田英夫の発言 (憲法調査会)

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○田英夫君 今日のテーマである集団的自衛権というのは、実は、失礼ながら、憲法を改正しようと考えておられる方々の中のよじれた問題だと言っていいと思います。
 自衛権と集団的自衛権というものを並べて自然権であるという、今日、参考人もちょっと言われましたが、それは無理があると。自衛権というのは自然権と言うことができるでしょうが、集団的自衛権というのは比較的新しい概念で、これをも自然権というふうにして、当然これは認められるべきだというところによじれの問題が生じているんじゃないかと思っております。
 それから、集団的自衛権の問題は、主として日米安保条約に基づくアメリカとの問題で論じられていますけれども、日本にとって非常に重要なのは、アジア諸国との関係を円滑にするということではないかと思います。この点が戦後長い間軽視されてきた。これは重要な反省材料としてよほど考えないと、今日実は佐瀬参考人も、私と意見は違うんですけれども、アジアの視点を考えないと、集団的自衛権というものを憲法を改正してもわざわざ認めるということを言うべきじゃないと。今まででさえこれだけやってきたのに、憲法を改正して集団的自衛権を認めると明記したら、アジアのとは言われませんでしたが、各国から疑心暗鬼を呼ぶと、こういう言い方をしておられる。これはアジアの視点を持っておられるということが言えると思うんですね。
 もっと我々は、中国や南北朝鮮やモンゴルや、そういったアジアの国々、東南アジアを含めて、過去に日本が迷惑を掛けたということがありますし、この国々との問題をもっともっと重視しなければいけないと思います。
 もう一つ、今日の議論ではなかったんですけれども、私は、戦争というものが第一次世界大戦、第二次世界大戦以後、非常に変質してきているということをもっと重視すべきだと思います。
 第一次世界大戦で初めて一般市民の死者が軍人の死者を上回った。この結果が先ほども出た不戦条約になってきたんだと思っています。そして、第二次世界大戦では、特に日本で広島、長崎がありましたし、市民の死者が非常に多かったということの中で、国連ができ、国連憲章ができ、それと並んで日本国憲法ができてきたと。このことを我々は忘れないで、いつも大切に考えていかないといけないんじゃないか。人間の歴史は戦争の歴史と言っていいような、言わば戦争は人間の本能みたいな感じがしてならないんですが、しかしもうその時代は終えなければいけない。
 日本国憲法を作ったときの総理大臣であった幣原喜重郎さんは、原爆の体験を経た以上、日本は戦争をしてはならない、そのためにはどうしたらいいか、考えた末に私は非武装という結論を出したと。非武装などと言うと狂気のさたと言われるかもしれないけれども、戦争で殺し合うのと非武装とどちらが狂気のさただろうかということを、言葉を親しい方に残しておられます。
 この辺が今、我々の考えるべきことではないかと思います。
 終わります。

発言情報

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発言者: 田英夫

speaker_id: 16046

日付: 2004-02-18

院: 参議院

会議名: 憲法調査会