富田茂之の発言 (文部科学委員会)

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○富田委員 公明党の富田茂之でございます。大臣に所信についてお尋ねをいたします。
 大臣は所信におきまして、国際化等への対応といたしまして、「留学生交流については、昨年、留学生受け入れ十万人計画の目標を達成したところですが、受け入れ体制や留学生の質の向上にも留意しつつ、留学生受け入れの推進を図る」というふうに述べられております。
 平成十五年度の文部科学白書によりますと、「留学生交流の推進」というところに、このように記載があります。「これまで文部科学省では、昭和五十八年に策定された「留学生受入れ十万人計画」に基づき、「知的国際貢献」の観点から、渡日前から帰国後まで体系的な留学生受入れのための施策を総合的に推進してきました。 我が国の大学などで学ぶ外国人留学生の数は、平成十五年五月一日現在で前年比一四・六%増の十万九千五百八人に上り、目標とされた十万人を超えています。」続いて、「これらの留学生は、その約九割がアジア地域より渡日した留学生であり、中でも中国、韓国、台湾の三か国(地域)で全体の約八三・〇%を占めています。」というような記述があります。
 この記述に関連してですが、留学生、就学生制度の問題点ということについて質問をさせていただきたいと思います。
 就学生というのは、日本各地の日本語学校で最長二年間、日本語を学ぶ外国人学生です。大学や専門学校を受験し、合格すると留学生という身分になります。日本独特の制度とも言えるもので、アジア各国との草の根交流で果たしてきた役割は大変大きなものがあったというふうに私自身は思っております。
 実は、私の地元の方の娘さんで、中国の内モンゴルの方と結婚されて現地に行きまして、現地で日本語学校に勤務されている方から、先日ファクスをいただきました。何枚かのファクスだったんですが、この方は、日本の入国審査の際に、中国の就学生、この親御さんの方になるんだと思うんですが、日本円で三百万円相当の預金を持っていることの証明が要求されている、これは不当だということで、訴えを私のところに送ってきてくれました。
 ちょっとファクスの内容を御紹介させていただきたいんですが、いろいろ不満を言った後に、
  留学希望者の九九%が、日本の言う、三百万円相当の預金をもっていません。ですから、仕方なく、大金持ちに、三千元を払って通帳のコピーをさせてもらいます。表紙のみ、保証人のものを作り、再び一枚のコピーに連ねます。
三千元というと約四万円相当だと思うんですが、
  地方の学生は、自宅の近くに、銀行がありません。一番近い銀行は車やバスを乗りつぎ、五時間行った所にあったりします。たんす預金がほとんどで、日本の様に、買い物の往き帰りに銀行による、なんという習慣もなければ、余裕もありません。
そして、彼女が教えているクラスの生徒に、遊牧民のお子さんがいらっしゃるようで、お父さんが遊牧民で、実は羊を千匹、牛を二百頭、馬を三十頭飼っている。遊牧民としては大変な資産家だ。だけれども預金はゼロだ。羊、牛、馬がお金のかわりなんだ。羊一頭四百五十元だそうです。
 お金が必要な時は、その羊を売ります。又、自給自足ですから、生活費もあまり必要ない。でも、預金口座はありません。経済的に、財産を持っていても、銀行に預ける訳にはいきません。これは文化とその民族の価値観です。日本の価値観がパーフェクトとは思いません。
  もし、以上の事をよく理解した上で、入国審査の手続きを考えたなら、日本人は、いじわる、をとおりこして、とても下品な者です。
ここまで書いてあります。
  人間は、貧しい国の者でも、富める国の者でも、学ぼうという志をふみにじってはいけないと思う。貧しさは、その人のせいじゃない。そして、若者はその貧しさからぬけ出て、いつか、自国を豊かな国にしたいと本当に望んでいるのです。中国の九九%の留学生は、皆、そんな気持ちでがんばっています。
ここで留学生というのは、多分就学生のことだと思うんですが、
  実際に、学生が住んでいる所を見ると、涙が出ます。本当に、マントウだけかじって、勉強している子もいます。
  日本が、三百万円だなんて言うから、又、これによって裏の金もうけが生まれるんです。
という指摘をしております。
 小学校の教師の給料は四百五十元から六百元だそうです。一カ月一万円になりません。
 どうやって、三百万円が出来ますか?
  解ってやっているのなら、私は日本人として、本当に恥かしい。
こういう内容のファクスでした。
 彼女のファクスには、随分誤解している部分もあると思うんですね。これまで、留学生や就学生に係る入国、在留の審査については、不法残留者の減少等があったために、これは法務省の方から資料をいただいたんですが、平成十二年一月以降、教育機関の在籍管理の状況に応じた審査の方針を定め、実施してきた、ある程度緩やかにどうもしていたようであります。しかし、近年、留学生の不法残留者が再び増加する傾向にあり、また留学生や就学生による犯罪が大きな社会問題となってきた、さらに、不法就労者等の摘発の際にも、これらの者が被摘発者の半数近くを占める状況になってきた、このため、留学生及び就学生に対する審査を一層適正に行うことが求められているというふうに、法務省の入国管理局の方では考えているようであります。
 これは逆にまた、中国の、就学生を送り出そうと思っている方から見ると、かなり審査が厳しくなったんじゃないかなというふうにどうも受けとめているようであります。
 入管の方では、提出資料の簡素化を図ったり、日本における日本語教育の機関の方に管理をきちんと任せていた、だけれども、今指摘したような状況になってきたから審査を適正に行わざるを得ないというふうに、対応が変わってきたようであります。
 その中で、実は、出入国管理及び難民認定法に別表第一の四、在留資格というところに就学という規定があるんですが、この就学の項に関して、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令というのがあります。その省令の二号に、「申請人が生活費用を支弁する十分な資産、奨学金その他の手段を有すること。ただし、申請人以外の者が申請人の生活費用を支弁する場合は、この限りでない。」という規定があって、実際の運用で経費の支弁能力をどういうふうに判断するかというペーパーをいただいたんですが、こうやって書いてあります。「予定する本邦の大学又は教育機関での勉学のために必要な学費及び生活費を有していることを証する資料」、これを提出しろというんですね。これだけじゃよくわからないんですが、そこの「注」で、「預金残高証明書を提出する場合にあっては、預金残高を明らかにする資料だけでなく、預金通帳写し等当該預金の入出金の経緯が明らかになるものの提出を併せて求めます。」
 こういうふうなことがあるので、窓口で言われたときに、ああ、三百万円程度の預金通帳がないと日本には行けないんだなというふうにどうも思い込んでいるようなんですが、そういう誤解の部分もあると思うんですけれども、こういう規定を厳格に適用してしまうと、今御紹介した中国・内モンゴルの経済状況、生活状況だと、事実上、日本へ就学するな、あなたたちに来てもらっちゃ困るよというふうになっていると言わざるを得ないと思うんですが、今御紹介したファクスの中身を聞かれて、また出入国管理の状況が少し変わってきているという状況を踏まえて、大臣はその点についてどのように思われますか。

発言情報

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発言者: 富田茂之

speaker_id: 30144

日付: 2004-02-27

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会