茂田宏の発言 (国際問題に関する調査会)
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○参考人(茂田宏君) 会長、どうもありがとうございます。
高野先生の質問、二点だと思うんですけれども、イラク問題とパレスチナ問題との絡みについてというのが第一点ですけれども、私は、対イラク戦争というのは、これはイラクが、湾岸戦争の後に大量破壊兵器を廃棄する条件で停戦が成立しているのに、それをきちっと実行しなかったという疑惑についての戦争だったと思っております。したがって、このパレスチナ問題が直接関係したわけではないというふうに思います。ただ、中東情勢全般の中でパレスチナ問題がアラブ人の心理その他に与える影響というのは大変大きいということかと思います。
第二点は、イラクその他における民主主義、民主化の問題をどう考えるかという質問でした。
この間の年頭教書でブッシュ大統領は、神様は人々の心の中に自由の中で生きるという願望を植え付けたと私は信じていると、したがって我々は民主化を進めるんだという趣旨の発言をしております。
ただ、私から見ますと、この近代民主主義というのは、一七七六年のアメリカ革命、一七八九年のフランス革命、さらに、少しさかのぼってもイギリスの権利章典ができたのが一六八九年です。ということは、まあせいぜいここ二、三世紀の間の話でして、神とか人類の歴史全体とかいうような話ではないというふうに思っております。
私は、民主主義というか、民主化をするのがすべての問題にとっての解決であるということで、理念先行型で政策を進めていくことが良い結果をもたらすのかどうかと、あるいはそれが成功するのかどうかということについては若干疑問を持っております。特に、イスラム圏の中でそういうものが根付くのかということについては若干疑問がありまして、今までの歴史の中できちっとした民主主義というのが出てこなかったというのはそれなりに理由のあることなんだろうというふうに考えております。
したがって、まあ革命の輸出ということで言われますが、フランスも革命を輸出した、ホメイニもしました、ロシアのレーニンもしましたが、まあ革命の輸出で今まで一番成功した国というのは私はアメリカだと思います。ただ、そのアメリカにしても、この民主化という、民主主義という革命を中東に輸出するのに成功するかどうかについては大変大きな疑問があるというふうに考えております。