辻惠の発言 (憲法調査会統治機構のあり方に関する調査小委員会)

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○辻小委員 冤罪事件でつとに有名な松川裁判なんかを見ますと、結局諏訪メモというのが最後に出てきて、それで死刑判決が覆ったということがあると思います。そういう意味におきまして、準備手続の中ですべて証拠を出さなければ、後は原則として認めないというのは、非常に問題があるのではないかというふうに考えているということを述べさせていただきたいと思います。
 次に、戦後の刑事訴訟法というのは、戦前の予審制度を廃止することが必要である、つまり、密室において裁判官のもとで証拠の整理をし、予審制度のもとでは証拠調べも行った、そこでほとんどの心証が形成されてしまって、裁判が開かれるときには大体もう心証が決まっていた、したがって、現実に開かれる裁判は形骸化したものである、これではいけないということで戦後の刑事訴訟法の改正があったと私は理解しております。刑事訴訟法の二百五十六条で、起訴状一本主義をとり、予断排除の原則をとっているというのは、まさにその趣旨であります。
 その観点で言ったときに、この裁判員制度というのは、裁判官が、戦前は予審判事と実際の判事がかわりました、証拠調べは予審判事の段階でした、現在の裁判制度では、準備手続、証拠調べまではしない、そこの違いがありますけれども、例えば否認事件であれば、六カ月なり一年間なり時間をかけて、裁判官と検察官と弁護人のもとで、証拠の構造、検事側、弁護側の証拠を全部整理して、予定をして、そしてA証人、B証人、C証人を調べようということで二日間審理が開かれる、そこで初めて裁判員が参加をして、そこで二日間、三日間で評決をしてしまう。これは、ある意味では戦前の予審裁判の復活ではないかというふうに私は危惧を持つのでありますが、その点はいかがでしょうか。

発言情報

speech_id: 115904192X00120040219_015

発言者: 辻惠

speaker_id: 30633

日付: 2004-02-19

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会統治機構のあり方に関する調査小委員会