神崎武法の発言 (本会議)

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○神崎武法君 私は、公明党を代表して、小泉総理の施政方針演説を含む政府四演説に関連して、主要なテーマに絞って質問をいたします。(拍手)
 総理、私は、二〇〇四年という年はまさしく日本の国家百年の運命を決める重大な年であると認識しています。そして、こうしたときに政治家に求められるものが、時代を切り開く構想力と外交力だと思います。
 それは、国際競争時代に打ちかち、冷戦後続発しているテロの脅威の中で、地域や世界の安全保障をいかに構築するかとの構想力と外交力であります。国民が政治に求めているのは、この青写真ではないでしょうか。何のためにどういう国づくりをするのか、今日ほど長期的な視点に立った戦略が求められているときはありません。
 私は、こうした内政、外交の重要な転換期であるからこそ、総理が強いリーダーシップを発揮していただきたいと考えるのであります。世界の中にあって、日本の国をどういう国につくり変えていこうと考えておられるのか、まず、総理の率直な所感をお伺いいたしたい。
 さて、イラクの復興支援は、国連安全保障理事会の全会一致の決議に基づく国際社会の総意です。我が国も国際社会の一員として支援する責務があるのは当然です。既に三十七カ国がイラクの人々と手を携えながら活動し、イラクの再建、そして世界の平和と安定を願いながら、復興へのとうとい汗を流しているのです。
 殉職された外務省の奥大使、井ノ上一等書記官のお二人も、その中心的な役割を果たしておりました。改めて哀悼の意を表するとともに、そのとうとい志を継承するためにも、我が国はイラクの復興へ行動を起こさねばならないと思います。これを阻止しようとするテロリストに断じて屈するわけにはまいりません。(拍手)
 私は、昨年末、自衛隊の派遣予定地であるイラク南東部のサマワを訪問しました。それは、与党の責任者として、まず直接現場に行って、治安状況や自衛隊派遣のニーズを自分の目で確認しようと思ったからであります。
 百聞は一見にしかずで、旧フセイン時代の圧制下で、水や電気など生活基盤をなすインフラ整備が大幅におくれている上、一連の戦争で職を失い、途方に暮れる市民の姿は目に余るものがありました。私は、浄水、給水、電力、下水道の整備、そして学校や病院の改修などのインフラ整備が急務であり、当面は、そのお手伝いとして、現地の人を少しでも雇用できればと思いました。
 そこで、お伺いしますが、自衛隊がイラク市民への生活支援事業を実施する場合、補助的な仕事として現地の人の雇用も検討されているのかどうか。さらに、本格的な雇用対策の一つとして注目されているメソポタミア湿原の回復事業に我が国も全面的に協力するなど、多種多様な施策を検討されてはいかがでしょうか。あわせて御答弁をいただきたいと思います。
 イラクが真の意味で復興するためには、イラク国民が将来への希望を回復することが最も大切です。こうした観点から、イラクの未来を担う若い世代に対する教育支援を重視すべきではないかと思います。
 さらに、イラクは長い歴史を有する伝統ある国家であります。部族や宗派の違いを乗り越えて、イラクの国家としての一体性を維持強化していくためにも、イラク国民が誇りとする文化財の保護、修復等に力を入れるべきだと思いますが、総理のお考えを承りたいと存じます。(拍手)
 一方、派遣される自衛隊員の安全対策のために、外務省と防衛庁の連携、米国や各国政府との連携が極めて重要でありますし、イラク人から直接情報を収集することも欠かせません。安全対策の要諦は情報であり、日本政府としても、あらゆるチャンネルを使い万全の措置を講ずべきだと思いますが、政府の取り組みについてお尋ねいたします。
 国連の役割も重要です。最近、国連、CPA、イラク統治評議会による三者協議も開催され、イラクの政治プロセスの進展に国連が重要な役割を果たすことがますます期待されています。
 事実、国連としても、イラクにおける選挙が実施できるかどうか、調査団派遣を模索しているようでありますが、本格的なイラク支援を一段と進めるためにも、政府として、国連が現地にもう一度戻って活動再開できるよう一層の外交努力を払うべきだと思いますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。(拍手)
