吉田健一の発言 (憲法調査会公聴会)
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○吉田公述人 テポドンとか、北朝鮮のミサイル問題が大分日本に対する脅威になっていて、そのためにアメリカとの協力や日本の軍事力の強化というような話がいつもされるわけですけれども、二百基とおっしゃられましたが、具体的に北朝鮮がどの程度の軍事力を有していて、本当に戦争をしかけてきて、それに耐え得る国力といいますか、総合的な力を含めて、それだけの分析をした上でおっしゃられているのかどうかというのは、まず前提として大変疑問でありまして、そこの理解がやはり違っているということを申し上げておきます。
それともう一つは、それに対抗して、ミサイル防衛ということで宇宙空間を使ってすべて対応していくと。では、アメリカの発せられた危険信号を日本が日本海でイージス艦がとらえて、そこからミサイルをさらに撃つのか。では、どこで、どの段階で撃つのか。発射された段階で撃つのか、日本に向けられた段階で考えるのか、弾を込めた段階で考えるのか、ミサイルの基地に人が集結している段階で考えるのか。いわゆる自衛のための先制攻撃につながるような、そういう事態というのが想定されるような危険をますます感じます。
それに、いわゆるミサイル防衛のためには、ことし一千億円というような指摘も、それだけでも今の年金問題等を考えると本当に多大な出費であるわけですけれども、兆の単位でその財政的な負担も負うということが言われています。やはり、そこまでの財政を投入してやる必要があるのかということもあります。
そういうことで、軍事力に対して軍事力をもってお互いに緊張感を高める、そういうことが過去の戦争の非常に大きな引き金になってきた、そういった歴史の教訓に学ぶ必要があるんじゃないんですか。
私も在日コリアンの方に言われましたけれども、日本は五十数年前に、いわば北朝鮮と同じような立場に立った。周りがみんないじめて、軍事力を強化していった、日本もそれに対抗して、結局ああいう事態になった。そういう、みずから行った、やられた経験を、また逆の立場でやることになるのではないかという危機感、不安を指摘されましたけれども、やはりその辺は歴史的な教訓を踏まえて、軍事力に対して軍事力でという緊張感を高める方向はやめよう、それが今の日本の平和の憲法でありますし、先生御指摘になったような、そういう意味で世界に誇っていい、そういう立場をやはりこの際発揮すべきではないかというふうに思います。
そういう意味で、自衛隊についても、増強ではなくて解消していくということを、私は、今の憲法や世界情勢の方向からいっても、そういう方向で十分であるというふうに思っています。
以上です。
〔会長退席、仙谷会長代理着席〕