津守滋の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(津守滋君) もっともな御指摘をいただきましたが、まず第一点、単なる話のための場を作るだけでは安全保障は確保できない、実力が必要じゃないか、全くおっしゃるとおりであります。
 これは、正にアジアにおきましてはアメリカがハブ、それから日米、米韓、こういうのがスポーク、ハブ・アンド・スポーク・システムと言われておりますが、これを補完する形でARFというのがあって、ARFは決してそういうハブ・アンド・スポーク・システムに代替するものでない。同じことが中東についても言えるわけでありまして、申し上げましたように、やはりアメリカのプレゼンスというのは最低必要だろうと思うんです。ただ、それだけではうまくいかないんではないかと。それを補完する、補強するシステムとしてその新しい枠組みが必要じゃないかということでございます。
 それから第二点の、日本がイニシアチブを取るといっても余り大した意味はないんではないかというような御指摘だったように思いますが、これは私はやっぱり、イラン要素をさっき申し上げましたが、これは大変重要だろうと思うんですね。イランが参加しないとこれはできないんです。ところが、イランとアメリカは今の状況からいいましてとても話す状況にはない。ここに私は日本の出番があるというふうに考えるわけです。それは、さっき申し上げた日本外交の非常に大きなアセットとしてまず評価する必要があって、対イラン外交をですね、これをフルに利用するということではないかと思います。別に、そういうものを作ったからといって、日本がそこに軍隊を派遣してその軍事的なプレゼンスを確保するという話は、もちろん憲法上もできませんし、そういうことではございません。
 それから、イスラムというものの非常に大きな問題提起をなされたわけで、私はとてもそういう文明論できる立場にありませんが、二年間クウェートにおりまして感じましたことは、ちょうどハタミ大統領が文明間の対話というのを唱えた時期でありまして、いろんな考えの違いを克服して、あるいは克服しなくても対話を進めようというムードが広がったわけですね。
 それで、その際よく出てくる言葉は、ヒンズー、インドの昔の賢人が、真理は一つだと、賢者はそれを様々に説くと。これはしょっちゅう出てくるんです、つい最近の宗教学会の東京での会議でもそれは出てきましたが。要するに、釈迦にしろマホメットにしろキリストにしろ、あるいはモーゼにしろ、言っていることは結局同じだというふうな見方がイスラム社会にもあるわけですね。ですから、一神教だ多神教だということは余り区別して言う必要はないんじゃないかと、これは全く私の私見でございますけれども、そういう感じがします。
 特に、クウェートの知識人は、非常に指摘してきたのは、日本とイスラムというのはいつもヨーロッパを通して間接的にしか接触がなかったと、これからは直接の接触をしたいということをしょっちゅう言っていました。実は、明治の後、日露戦争で日本が一応の勝利を収めた後、イスラム社会が一斉に日本に顔を向けたんですね。そのときに、むしろイスラム教を日本に取り入れてもらいたいということでいろんな形で働き掛けがあって、そういう意味ではイスラム社会においては日本に対する親近感というのはかなり伝統的に根強いものがあるというふうに考えています。
 非常に卑近な例であれなんですが、クウェートには日本人が二百五十人しかいません。しかし、一割は、日本人女性が、クウェート人と結婚した日本人女性なんです。すべてうまくいっています。これは、ドイツ人と結婚する日本女性というのはうまくいかないんですけれども、いかないケースが間々あるんですが、クウェート人と結婚した日本女性は全部離婚せずうまくいっているんですね。というようなこと、極めて卑近な例でございますが。

発言情報

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発言者: 津守滋

speaker_id: 20057

日付: 2004-02-16

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会