 今回のイラクの人道支援について、野党側は、自衛隊を派遣するな、お金だけ出せばいい、憲法違反だといったさまざまな批判があります。要するに、自衛隊を出さずに民間人にだけ任せるということですが、治安が不安定な状況下で民間人派遣は余りにもリスクが多過ぎ、結局は何もしないということになることは明らかです。仮にも、日本として人的貢献をしないという対応をとったときに、日本は国際社会の中でどういう評価を受け、今後、日本の外交にはどういう問題が生じるとお考えでしょうか。総理の率直な御所見をお伺いしたいと存じます。(拍手)
 現在、陸上自衛隊の先遣隊が現地の治安状況を調査しておりますが、この報告を踏まえ、陸上自衛隊本隊の派遣時期については、状況を十分に見きわめて最終判断するよう強く申し述べておきます。
 さて、私は、昨年一月の代表質問においても、新しい平和主義を掲げ、国際人道支援については迅速に対応できる体制を構築すべきだと提案いたしました。本当に必要なときに、困窮している人々へのスピーディーな支援が不可欠です。なぜなら、命に直結するからです。そういう意味で、自衛隊の国連待機制度への加入は急務です。
 この制度は、国連PKOの機動的かつ迅速な展開を可能とするために、国連加盟国が一定期間内に提供可能な要員の種類、数などを国連側にあらかじめ報告しておき、実際に展開が必要となった場合、国連がこれに基づき各国に要請するシステムであります。
 本年こそは、我が国も加入への意思表明をすべきであります。総理が繰り返し言われている、憲法前文にある国際社会において名誉ある地位を実現しようと思うのであれば、その決断を求めるものです。御答弁をいただきたいと存じます。
 今月、自民、公明両党の政調会長らが訪中をしましたところ、中国政府高官から、小泉総理が行った靖国神社参拝についての懸念が示されました。参拝を続けられる総理の信念は承知をしておりますが、総理は靖国神社への参拝が外交上の障害になっている点について、どのようにして解決を図っていくべきだとお考えでしょうか。
 私は、一昨年、追悼平和祈念懇談会が提言した新たな追悼平和祈念施設の建設は、日本が国際貢献により力強く踏み出していく環境づくりの上からも、早急に具体的な検討を開始していくべきだと思いますが、総理の御所見を伺いたいと存じます。(拍手)
 次に、武器輸出三原則の見直し問題についてお伺いします。
 大量破壊兵器が拡散している今日の状況を考えると、国民の生命と財産を守るために弾道ミサイル防衛構想を推進することはやぶさかではありませんが、武器輸出三原則については堅持すべきだと考えます。
 ただ、現在、日米で共同研究している弾道ミサイル防衛構想が開発、配備の段階になれば、相互に共同研究の成果を具体化する必要があるので、その限りにおいて三原則の例外を求めることについては検討の余地があると思います。
 この武器輸出三原則の見直し問題について、総理の御見解を承りたい。
 我が国経済は、ようやく、緩やかではありますが、回復への確かな歩みを始めました。しかしながら、今般の景気回復は設備投資と輸出に支えられたものであり、小泉改革の成果が芽吹き始めたとはいえ、まだまだ内需主導の本格的な回復にはなお遠く、その意味で重要な局面を迎えつつあると思います。今こそ、気を緩めることなく構造改革を着実に進める体制を強化していくことが重要であります。
 また、デフレも依然として続いている中で、その早期脱却に向け、特に新産業、雇用など、新たな需要の創出へ向けた取り組みを強化していくべきであります。
 その点、平成十六年度予算において、ライフサイエンス、情報通信、ナノテクノロジーなど、二十一世紀のリーディング産業の創出を目指して、早期の実用化が見込まれる研究開発プロジェクト、いわゆるみらい創造プロジェクトを大幅に拡充し、戦略的な推進体制が整ったことは大いに評価するものであります。今後のプロジェクトの具体的な取り組みについて御答弁いただければと存じます。
 また、高齢化や災害に備える住宅リフォームは喫緊の政策課題であり、同時に大きな経済効果も期待できます。
 高齢者がいる住宅は、現在一千万世帯を上回り、毎年平均三十一万世帯ふえ続けています。二〇二〇年には三軒に一軒が高齢者世帯になると言われ、住宅のバリアフリー化のニーズも当然高まりつつあります。住宅政策は、量を求める時代から、既存住宅でいかに快適で安全な住まいにさせるかの質を求める、いわゆるリフォーム時代に入ったことは明らかであります。
 段差をなくし、手すりをつけたいなど、バリアフリーを希望する世帯がリフォームするだけでも、四兆円を超える需要があるとの試算もあります。また、耐震性に問題があると指摘されている昭和五十六年以前の住宅が耐震改修工事を行うだけでも、約十四兆円の需要が発生します。
 総理、今こそ、リフォームを推進し、経済の活性化策を推進する上でも、助成、融資、税の優遇などの施策をパッケージにした政策プログラムを早急に策定し、実施すべきですが、総理の御答弁を求めます。(拍手)
