棟居快行の発言 (憲法調査会)

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○参考人(棟居快行君) 今御紹介にあずかりましたように、二年ばかし前になりますが、中央公論社のお力によりまして全国から前文案の募集をいただきまして、そのうち私なりに幾つか特徴のはっきりしたものをピックアップいたしまして、コメントを付けて誌上で発表させていただいております。
 そこで感じましたことは、かなり類型化ができるんだなということが一つです。つまり、幾つかのパターンというのがこれは出てまいると。若い世代で多いのは、やはり環境を前面に出すという、それと、もちろん平和主義を前面に出すというものも当然ございますが、いずれにせよ、一つの特徴としては、今の日本国憲法が、先ほども報告の際に申し上げましたように、様々の基本原則を言わば列挙しておる格好を取っておるのに対して、若い方々の憲法前文案というものは、そのうちの一つないし二つに絞った上で日本はこういう国家像を目指すんですよということをかなり単刀直入にずばりと伝えてくるという、こういう、私の言葉で言えばメッセージ性としては非常に明瞭なものが多かったんではないかと。それをこちらとしても選んでしまったということもあるのかも分かりませんが、つまり、あれもこれもということではなくて、むしろその中の選択、選別と、これを憲法前文の役割というふうに考えているのかなという印象を持ちました。これが第一点でございます。
 さらに、第二点としましては、今、日本は、これは言うまでもなく非常な高度産業社会でございまして、様々の分野の世界の一流の専門家がこれは日本国民としてこの国で暮らしているわけです。
 その方々は、憲法あるいは憲法前文についてはそれこそ初めて読んだというような方々が多いのかも分かりませんが、いわゆる知的な水準、教養、あるいは様々の技能という点では、これは一流のものを持っているわけです。そうした方々が日々いろんな分野で格闘される中で、何か、言わば社会システムに対して漠然とした問題意識をお持ちだというときにこういう企画を立てますと、このような憲法前文というのがあってしかるべきではないかといった形で、言わば現場からのフィードバックのような格好でいろんな物を申されてくると。
 ですから、言わば法律案としてのできはともかくとして、非常に最先端の意識が、例えば知的所有権を大事にするといった考え、あるいは知財立国的な国家像とか、そういった、もちろんそれだけで賄えるわけではないのでしょうが、御自身の、そういった言わば最前線からいろんな意見が、非常に多様な意見が寄せられてくると。それぞれの問題意識といいますか、水準は極めて高い、質がよろしいということが感じたことの二点目でございます。
 ですから、これは、国民自身が憲法前文を書く力を持っているというのはこれはもう間違いのない事実であります。ただ、やはり非常に国民はそれぞれの生活、仕事、その他で忙しくしておるわけですし、その自分の置かれた断片的な状況の中でしかやはり発言はしてこないということで、そういった投書的なものをそのまま並べれば、それこそ今の日本国憲法よりも更に数多くのやおよろずの神々のような諸原則をただ羅列する格好にもなりかねません。
 そこで、私もやはり国会、とりわけこの参議院の場におきまして、これアフガニスタンでロヤ・ジルガというのをやっておりますけれども、国民大会議と申しましても様々の地域、分野から選抜された選良たちの場でありますけれども、この参議院を是非憲法ロヤ・ジルガとして機能していただいて、多様な国民の価値観を、国民の多様性を尊重しながらも政治的に統合していくと、こういう前文を練り上げていただきたいというふうに願っておるものでございます。

発言情報

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発言者: 棟居快行

speaker_id: 30740

日付: 2004-04-21

院: 参議院

会議名: 憲法調査会