林紀子の発言 (共生社会に関する調査会)
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○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
この調査会では障害者の自立と社会参加について調査を進めてまいりましたが、おいでいただきました参考人が、それぞれ権利の主体となって障害者が生きることができる社会を作ることが必要だと述べられました。そのとおりだと思います。
そして、私は最近、障害者に対する差別とはどういうものか、ある弁護士さんがこうおっしゃっておりました。障害を理由に不利益な取扱いをすることだけが差別ではない、障害のある人が社会参加をする上で社会の側がすべき必要な配慮を行わないことも差別、自分の努力で社会に入ってくださいというだけでは障害のある人は社会に参加できない、この言葉もそのとおりではないでしょうか。そして、特に行政が必要な配慮をすることが政治の課題として求められます。
政府からは、自立と社会参加の基礎は地域生活支援がキーワードであり、その地域生活支援の具体策の柱の一つとして、昨年度から措置制度に代わって支援費制度が施行されたと説明がありました。しかし、支援費制度が実施されてから一年もたたない昨年度末、予算不足が大きな問題となりました。ホームヘルプサービスに必要な予算が百億円余りも下回る二百七十八億円しか組まれていなかったという問題です。本調査会で論議をした三月までにはやりくりをして必要額は確保したという政府の答弁がありましたが、結局十四億円が不足のままとなっていたということです。今年度予算もホームヘルプサービスに三百四十二億円しか計上していないので、昨年並みの利用でも既に四十億円余りが不足することになります。
この予算不足を解消する方策として、介護保険の見直し検討作業の中で、障害者支援費との統合が急浮上しているということですが、財源も仕組みも全く異なる二つの制度を統合することは、更に矛盾を深め、問題点を大きくするだけです。坂口厚生労働大臣も委員会で認めていらっしゃいましたが、ホームヘルプサービスは地域生活支援の中でも一番要望の多いところ、要望にこたえるだけの支援費予算を計上し、国として責任を持つべきだと思います。
また、障害者の自立にとって働く場の問題というのは非常に大きいものがあります。企業の雇用率は一・四八%だという政府の説明がありましたが、不況の厳しさは真っ先に障害者を直撃します。
障害者が働きながら人間として成長していく小規模作業所の重要性は昨年の調査でも参考人から強調されましたが、小規模作業所は増え続け、現在、六千か所以上、約九万人の人が通所をしております。そして、国庫補助は一か所当たり一年たった百十万円しかありませんでしたが、さらに昨年から前年比一割カットするというのは余りにひどい仕打ちではないでしょうか。小規模作業所を小規模通所授産施設に引き上げていくという答弁もありましたが、ここへの補助金は年千百万円、これもまた一千五十万円に減額するというやり方です。
この四月の二十二日には、関係障害者団体が総結集して、障害者本人も含めた七千人が東京に集まり、国庫補助制度を後退させないでほしいと訴え、私もその要請書を受け取りました。政府はこの願いを真摯に受け止めるべきです。今年度の障害者福祉予算は五千億円余り、GDP比で〇・一%にすぎません。障害者の自立と社会参加を掛け声だけの絵にかいたもちに終わらせないためには、この予算を引き上げていくことが何よりも求められます。
そして、障害者の教育の問題についても申し上げたいと思います。
現在、障害児として教育を受けている義務教育段階の子供たちは十七万二千人、全体の一・六%という説明が、これも文部科学省からありました。今回新たにLD、ADHD、高機能自閉障害などの軽度発達障害の子供たちに教育支援を行う方向を打ち出したことは評価できることです。
こうした子供は全体の六%程度、義務教育段階で六十数万人と推計されています。しかし、文部科学省の構想では、既存の人的、物的資源の配分の見直しはしても、先生の数を増やすなど新しい措置を取ることは考えていません。
通常の学級でニーズにこたえた教育を進めるためには、ここでも予算も人員も増やすべきだと申し上げまして、意見の発表を終わります。