猪口邦子の発言 (憲法調査会公聴会)
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○猪口公述人 先生のお尋ねは、予防的な目的で、特に人道的な観点を含めて実力行使が適切かどうかという御質問かと思いますが、もし勘違いしておりましたら申しわけございません。
人間の安全保障を回復するために実力行使が必要であるかどうか、さまざまな場合に分けて考えなければなりませんけれども、一般的に、人間の安全保障は、対立する勢力との関係においては、まずは和解がどう成立し得るかという努力をもって対応するのが根本であると感じております。
予防的に実力部隊を展開するという方法については、国連においても非常に慎重な議論があったと記憶しております。予防的に、例えば実力部隊、他国の場合は軍隊を展開したような場合において、それが過度に緊張を地域にもたらし、むしろ相手方の先制攻撃を誘発するのではないかということも慎重に議論された経緯があると理解しております、これは国連においてでございますが。
ですから、現にまだ武力衝突の事態になっていない段階において、人間の安全保障の確保を理由に実力部隊の展開を行うということについては、その必要がどこまで絶対的にあるか、その他の手段は尽くしているか、そういうことをかなり慎重にケース・バイ・ケースで見なければならないと思います。
日本の役割としては、そのような場合において、私の公述の中でも申し上げましたとおり、既に世界が認識していて日本はそういう役割を果たしてくれるであろうと期待されている分野がありますので、そのようなことをまずは徹底的に行って、その中から地域の人々の和解への意思を引き出していく、そういう工夫をきわめることがまずは課題ではないかと思っております。