 次に、少子高齢化に対応した施策の推進についてです。
 高齢化に少子化の進展が相まって、二〇〇二年から二〇一五年までに、生産年齢人口が約八百四十万人、労働力人口は約九十万人も減少します。高い技術とノウハウを持ったベテラン社員が労働市場から姿を消し、質量ともに深刻な労働力不足となることから、経済社会の支え手として高齢者を必要とする時代が到来すると思います。
 厚生年金の支給開始年齢が段階的に六十五歳に引き上げられることを考えると、まず、高齢者が何らかの形で六十五歳まで働き続けることが可能な雇用環境を整備しなければなりません。そのためには、定年年齢の引き上げ、または、原則希望者全員を対象とする継続雇用制度を義務化するなどの法的整備を進め、円滑な制度導入が図られるよう支援を講ずる必要があります。厚生労働大臣の御答弁を求めます。
 また、高齢者の多様な働き方をサポートするため、シルバー人材センターを活用し、地域に根差した総合的な就労支援を行うべきであります。高齢者の雇用確保について、厚生労働大臣の御見解を承りたい。
 一方、若者の雇用環境が深刻です。十五歳から二十四歳の若年者の失業率は一〇%前後、いわゆる七五三現象と呼ばれる学卒者の高い離職率、フリーターや無業者の増加など、中長期的に見て、日本の競争力の低下や社会不安に結びつきかねない状況であります。
 若者の雇用が深刻である理由は、もちろん求人が少ないことが理由の一つですが、私は、若者の仕事に対する夢がなくなってきていることにこそ問題があると思うのです。
 総理は、最近ベストセラーになった「十三歳のハローワーク」という本を御存じでしょうか。著者である村上龍氏は、「いい学校を出て、いい会社に入れば安心という時代は終わりました。好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみませんか」と述べています。
 最近、私も若者と話をしていて感じることは、やりたい仕事がない、職業や将来についても何も考えがなくて悩んでいると話す若者が多いことには驚くばかりです。この問題の解決のため、私は、小中学生のころからの職業に対する体験学習などを行っていくことが必要だと考えますが、総理並びに文部科学大臣の御所見をお聞かせください。
 経済の活性化を考えるときに忘れてならないのが、中小企業・ベンチャー支援策です。日本の企業の九九・七%を占めるとも言われる中小企業に活力がなければ、我が国経済の活性化はありません。特に、市場を活性化するためには、ベンチャー企業の育成は不可欠であります。我が党はマニフェストなどで、従来の中小企業融資のあり方を見直し、物的担保によらない融資、個人保証を求めない融資の拡充など、中小企業金融の拡充を訴えてまいりました。
 このたびの予算案には、我が党の主張が大きく反映され、中小企業金融の多様化として、中小企業向け貸付債権の証券化支援、経営者の個人保証を免除する特例措置の創設、NOx・PM法対策のための融資制度の創設、無担保無保証で融資を行う新創業融資制度の貸出上限額の七百五十万円までの引き上げなどが盛り込まれました。
 しかし、地域の中小企業を見てみますと、まだまだ困難な状況が続いております。特に個人・零細企業や新規開業企業は、十分な融資を得ることができていません。
 このような状況下において、政府系金融機関の役割は非常に重要であります。民間金融機関ではリスクをとることのできない部分において、しっかりとカバーし、やる気のある企業を支援していくことが重要であります。そのためにも、中小企業金融の強化、特に無担保無保証融資や新規開業向け融資の拡充を図っていくべきであると考えますが、総理の御認識を伺いたい。(拍手)
 七十九年ぶりに我が国で鳥インフルエンザが発生しました。これは、強い感染力を有し、鶏の大量死をもたらす大変危険な家畜伝染病であります。これが人にうつる感染力の強い新型インフルエンザに変化するおそれもあると指摘されており、早急な封じ込めが必要であります。
 いまだに感染源は特定されておりませんが、感染源の徹底究明、迅速な蔓延防止対策、風評被害対策、移動禁止区域の養鶏業者の救済などに全力を挙げるべきでありますが、食の安全確保を含め、政府の対応と決意を総理にお尋ねいたします。
 米国のBSE発生に関し、我が国は直ちに輸入禁止措置を講じましたが、食の安全、安心確保の観点から極めて適切であったと思います。また、農林水産省は、BSEの全頭検査か、これと同等の検査体制の確認が輸入再開の条件としておりますが、食の安全、安心の観点からは必要な措置だと思います。
