吉田健一の発言 (憲法調査会公聴会)
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○吉田公述人 今先生の方から御意見をいただいた件ですけれども、時代の流れに従って憲法を見直すという、その時代の流れがどういうものを目指すのか、そこが一番大事なところでありまして、まさに先ほどの読売新聞の改正試案の説明でもありましたように、イギリスと同じように、アメリカがイラクを攻撃した、それと同じような参加を自衛隊にできる、そういう選択肢を与えよう、そういう流れをつくろうという動きもあるわけです。
そういった方向と、憲法がつくられた歴史的な、私たちが歴史の上に立って、外れてはいけないという憲法をつくったときの原点、そことのギャップというのは、もう別の憲法になってしまうということになるわけで、本当に、平和の憲法ということでつくったその原点を外れない、そこをむしろ逆に生かしていくというのが世界の平和の流れだということは御指摘させていただきました。むしろ今の憲法の方が、そういう意味では時代の流れに合った、それを実現すべきということが国際社会の中でも求められている。アメリカの方ばかり見ていると、そちらが時代の流れに見える、そういう指摘を私はさせていただかざるを得ない。結局、そういうことでの憲法を変えるということでは、本来の、私たちが大事にしていきたい平和の憲法の、憲法の平和主義の一番基本的なところを見失う危険があるのではないかということを指摘させていただきたいと思います。
同時に、憲法を変えやすくするための、いわゆる改憲の手続を緩める、緩和するということについては、私は反対であります。憲法が基本的に硬性憲法として制定された、そこの原点は、やはり侵略戦争の反省に立った、世界に、あるいはアジアの人たちに約束した、そういった日本の立脚点、そこはやはり基本的には変えてはいけないという、よほど変える必要があるときにそれだけの厳しい要件をあえて憲法が定めているというのが、この憲法の原則であります。やはりそこは緩めることはあってはいけないと思いますし、憲法とはそもそも権力に対する拘束力という意味があるわけで、そこの拘束力を緩める方向での改憲になるんではないか。やはり国民にとっては、むしろ権力に対して厳しいことを求める、そういう憲法であってほしいというふうに私は思っています。
以上であります。