猪口邦子の発言 (憲法調査会公聴会)

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○猪口公述人 ありがとうございます。
 外交及びさまざまな社会開発、経済協力等の対応については、もう先生方御了解されていますので、それが重要なことは言うまでもないということであります。
 ただ、私の公述の中でも申し上げましたけれども、紛争直後の社会というものは、私は小型武器軍縮の議長として根回しをする際にさまざまな地域を訪れたわけですが、それは著しく不安定であり、著しく危険であり、私も自分の身の危険を感じることもたくさんありました。私が赴いたところで首相が暗殺されるような事件もありましたし、大変な地域というものがあって、その現実にはやはり圧倒的なものがあると思います。
 そこは、しかし、ポストコンフリクト、紛争が終わった回復期のところであり、市民は普通の生活に戻ろうと必死の努力をしているところであり、しかし、子供はまだ学校に復帰することができず、十分な栄養も調達できない、医薬品も届かない。そして、著しく危険であるので一般的な協力が展開されにくい、あるいはその展開されている協力を守ることも必要である、そういうさまざまな、場合によっては混乱した状況もあります。
 ですから、私が申し上げましたように、紛争直後の社会の不安定性を考えれば、実力組織によってしか効果的な貢献が望めない状況もありということでありますので、そこにおいて、やはり自衛隊に、活動して、民間の力で貢献が引き続きできるようになるまでの間だけでも、大きな役割を果たしてもらわなければならないことは十分にあろうかと思います。
 本来、そのような事態が世界で起こらないように外交を成功させていくことが日本の任務とは思いますけれども、現に戦争が起き、ようやく終結に向かい、そこでの支援が必要であるという場合の対応は、例えば今日のアフガニスタンもまだ回復期のままでありますし、イラクは引き続き回復が成功するように導くことが課題となっている地域でありますので、そのようなところにおける、人心を安定させて、先ほど申し上げたように、やはり和解への意欲を引き出すことができるような、つまり人々を啓発することができるような人道支援、もちろん軍縮、不拡散の場合、もう少し難しくなりますね、小型武器を今回収して破壊していくということが治安上なかなか難しい状況がありますけれども、もう少し安定したときには、軍縮、不拡散の実際的な支援も現地において行う余地も希望したいと思います。
 ですから、先生のおっしゃるとおり、最も本質的に重要でかつ長期的に行われなきゃならない努力というものは、経済支援であり、ODAであり、市民の協力であり、企業による復興支援であり、さまざまな総合力を日本社会として発揮していく支援であると思います。しかし、今申し上げたような状況を考えれば、そして日本は長い間そのような状況をなかなか見る機会も市民として広くはなかったかもしれませんが、そのような状況を考えれば、やはり自衛隊による役割は不可欠な部分をなすことも将来においてもあり得るかと思います。そのような役割を果たす場合の危険性については、先生今読んでくださいましたように、非常にリスクを負って赴かれますので、高い評価を日本で付与することが必要であるというふうに考えております。
 ですから、今日本はやはり移行期でありまして、難しい議論をあわせてしなければなりませんけれども、現にそのリスクを負って役割を果たしている自国民についての思いを共有していただければと思っております。

発言情報

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発言者: 猪口邦子

speaker_id: 4512

日付: 2004-05-12

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会公聴会