 しかし、米国産牛肉は国内需要の四分の一を占めているため、禁輸が長期化すると国民生活に大きな影響を与えることは必至であります。既に、牛どんの販売中止を表明した大手牛どんチェーンも出ておりますし、また、オーストラリア産牛肉は急騰しており、これが国産牛や豚、鶏肉価格へ波及することは避けられないと思います。
 米国産牛肉の輸入問題は、こうした観点も踏まえつつ、長期化しないよう対処すべきだと考えますが、総理並びに農林水産大臣の答弁を求めるものであります。
 次に、がん対策の強化についてであります。
 がんの罹患率と死亡率の激減を目指し、平成十六年度から第三次対がん十カ年総合戦略がスタートしますが、検診体制の充実など一層の予防推進に取り組むとともに、専門医の育成や診療拠点病院の整備を進め、質の高い最適ながん医療が全国どこでも受けられる体制を早急につくるべきであります。
 アメリカでは、がん死亡率が九〇年代初頭から劇的に低下に転じたと聞いておりますが、我が国においても、政府のリーダーシップのもと、強力にがん対策を推進していただきたいと考えますが、その取り組みと御決意について総理にお伺いをいたします。
 我が国では、平成十四年中の刑法犯認知件数は約二百八十五万件。平成八年以降、七年連続で戦後最多を記録。百四十万前後で推移してきた昭和期の二倍に上ります。
 そこで、治安対策の拡充について御質問いたします。
 第一は、空き交番の解消策の推進のため、国の財政支援のもと、警察官OBをより積極活用できるような施策を強力に推進すべきであります。総理の答弁を求めます。
 第二は、民間警備員の拡充です。
 現在、街頭犯罪対策はもちろんのこと、学校、幼稚園、保育園などの安全対策や通学路などの安全パトロールなど、民間警備員が警察の補助的な役割を担っている地域もあり、今後、ニーズはますます高まりつつあります。このように地域の治安活動に従事する民間警備員の拡充について、政府も努力すべきだと思います。
 あわせて、駐車違反取り締まり等、交通警察の一部民間化や自治体の職員への権限付与なども推進すべきだと考えますが、御答弁をいただきたい。
 ことしは改革の本丸に入る年です。それは、とりもなおさず、国民の皆様に負担増という痛みと覚悟をお願いすることになります。
 そうであるなら、私は、公明党が提案しておりますむだ遣い一掃対策本部のようなものを設置し、政府みずからが徹底した税金のむだ遣い追放、行政の合理化に努めるべきだと考えます。また、議員年金の見直し、国会議員の歳費カットの継続などについても範を示さなければなりません。総理のお考えをお聞かせください。
 昨年の衆院選で与野党の国会議員による選挙違反が相次いだことは、極めて遺憾であります。すべての政治家が襟を正して、再発防止、政治倫理の確立を図るために全力を挙げなければなりません。国民の政治への信頼を回復するために、再発防止と政治倫理の確立に向けての総理の決意を承りたいと存じます。
 次に、年金制度改革についてお尋ねいたします。
 言うまでもなく、公的年金制度は老後の安心生活の基盤であり、いかなる社会経済情勢の変化にもたえ得る万全の制度設計へと改革しなければなりません。
 具体的には、給付水準を現役世代の五〇%以上を確保するとしたことは画期的です。加えて、基礎年金の国庫負担割合二分の一引き上げへの明確な道筋をつけるなど、政府・与党で合意に至った内容を着実に実施することこそが国民への安心のメッセージになると考えますが、総理のお考えを伺います。
 また、昨年末からの積み残し課題であった在職老齢年金制度の見直しや、国民年金の最終的な保険料水準の上限設定、そして女性と年金にかかわる諸課題等についても、持続可能な制度の構築を図るとともに、今日のライフスタイルの多様化にも対応できる公正中立な視点で制度改革を行うべきであります。
 さらに、積立金の運用方法や福祉施設の見直し、保険料の未納者対策の強化など、制度改革の前提となるむだを削減し、公的年金に対する信頼回復に努めるべきであります。特に、国民から批判の強い年金資金運用やグリーンピア等の福祉施設は、国民からいただいた保険料を財源に諸事業を行っており、徹底的な見直しを行うべきです。
 いずれにしても、今国会でこうした諸課題をクリアにし、真に国民が安心できる年金制度の構築へ向け、総理並びに厚生労働大臣の改革断行への御決意を伺います。
 次に、教育について伺います。
 第一に、小学校における英語教育の必修化は急速な国際化の中では避けられないことだと思いますが、どのように取り組むお考えか。
 第二に、各学校に地域住民や保護者が学校運営に参画する学校評議会制度を創設することについていかにお考えか、文部科学大臣の御所見を伺います。
