虐と認めて、先生御指摘のように憲法的な決断を下すということが必要かどうか、こういうことが第一の問題の究極だと思います。
 私は、その点については、現段階で憲法上結論を下すというよりも、その問題を、国民の意識であるとかあるいは国際的なバランスであるとか、いろいろな諸状況を考慮して法律にゆだねるという方が、憲法的に一刀両断に答えを出すよりもいいだろうという形で、現在行われている死刑制度それ自体は、そのまま憲法違反であるという判断を下さない方が賢明ではないかという考え方をしているということを先ほど申し上げたつもりでございます。
 そうなりますと、今度は、法律論的に、制度論的に、もろもろの事情を考えて、死刑を存置するか廃止するか、そういう議論をしよう、こういうことになるかと思います。
 御指摘のように、世論調査を見ますと、存置論といいましょうか、そういうのが多いというのは御指摘のとおりであります。しかしながら、これも先ほど申したように、例えば凶悪な犯罪が起きますとこの数字が動いたり、かなり国民の意識というものも調査の時期によりまして動いたりすることがあると思います。その国民の意識というものと同時に、制度をつくる方々のいわば価値判断というものとの、両者のいわばバランスの上で政策決定がなされるべきだろう、こう思います。
 そういう点から考えますと、確かに世論調査の数字というのはずっと下がっているわけじゃないわけなんですけれども、私は、以前に比べまして、以前というのは戦後のことですけれども、戦後の推移の中で比べまして、死刑制度を廃止する環境が前よりもいわば強まってきてはいる、その中の一つの重要な考慮要素が代替刑の問題であることは当然ですけれども、そういった制度も含めまして、廃止というゴールに向かっていろいろな環境をつくっていくべきだという理解でございます。

発言情報

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発言者: 田口守一

speaker_id: 897

日付: 2004-05-27

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会