吉田健一の発言 (憲法調査会公聴会)
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○吉田公述人 現在の裁判制度上、直接、法律ができた時点で法律そのものの憲法適合性を裁判所で、司法によって判断するという仕組みがないために今の憲法裁判所の御指摘が出ているわけだと思いますが、私はまず、一つ一つの権利侵害や事件を通じて地方裁判所から一般の市民が憲法の問題を議論する、あるいは憲法に基づく権利の主張ができる、そこは今の仕組みの中で、仕組みそのものはそれでいいのではないかというふうに思っています。
逆に憲法裁判所ということで、一つの、実際どういう形にするかにもよりますけれども、現実にはなかなか、立法そのものを問う、逆に政治的にそういう判断を裁判所に求めていいのかという問題もあるわけで、むしろ、それよりも現在の仕組みをよりきちっと機能させて、問題はその仕組みにあるのではなくて、裁判所が、いわゆる司法消極的主義といいますか、憲法判断について非常にこれを回避する、もちろん、九条問題がそうですし、私が先日、今の圏央道の土地収用問題で行った裁判の手続の中でも、最高裁判所は、その収用の執行停止に対して、住民の居住の利益が、憲法上の権利が失われている、そういう提起に対して全く判断しないという非常に消極的な態度をとったわけです。
やはりそういう現実があること自体がむしろ問題で、それは運用によって今の司法が、より積極的に行政をチェックする、あるいは国会の立法作業をチェックする、そういう姿勢をもっと発揮してもらいたいというふうに思っています。
以上です。