井口秀作の発言 (憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会)

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○井口参考人 まず、プレビシットという言葉は、国によって、普通、一般的な政策投票、国民投票の意味で使われるときもありますが、フランスでは、プレビシットというのをいわゆる悪用の形態としてレフェレンダムと分けて議論するときがあるわけです。
 これについて、事務局作成の資料の十四ページにたくさん書いてあります。ただ、これは、フランスにおいても、一般的に何か特別なものがあるわけではありません。プレビシットの一番の批判のポイントは何だったかというと、まず、ナポレオンの国民投票から概念化されました。つまり、民主的な国民投票という形態を使って、実は独裁につながったではないか、これを批判する概念としてプレビシットというのがあったわけです。
 ですから、一番典型的なのは、国民投票で、政策、法律についてかけているはずなのに、実はナポレオンだとか、シャルル・ドゴールであるとか、ヒトラーであるとか、実は個人への信任投票になっているのではないか、それが恐らくフランスでは、もともと従来一番強かったというふうに思います。
 ただし、その中で、なぜそうなるかについて、議会の審議がないとか、そういうことがいろいろつけ加わってきたというのが十四ページの表の、これも乗本先生の分類の仕方ですが、そういうことであろうかと思います。
 しかしながら、もう一点つけ加えさせていただきますと、かつてであれば、そういうむしろ自分の責任を国民投票にかける、つまり、国民投票にかけて、もし国民投票が反対多数で否決されたならば自分は辞任するというふうに言って、言ってみれば恫喝をする、これがプレビシットだという批判がありました。実際、フランスではシャルル・ドゴールは、何度もそういうふうにしましたし、最後は実際に退任するわけですね。
 しかし、それを今ではフランスでもプレビシットと呼ばずに、むしろ民主主義の正常な形なんだ、政治責任をかけてそういうふうに国民投票に信任を問うこと自体は、実はプレビシットでも何でもない、むしろ民主的な政治の形態なんだというふうに主張する学説もあります。
 私は、必ずしもそうは思っておりませんが、そういう点で、人物云々というのが一番のポイントだと思いますが、フランスでもプレビシットの概念というのは非常に揺れているということが現状であろうかと思います。

発言情報

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発言者: 井口秀作

speaker_id: 1471

日付: 2004-03-04

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会