島田久の発言 (本会議)

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○島田久君 民主党・無所属クラブの島田久であります。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、公益通報者保護法案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 この法案は、公益通報者を保護し、公正で正義感に満ち満ちた社会を構築する、そして、速やかに反社会的な行為が是正されることが重要な要件であります。その背景と必要性については、どの政党より早くから訴えてまいりました。
 しかし、政府が今国会に提出しました本法案は、通報者、通報対象事実を狭く設定した上、通報者保護から見ても極めて不十分であり、実質的には、公益通報者保護法案ではなく、公益通報抑制法案というべき内容になっております。(拍手)
 以下、反対する理由を具体的に申し上げます。
 第一に、本法案は、公益通報者の範囲として、労働者(派遣労働者が派遣先に通報する場合と取引事業者の事業に従事する労働者が取引先に通報する場合を含む)のみを対象としています。それでは、雪印食品のケースのような、弱い立場にある下請事業者は保護されません。
 公益通報者保護制度の立法趣旨からしても、内部情報に接し得る者は、その立場を問わず、基本的には何人も保護されなければならないと思います。
 第二に、本法案は、通報対象事実について、極めて狭い範囲に限定されています。本法案のように通報対象事実を非常に狭い範囲に限定しては、保護される通報はほとんどなくなってしまい、極めて不当と言わざるを得ません。
 公益通報者保護制度を十分に機能させるためには、犯罪行為に該当する場合に限定すべきでなく、法令違反でなくても、生命や健康に重大な影響を与える事実や当該侵害事実が違法に消費者利益等を害するものと評価できる場合などを広く含むべきであります。
 第三に、本法案は、外部通報先の範囲についても、外部通報要件についても、過重に限定されており、これも公益通報を抑制する要因になりかねません。また、通報先を問わず、「他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない」とする条項第八条は、公益通報しようとする者を不当に萎縮させ、公益通報を抑制する結果をもたらすものであり、削除すべきであります。
 第四に、公益通報者である労働者が、通報を理由として刑事責任や民事上の責任等を追及されるおそれがあるので、通報した内容が社会的に見て批判されるものであり真実であるなら、刑事責任、民事責任を問われないように配慮される必要があります。
 第五に、本法案は、政府の提案によれば、公布から二年以内に施行、見直しは施行後五年後にということになっており、見直しまでの時間が余りにも長過ぎます。政府の言うように、小さく産んで大きく育てるのであれば、私どもが提案するように、公布から一年以内に施行、施行後三年以内に見直すべきであります。
 本法案は、その立法の趣旨にかんがみて、そのほかにも多くの問題点を抱えています。公益通報者保護制度を実効あらしめるためには、法案で示している公益通報の内容、保護されるべき通報者の範囲を広げ、保護による効果を拡大し、さらに、公益のために事業所外部へ通報を行った者が必要な保護を受けられるように十分配慮されるべきであります。
 私どもは、この種の制度の必要性、緊急性や社会的な要請については痛感しており、何とか公益通報者の保護制度を確立しようと本法案の抜本的な修正を訴えてまいりましたが、残念ながら理解を得ることができませんでした。ざんきにたえません。
 さらに、本法案が成立しても、立法の趣旨に沿った内容に高めるために、機をとらえて絶えず改正を訴え続けていく決意を申し上げ、私の民主党・無所属クラブを代表しての討論を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 115905254X03520040525_018

発言者: 島田久

speaker_id: 1397

日付: 2004-05-25

院: 衆議院

会議名: 本会議