 第三に、教育基本法についてであります。
 教育基本法は、前文に「日本国憲法の精神に則り、」とあるように、憲法と密接に関連する法律であり、また、中教審の答申にある国を愛する心や宗教教育などについては慎重に議論すべき問題と考えます。
 いずれにせよ、現在、与党で議論しているところでありますが、大事なことは、教育のあり方を根本的に議論していくと同時に、いじめや不登校など今日の教育の諸課題に対する取り組みも一層強力に推進していく必要があります。
 今日の教育問題への取り組みに対する御決意を、総理並びに文部科学大臣に求めます。
 世界経済の発展に大きな役割を果たしてきたWTOの次期通商交渉が暗礁に乗り上げる中、各国は、二国間で関税ゼロを目指すFTA、貿易協定締結に全力を挙げております。しかし、我が国はこうした流れに立ちおくれていることを認めざるを得ません。特に成長著しいアジア諸国とのFTAは、我が国の経済発展にとって極めて重要であり、全力で推進すべきであると考えますが、総理のFTA推進の決意と我が国へのメリットについてお聞きします。
 一方では、FTAの推進で農産物価格が下がり、さらに農産物輸入がふえるなら、日本農業の停滞、食料自給率の一層の低下、農業の有する多面的機能の喪失に拍車がかかるのではないかと懸念する声もあります。
 総理は、農業国のアジアの中で我が国農業をどのように位置づけるのか、また我が国の食料、農業、農村をどう発展させていくのか、さらには担い手不足対策や農家に対する所得補償対策を含め、明快な答弁を求めるものであります。
 北朝鮮問題についてお伺いします。
 最近の北朝鮮は、拉致問題に関しさまざまな動きを見せ始めておりますが、あくまでも交渉は政府間で行うとの原則は崩すべきではありません。
 私は、六者会合の際、北朝鮮に対し、拉致被害者の御家族の早期帰国、生存未確認者の再調査に向け、日本人のメンバーを含めた調査委員会の設置など、拉致被害者や御家族の意向を十分踏まえた内容を断固要求すべきだと考えます。総理の御見解を求めます。
 また、北朝鮮の核問題がありますが、関係国や国際機関と連携を密にとりつつ、核を断固排除する強い決意がおありになるのか、改めて確認をしておきたい。
 一方で、北朝鮮は米国の訪朝団を受け入れ、核施設を視察させるなど、新たな姿勢を見せており、第二回の六者会談開催の機運が高まりつつあります。こうした状況を踏まえ、我が国としても、次回六者会合の実現へ向け、米中韓を初め関係諸国と緊密に連携していくことが重要であります。
 そこで、総理にお伺いしますが、次回六者会合の実現を目指しての我が国の取り組みとその見通しについて、御答弁をいただきたいと存じます。
 未来の国づくりについて、一点、私どものビジョンを申し上げます。
 国づくりに品格が求められ、人間力の陶冶が叫ばれる時代だからこそ、文化芸術の振興が重要視され、さながら世界は文化競争の時代に突入していることは、関係者の見解の一致するところであります。この点、我が国は、さきに公明党などの提案で文化芸術振興基本法を制定しましたが、今後、さらに予算措置も含めて具体的推進を図っていくべきであります。
 第一に、芸術文化は人が資源であり、開拓者そのものであることにかんがみ、それに携わる人を国や社会の宝として尊重、尊敬すべき人としての位置づけと、支える仕組みが必要であります。その具体策として、社会保障や権利の保護を制度化する芸術家の社会的地位向上法の制定と、芸術家の公的雇用を拡大すべきであります。
 第二は、町づくりなど公共事業などにおいて、文化芸術の視点を政策評価基準として採用してはどうかと考えます。
 芸術文化にとりわけ深い造詣を持っておられる総理に以上の二点についての御見解を求め、代表質問を終わりたいと思いますが、最後に、昨日の本会議におきまして、民主党の菅代表から、私に対する党代表の辞職勧告をしていただきました。
 私は、公明党大会において党員から党代表として選ばれているのでありまして、その立場に対して、野党の一党首から辞職勧告をされるいわれは毛頭ないのであります。(拍手)
 他党を云々するよりも、まずは、みずからの党所属議員の学歴詐称など、重大疑惑事件を徹底解明するとともに、出処進退を明らかにさせることこそ、党代表としての菅代表の責任であり、国民、有権者に対する政党の最低限の責務であると申し上げ、私の代表質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 115905254X00320040122_009

発言者: 神崎武法

speaker_id: 11799

日付: 2004-01-22

院: 衆議院

会議名: 本会議